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2008年5月 4日 (日)

CATS

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今年のゴールデンウイークも東京国際フォーラムで開催される音楽祭、
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」に参加しようと3月頃には考えていたのだが、いざ子供達の新学期が始まり都合が解るのを待っていたら、面白そうな演奏会のチケットはほとんど売り切れという状態になっていて、諦めた。

そこで我が家で急浮上したのが、以前から一度家族で行って見たいと思っていたミュージカルだ。劇団四季だけで現在、都内で5公演が行われている。で、選択したのがCATS.

今日は家族4人で、ミュージカル「キャッツ」を堪能してきた。

実は私は1984年に西新宿での初演を見に行っている。
新宿NSビルの横の空き地に真っ黒な四角い巨大なテントがこつ然と表れ、屋根には金色の目のシンボルマークが付いていたのが印象的だった。
その後、1986年の年末には、ニューヨークのブロードウエイでもCATSを見た。
日本の猫は繊細で、アメリカの猫は体臭も含めて野性的であると感じた。
そうそう、この時はニューヨーク駐在の友人にお願いして12月31日のチケットをゲット、マチネー終演後外に出てみたら、有名なカウントダウンの準備で道路封鎖、人が溢れ始める中をニュージャージーの友人宅までマンハッタンの街をなんとか抜け出したことを今でも鮮明に覚えている。凄いエネルギー溢れる街だった。
今回はそれ以来21年ぶり、3回目の鑑賞になる。
家族はいずれも今回がはじめて。

日本でキャッツのロングラン公演が始まったのは1983年。東京ディズニーランドがオープンした年と同じだ。ということは、私が社会人になった年なのである。
今から考えると、1983年は日本のエンターテイメントの歴史を塗り替えた大転換点だったのだろう。そこに新社会人として立ち会い、その成長を実感して来た世代なんだなあ、と思う。

初演時のシアターは鹿島建設による仮設テントの専用劇場だった。そういう発想も斬新だったし、専用劇場ならではの舞台装置、演出に度肝を抜かれた。今でこそインターネットによるオンラインチケットの予約、購入は当たり前だが、、当時はまず雑誌「ぴあ」で公演日や料金を確認し、プレイガイドごとに割り当てられた座席を窓口で購入するスタイルだった。そこに「チケットぴあ」のオンラインシステムが登場、電話予約でもどの窓口でも公平に席が予約できるというのは、画期的な出来事だった。さらにロングラン公演という試みも類を見なかった。

演劇という商品を「優れたエンターテイメント」として高い価値を生み出すために、日本では初めて劇団員のオーディションを導入して競争原理で質を高めたり、ロングラン公演で大型投資でも回収可能なビジネスとして成立させたり、コンピュータによる予約システムや会員組織の発足による安定的なチケット販売やマーケティングの実践など、劇団四季は「非日常空間」にこだわった「徹底的な顧客志向」によるビジネスモデル構築のパイオニアだった。「見に行く度に新しい発見がある」「別の位置から見たくなる」を実現し、それによるリピーター、ファンを獲得して25年、そのビジネスモデルは不動のものになり、与えた影響も多大だ。

今回のチケットは、インターネットで座席の場所を比較検討し、レビューや口コミ情報を確認しながら購入した。
そして今回のキャッツシアターは、大崎または五反田からの徒歩圏に立地していた。
私は大崎ニューシティの1時間250円(土日祝日のみ)の地下駐車場に車を停めた。横浜から家族4人なら電車より交通費も移動時間も半分以下なのだ。
Dscf0868 画像は今の仮設劇場の外観である。開園1時間前からすでに多くの人が楽しみに待っているし、バスツアーもあったりして、全席売り切れの満員御礼である。
劇場建設は清水・竹中建設の共同体で、昔のようなテントではなく鉄骨造り、外観はガルバリウム鋼板、2階建てである。

Dscf0872 エントランス前の床のサインもちょっとウイットに富んでいた。
劇場空間はもちろん、音響、空調など20年の技術進 歩は著しい。以前はワンフロアだったのが、客席数が増えた。それでも我々の座った2階席の最後列から舞台まで16mという、非常に近距離で見やすい。仮設の宿命かゲネラルパウゼの時に空調の 音が響いて気にはなったが。
舞台装置の都会のゴミの山も、スポンサーや時代を反映して巨大なSuicaがあったり、開演前の探検も楽しく、街の様子も時代とともに変化しているようだ。
24年前の舞台の細部は覚えていないが、衣装、メーク、出演者が付けているマイクロフォンやLEDといった技術の進化による演出上の向上もかなりあるようで、2階建てという空間をフルに活用しながら、観客に十分なサービスを提供するエンターテイメント性もさらに進化していた。通路側に席を取ったおかげで、娘達も猫達と握手ができた。
今日の出演者達は、初演時に生まれていなかった世代もそろそろいるだとうし、プログラムにはキャッツを観劇してミュージカルの世界に入って来たという紹介があるように、目標であり、憧れであった舞台に出演することで,より一層のまさに進化が起こっているのだろう。
歌がうまい、ダンスがスゴイと技術的にも身体的にも着実に向上しているのではないだろうか,と感じた。(なかなか歌が上手くて、ダンスも凄い、という両立は難しいようだが・・)
見ている聴衆も我が家の様に親子二世代、という事実もロングランならではだし、まさにミュジーカルのマーケットを拡大してきた劇団四季の功績の証なのだろう。

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24年前のプログラムを引っ張りだして来て 今日のプログラムと比較してみた。
舞台装置の違い、メークの違い、衣装の違いなど面白い発見がたくさんある。
大きくて分厚い昔のプログラムには、全曲の歌詞が掲載されている。
が、出演者の情報は一切ない。
一方で今年のプログラムには、歌詞が一切無く、役者全員分の顔写真とプロフィールが掲載されている。演出の浅利慶太、作曲家のアンドリュー ・ロイド・ウエーバーへのインタビュー、劇場建設のドキュメントと20年にわたる歴史の記録的な意味合いが大きい。
両方眺めることで、私の中で20代に見た時と40代で見た時の印象の違いと時間の経過がつながる。

プログラムとして顕著な違いは舞台写真の粒子の粗さだ。
当時の感度で印刷に耐えうる最高の写真技術であったのだろうが、今のデジタルによる写真の加工技術、印刷技術、その進歩の著しさもあらためて認識できる。

変わらないのは非日常空間の体験の楽しさ、プロのエンターテイメントの感動と、終演後の会話の楽しさだろうか。

 

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