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2008年8月27日 (水)

太陽の塔

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夏休みに自家用車で旅行した際、名神高速から中国自動車道へ入る吹田ジャンクションで間近に見えた 「太陽の塔」の実物の迫力と存在感の印象が頭から離れない。

1970年の大阪万博は、家族でもの凄い早起きして、名古屋から名神高速を通って高速バスで日帰りで行った。小学校3年生の時である。

高速バスの中から太陽の塔が見えた時の興奮というかワクワクは、鉄腕アトムの世界が現実になったような感じだったというかすかな記憶だ。
どこも2時間待ちなんていう行列も初体験ながら、アメリカ館、ソ連館、カナダ館など外国館の展示は今でも記憶にある。キッコーマンの水中レストランで夕食を食べたなあ。
太陽の塔は結局 中に入ることはできなかったが、そのモニュメントの強烈なインパクトは、岡本太郎という名前とともに私の頭に刻み込まれたのである。


万博記念公園の太陽の塔は1995年に修復工事され、永久保存されることになっているそうだ。

映画「20世紀少年」の公開が迫り、キーとなる「よげんの書」のなかに登場する「太陽の塔 」がこの映画の象徴の一つとしてプロモーションにも使用されることで、ここのところ世間への露出度も高まっていることもあって気になる。本物はもっと凄いはずだったと。

実は原作者の浦沢直樹とは同じ1960 年生まれ。彼は早生まれなので学年は一つ上になるし、「20世紀少年」の主人公のケンジも1969年時点で4年生なので一つ年上だが、「ケンジ世代」とひとくくりにされても仕方ない。「ウルトラマンシリーズをリアルタイムで初代(1966年)から見ている」「月面着陸の生中継(1969年)を夜遅くまで起きてみていた」「大阪万博で月の石を見るために並んだ」ことを自慢する世代を万博世代、というのだそうだ。ど真ん中だ。ケンジが中学校の放送室を占拠して流したのはT-Rexの「20th Century Boyだ。中学校で放送部だった私は昼休みに禁止だったロックやポップスを合法的に流しちまったとか、ローリングストーン、ディプパープル、クイーンを箒のギターで真似したとか・・・。ロックは不良だった。

あああ、なんだか懐かしい。温故知新。

そこで 久々に晴れた昼休みにランチもとらずに会社の近所の「岡本太郎記念館」を訪ねてみた。

岡本太郎記念館開館10周年記念 「太陽の塔−万国博に賭けたもの」展

2008年4月23日(水)〜8月31日(日)
10:00〜18:00
火曜日休館
岡本太郎記念館
東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅より徒歩8分 
都営バス(都01系統) 新橋駅行 渋谷駅行 「南青山七丁目」下車徒歩5分
観覧料 一般 600円 小学生 300円

ギャラリートークもまだあと1回あります。
第三回 8月31日(日)13:00/15:00 (予約不要)
展示解説を交え、「太陽の塔」誕生のドキュメントを深くたどっていきます。

「人類の進歩と調和」
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会のテーマだ。
それを具現化するテーマ館であり、岡本太郎最大で傑作の彫刻作品が「太陽の塔」だ。
大阪万博を象徴するモニュメントでもり、誰もが科学による豊かな未来を信じていた日本の高度経済成長時代と科学ではどうにもならない生命のエネルギーとのコントラストをも象徴するモニュメントといっても過言ではないと思う。

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今回の展覧会の目玉は、何といっても新たに資料庫から発見された400枚におよぶスケッチの中から展示されている最初期の数十枚のスケッチだろう。
その生々しい筆跡の力強さからも溢れるエネルギーや意気込みから創造の苦悩までが感じ取れる。 1/50サイズの原型モデルをはじめ岡本太郎自身のことばや当時の「太陽の塔」の全貌を紹介した映像、 そして何より スケッチの数々は「べらぼうなものを作る」と公言した 岡本太郎の思いを体感できる空間になっている。

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頭頂部に黄金に輝く未来の太陽、中央部の現在の太陽、背後にある黒い顔は万博の守り神的「過去の太陽」だ。
それらを模型とマケットでじっくり間近にあらてめて鑑賞できる。
今は遺跡のように 特別公開でしか見ることができない内部「生命の樹」の様子もパネルで見ることができるが 、こうなると、一度やっぱり本物を見てみたいという衝動が沸いてくる。

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記念館は太郎の元アトリエ兼住居であり、ブロックを積んだ壁の上に凸レンズ形の屋根をのせたユニークな名建築はル・コルビュジェの愛弟子だった坂倉準三の設計だ。
ある意味そのストイックで無機質な建築と有機的で鮮やかな色彩の作品群のコントラストはお互いの主張を尊敬しあって、心地よさと緊張感が同居した空間だ。
1996年に没して後、ここは記念館として公開され、かつて多くのアーテイストが集ったリビングや、飛び散った絵の具の跡も生々しい創作活動の現場の雰囲気を今に伝えている。実は通勤途中の路地にあるこの建物の前を、私は毎日通っていたので、岡本太郎氏の生前は、何度かその姿をお見かけしたことがある。身近にありながら、特別な空間であった場所に、あえて展覧会として入るのも不思議な感じだ。

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記念館の入り口には、訪れた人たちの感想が自由に書き込めるスケッチブックが置かれている。 覗いてみると、色鮮やかにダイナミックな太陽の塔がいくつも子供たちによって描かれていた。 岡本太郎氏もあのギョロとした目を細めて微笑みそうな最高のメッセージだと思った。

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まだ夏休みなので、親子連れも多く、庭に子供たちの歓声と鐘の音が響いていた。
都会の中の小さなオアシスである。
ぜひ、一度訪ねて 皆さん エネルギーをもらって元気になりましょう!

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