渋谷で露仏
ゴールデンウイーク、という名称そのものが映画産業の稼ぎ時、という意味からきているという。ということでもないが、ロシア映画を見る。
原題は "LILACS"
主人公が愛した花であるライラックがモチーフとして全編に意味を持った映像として登場する。
邦題は、「ラフマニノフ ある愛の調べ」
のだめカンタービレの影響か、それとも愛の○○という邦題の故か、
事前に調べてみると、上映館の混雑状況はかなりのようだ。
Bunkamura のルシネマは平日の朝というのに満員だった。
9割くらい女性客、男性は私を含めご夫婦が1割くらいといったところか・・・。
多くの観客はラフマニノフの美しい名曲の数々や天才ピアニストいわれた演奏シーンを期待して見に来てるのではないか、と思われるが、その期待に応えてくれないばかりか、物語も映像も古典的な手法の構成も、そして音楽も私にとっては非常に中途半端な作品としか思えなかった。
96分という短い上映時間なので退屈することはなかったが、制作費の関係なのか、詰め込み過ぎの盛りだくさんな内容を表現する技法が未熟なのか、ラストシーンも、え,これで終わりですかあ??と言いたくなりました。
それにしても一番腹立たしかったのが字幕である。
全編、常にスクリーン右端に字幕が表示されるのだが、背景が明るいと白い文字が全く読めないのである。台詞はロシア語なので、推測すらできない。
鑑賞者に配慮できていないまま公開するとは、配給会社もいい根性しているなあ、とその見識を疑いたくなった。
その配給会社であるGAGAは,そういえば映画の製作、買い付けから撤退するって発表していたような・・・。同じGAGAが配給していた「ライラの冒険 黄金の羅針盤」など、そのメディアへの露出度から莫大な宣伝費をかけているのに実際に見に行った時、かなり空いていて、素人ながらに興行的には成功とはいえないんじゃないかと解るくらいだ。
そうだ、「バベル」もGAGAの配給で、字幕でもめましたな・・・。玉石混交の中から「いい映画」を見つける目利きがその運命を握っているのだと思うが、その「いい映画」をきちんと全ての鑑賞者に配慮するサービスも配給会社の責任だ。その責任を果たせないまま、事業の採算性優先で撤退とは・・・。
さて、この映画、有名なラフマニノフの生い立ちやピアコンの2番がどういう状況で生まれたのか、ということは解ります。ラフマニノフ役やリムスキーコルサコフ役が本人と似ているところとか、俳優の演技はよいと思うし、史実とフィクションのバランスなどは面白いと思いました。
昨日見たバウハウス展と結びつけるのもなんだが、偶然この映画は、ちょうど同じ1900年前後の時代のできごとなのだ。妻の見た「パリの100年展」での後半、パリ万博(1889年)に沸くフランス、私の見た「バウハウス展」に影響を与えたアーツアンドクラフツ運動からドイツ工作連盟(1907年)への流れ、そしてその頃のロシア(ロシア革命1917年)、空前の大繁栄による大量生産、大量消費の時代を迎える1920年代のアメリカ、そういう歴史的背景、観点からつなげて考えてみると、非常に興味深い。
映画を見終わってから、ドゥ マゴ パリのテラス席でランチをした。
1885年にパリのサンジェルマン・デ・プレで創業し多くの芸術家
に愛され、多くの人々に親しまれてきた老舗カフェが海外初業務提携店としてここにオープンして19年が経つ。
このお店の創業の頃が、やはり昨日見た展覧会や、この映画と同時代だ。
ゴールデンウイーク、海外旅行に出かけなくても
独仏露の文化芸術に触れ、楽しみ、考えることがきる東京って
凄いなあ、とあらためて思う。
そうそう、ルシネマに、シラノ・ド・ベルジュラック(日本公開1991年)という映画を見に来た時もこのお店に入ったよね、
長女がお腹の中にた頃だったかな、という話をしながらのランチ。
映画にはあまり満足しなかったけれど、ランチのオムレツとパン,コーヒーの味、
渋谷でこの値段、ギャルソンのサービスには満足でした。
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