読書の夏!?
本屋でも「夏が来たなあ!」と感じるのは、集英社、新潮社、角川書店の文庫本キャンペーンがはじまり、ディスプレイがド〜ンと目立つからだ。
書店の夏の風物詩と行っても過言ではない。
出版各社は「読書の秋」より最近は夏の文庫本フェアのほうに力を入れているのではないだろうか。(ちなみに講談
社文庫は春、文春文庫は秋に100册フェアをやっているそうです)
本来は中、高校生の夏休みの読書感想文をねらった企画なのだろうが、旅に出るOLやクーラーの効いた部屋で過ごす主婦にまでターゲットを広げているのだろう
か?
我が家の子供達は、大抵の名作は図書館にあるから「わざわざ買わない」とつれない・・・。やはり社会人が、平台に並んだ数々の名作のタイトルを眺めて
いるうちに、その作品を読んだ夏を思い出しながら手に取ってしまうという、郷愁を誘う作戦なのかもしれない。
「いつかの夏の自分」と重ね合わせてしまう
「本好き」にはたまらない企画なのかも。
キャンペーンのキャラクターやおまけ、そして表紙のデザインが3社全く傾向が異なるところがこれまた興味深い。
文庫本を平台に露出させたのだから、今度は中身よりも「ジャケ買い」させてしまおうとあの手この手なのだ。
集英社のメインターゲットは中高生なのだろう。
昨年、集英社が太宰治「人間失格」の表紙を"DEATH
NOTE"の小畑健の絵でリニューアルしたところ、たちまち50万部を売り上げてしまったそうだ。今年は柳の下の二匹目のどじょうを狙っているようで、
「地獄編」や「こころ」も小畑健の絵で追加。不朽の名作 X 人気漫画家路線を定着させようという魂胆らしい。しかし、子供達に名作を手に取らせようと、表紙の具
体的なイメージで先入観を与えてしまうことは「本の装丁」というデザインからは邪道だと思うのだ。
おまけも1冊買えば、8種類もあるハチのキャラの「ナツイチストラップ」がもれなくもらえるそうだ。
一方、新潮文庫は今夏のイチオシ4作品、「こころ」「人間失格」「銀河鉄道の夜」「絵のない絵本」を、カラー一色の「限定スペシャルカバー」にすることで、平台で圧倒的に目立っている。「人間失格」がなぜピンクなんだ!と賛否両論あろうが、この潔さは、かなり大胆なチャレンジだ。一部にオリジナルのカバーデザインを配し、なかなか秀逸だと思う。
このカラーチョイスとアピール手法から、昨年のゲド戦記のキャンペーンでフリーペパーとして配布された「ゲドを読む」を想起してしまったのは私だけだろうか。
集英社とは「こころ」「人間失格」の2冊がかぶっていて、人気漫画家のデザインとシンプルデザインの真っ向対決である。
そんな中、角川書店は、キャンペーンのイメージキャラクターである松山ケンイチを「人間失格」と「走れメロス」の期間限定カバーに採用している。これはこれで目立つ。購読者層をすごく限定してしまうのではないか、などというおじさんの心配は全く意に介さない強引さである。プレゼントのブックカバーも「ゲゲゲの鬼太郎」「ケロロ軍曹」「スヌーピー」などなどキャラクターオンパレードだ。
それにしても なぜそろいもそろって「人間失格」なのだろうか。
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