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2006年11月25日 (土)

楽譜と演奏

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写真家でありピアニストであったアンセルアダムスが
「ネガは楽譜であり、プリンティングは演奏である」 と語ったそうだ。
4人の写真家がセッションのように互いにネガを交換し合って
それぞれの感性でプリントした写真展を見た。

大人のプロのセッション、
お互いの感性を尊重し合いながら自己表現をし、

新鮮な気付きを楽しみながら
ひとつの作品として表現する歓び

それは素晴らしいアンサブルだった。

神宮前の小道のギャラリーでそれを見た後
錦糸町に向う。

 

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千葉大学管弦楽団第100回記念演奏会

指揮はのだめのテレビドラマで千秋役の指導している梅田俊明氏。
オール レスピーギプロ。

1曲目はバッハ/レスピーギ編曲のプレリュードとフーガ 。
みんな緊張しているのがありありと伝わってくる。固い。
が、音が広がった途端、ホールの音響に驚く。
すみだトリフォニーホール は初体験だ。
日建設計と永田音響設計、新日フィルの調整は大成功を納めている!
意匠は趣味に合わなくてはっきり言ってきらいだが 、
悔しいくらいに素晴らしい音響だ。

ここで音響を誉めている場合ではない。

続く ローマ3部作。
祝祭にふさわしい華やかな音色、圧倒的な音の洪水だ。
正面のパイプオルガン、下手のハープにピアノ
正面上手上部にはバンダの金管群、
2階席後方からは鳥のさえずり、
ひな壇最後列ではパーカッション総出でオーバアクションのパフォーマンス
それはもう視覚的に聴覚的にも十分すぎる程の祝祭な音楽でした。

溢れんばかりの学生達の青春のエネルギー、
それを見事にトレーニングしたトレーナー陣
素晴らしいアインザッツで統制した指揮者、
それを温かく見守り応援する行儀のいい満員の聴衆、
オペレーションも音楽的にも大成功な音楽会でした。

辛口的に言えば
3部作の順番が入れ替わって演奏されても
聴衆はわからなかった,
というくらい音色的変化はなかったけど。

楽譜と演奏という表題をつけたのも
クラシック音楽という再現音楽では
奏者の人生観や人間性まで含めた音楽性を
表現の感性に求めてしまうのだが
今回のメインは描写音楽であったこと、
祝祭的 歴史的な色合いが濃かい中で
学生さん達にそこまで求めるのは酷ということでしょう。
指揮者の梅田さんがオープニングにバッハの曲を入れた見識が
せめてもの救いか。

ちょうど25年前に
たまたま第50回の記念演奏会に出くわしてしまい、
そこに居合わせた音楽を愛する仲間達と
ひとつの歴史を作った。
そこではマラーの5番という
当時はまだプロでさえ演奏経験のほとんどない大曲に挑んだ。
強烈な個性で牽引する常任指揮者は、
打点のない自由曲線を描く指揮で
人間の官能的な欲望や絶望感を音楽表現に
人生まだ20年の、そして技量的にも乏しい
学生達に徹底的に求めた。
それにに応えるべく苦しくつらくて
新鮮で楽しくてという矛盾の中で
極みの高い山にひたすら登るがごとく練習した。

演奏会後に 朝日新聞で柴田南雄氏がコラムで
「自動車に乗る時は 千葉大のマラ5を聴いています。
 こういうマラ5はプロでは聴けない。」
といった主旨のコトを書かれたたとき、
ものすごい衝撃と達成感を感じた。

そう、
当時は東北大のオケがFMで全国放送されたのを聴いたり
京都大学の朝比奈氏の指揮によるブラ2の東京公演を
新宿文化センターに聴きに行き 
ものすごい感動したコトを鮮明に覚えている。

東京では 我々の大学の総学生数がやっと1学年分という
早稲田、慶応、東京などの大きくて伝統のある大学オケが
節目や海外公演でマラーやレスピーギなどの大曲を演奏会で取り上げ始め、
プロよりも特徴的で旺盛な活動を始めた頃だった気がする。

今のようにITもないので
情報を即時に共有するすべもなかったし、
告知も音楽関係の狭い範囲に限られていたけど
その分 プロや指導者、愛好家には噂として着実に伝わって
それぞれ地方の大学オケも特徴的な音楽を奏でて
音楽を楽しむことと存在意義を
両立させようとしていたのかもしれない。

その後、その時の中心人物が社会人になってから
市民オケに飽き足らず次々とアマチュアオケを立ち上げ
さらには民間企業でも厚生活動としてオケを立ち上げていて
様々に特徴的な音楽活動を繰り広げていった。

今の学生オケの技術的レベルはもう圧倒的に上手いです。
生まれた時からCDもあって身近に音楽が溢れていたり
両親の環境もあってか楽器経験者も多いのか、
凄い合理的でまじめそうです。
アマチュアの情熱とぶつかり合うプロの指揮者のもと、
構成のはっきりした 素晴らしい音色を聴かせていただきました。
祝祭にふさわしい音楽でした。
次に目指すべき音楽がすぐ近くにあって
本当に羨ましいと思いました。

今日の演奏会で驚いたこと
1.ホルンは7名のうち男性は1名のみだった
2.トランペットも8名のうち男性は2名のみ
3.団長も技術委員長も女性だった
これはスイングガールの影響で
ブラスバンド入団者が急増した数年前の中高の影響なのか
のだめの影響なのか・・・?
4.伝統は守られている
  その1 プログラムの構成が30年変わっていない
      印刷も同じ会社、あか抜けないデザインも
  その2 ビオラでの本番の事故
      今日も弱奏でビオラが休符の場面で5プルの裏
       の子が肩当て落としてドカって音させてた
  その3 チェロ科の女性優位
      パート紹介の写真では男性が
      女性陣に土下座している
  その4 トレーナー陣は見覚えのある方々が半分
      え、30年以上指導しておられる・・
  4年で完全に学生は入れ代わり新陳代謝しているのに。
  これは校風なのか。
5.女性奏者の多くがノースリーブでした。
  特に1stVnはほとんどノースリーブだったので
  ボーイングがよくわかった。
  びおらの肩だしは目立ってましたなあ。

第50回の出演者の子供が第100回に出演してもよい関係だが
さすがにそのような親子は存在しなかったようだ。

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