創造する図書館
ここは多摩美術大学図書館です。
昨年の10月、伊東豊雄 建築 I 新しいリアル 展を見て、
ぜひ、この建築の完成後を体感したい、とずっと思っていた。
今日 その念願が叶った。
情報デザイン学科の吉橋先生を訪ねた折りに
館内を一緒に案内していただいた。
上は、利用者の視点での写真。
とても居心地のいい空間に仕上がっています。
ここの学生さんがうらやましい。
北側に開いた大きな窓から見える多摩丘陵の緑に向って
白木のダイニングチエアに座り、白いランプシェードの温かい光の下に佇むと
時がたつのを忘れそうです。
空間的モチーフである「洞窟」が、不連続に重なり合うアーチで表現されていて
見る角度により表情を変える姿はとても面白い。
構成している形、素材や記号がシンプルなため、
アーチが空間を分断しているようで、
実はとても連続的に美しい空間の構成を実現していた。
よく見ると、アーチは直線ばかりではないし、
もの凄く美しいカーブを描いているアーチもある。
さらにどこにも直角がないことに気付いた。
什器もところどころウイットに富んでいて、
偶発的な出会いや知的な遊びを演出している。
このアーチは非常に繊細で、根元を見る限り、これで構造的に大丈夫なのか、と思わせる。
実は、最先端の技術により建物全体が免震構造の上にのかっている状態で、それによりこの今まで体験したことのない空間を実現しているのだそうだ。
それにしても1階の床は 傾斜地に沿って斜めのままだ。
北側の窓は非常に微妙なカーブを描いた大曲面ガラスだ。
そしてこのアーチの蔭を効果的に演出しているのが
天井から下がる円盤状のシンプルな間接照明。
白色の蛍光灯が放射状に配置されているのだった。
それにしても この建築を実際に見て思うことは
伊東氏の卓越した発想とそれを実現するための設計力
そして何より現場でのせめぎ合いが相当あったのだろうと
容易に想像できるディティールへのこだわりと技術力の凄さだ。
いずれにせよ、多摩美術大学は知的な試みを実行し
伊東豊雄氏により非常にユニークでシンボリックな建築物を創造したことには間違いない。
この図書館の見学後、情報デザイン棟、芸術学棟も案内していただいた。
18時を過ぎても学生さんがたくさんいて活気がある。
情報デザイン教育の今や
経営とデザインの関係、デザインの可能性など
いろいろな話を延々とした。(していただいた、と言う方が正しい)
多摩美の八王子キャンパスは
プロダクト研究室と産学をやっていた頃、
いよいよ大詰めの10月には数日置きに通ったこともある場所だ。
日が落ち、外がシンシンと冷え込むデザイン棟での学生さんたちとの話し合いは思いで深い。
その後、特別講義や企業説明会に来て以来、多分3〜4年ぶりだ。
橋本からトンネルを抜けてから何もなかった場所の変貌ぶりにも驚いたが
多摩美のバス停、正門からこの一体の建築群とランドスケープの進化には
目を見張るものがあった。
教育の現場には、時々 実際に来てみるべきだ。
とても充実した午後になった。
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コメント
ご案内いただき、ありがとうございました。
あまりにもお誉めいただくと、くすぐったい。
カメラがいいんですよ(ここで宣伝してどうする(笑)
コツは、今までの数々の失敗、後悔の賜物です。
撮っておけばよかった、との経験から
これはいい! と思った瞬間にできるだけ
シャッターを切るようにしてます。
構えた瞬間に構造が決まって すぐに撮る。
撮れているかその場で確かめられるのが
デジカメのいいところ。
たくさん撮った画像を振り返って、
上手く思うように撮れたとき、
自分の目で見た印象とは違って撮れたとき
その時の光や構図がどうだったか考えます。
そしてまたチャレンジします。
そう、ラピットプロトタイプの精神を
楽しんでいるのかもしれません。
投稿: kojicozy | 2007年11月18日 (日) 10時12分
い、いつのまにこんなに「美しい写真」を撮られていたのですか?(^^;
案内してまわりながら、写真を撮られていたのは見てましたが、デジカメでパパッとスナップ写真撮ってるみたいでした。
どーしてこんないい感じに撮れてるんでしょう。(^^;
「センスが良い」っていうのはこういうことなのですねー。よその大学みたいです(笑)。
投稿: よしはし | 2007年11月18日 (日) 00時46分