« 音を楽しむ | トップページ | 10代限定文学新人賞 »

2009年1月26日 (月)

音楽は取り扱い注意

Dscf3338

朝、緑道脇のツツジに粉砂糖がまぶされていた。ウソ。
湿度が高く、急激に気温が下がると起こる現象。

夜、とあるデザインの勉強会で千住明氏の話を聴いた。
テーマは「音楽と感動」
"人は「音楽」によって感情を大きく揺さぶられ、感動を覚える。 それは「音楽」が、人の野生や本能に直接届く、大きな力やメッセージを持っている からに違いないから。"

まずは音楽を「静寂」と「静寂」の間と定義。
そして西洋における時間の創作物は「時間芸術の三角形」のバランスで安定感をもたらせるが、花鳥風月どこでも音楽にしてしまう日本人は官能で聴いている、という話を料理にも例えながらのエピローグでぐっと引き込まれた。

そしてクラシックのようなアカデミズムが「人と違うこと」を表現で追求してしまっていることに対し、POPS ROCK JAZZといった実用的な音楽は「世間から求められている音楽」を「計算し尽くされたエンターテイメント」として 楽しい、きれい、感動するを提供することだと、ドレミの音の性質を実演しながら解りやすく解説してくれた。
そう、「勉強しただけでは人の心をつかめない」「音楽は語学、基礎の上に才能X努力」「今 話題な作曲家たちは、音楽理論を勉強していなくとも努力を人一倍している。才能があっても努力しない人は話題にならなくなる」という話は、職人を自認する実力派としての説得力のある言葉だった。

「本当にいい音楽」をスティビーワンダーは「2〜3000回聴いても飽きない音楽」、クインシージョーンズは「自分のチキンスキンに聞くのさ(鳥肌がたつかどうか)」と言ったそうだ。
結局、メジャーとなるのは自分が持っているゆるぎない感覚、ということだ。それはプロとして必要な資質なのだ。

ご自身が作曲家になられた経緯や学生時代から始めたCM音楽、大きな転機となったピアノ協奏曲「宿命」、一昨年の大河ドラマのテーマソング作曲のプロセスも示唆に富み、ユニークで面白かったが、原点がアルヴォ・ペルトの様に、聴衆の耳を育てる日本人を目指す、というところにあったと話を聴いて繋がっていった。

質問も冴えていた。
美しいメロディを生み出すことはもちろんだが、千住氏の特徴でもある豊かなオーケストレーションの秘密は?という問いは的をついていた。
話の中で、基礎として芸大で400〜500年の歴史のクラシックのすべての時代のスタイルを勉強して、どんなスタイルでも書けるようにしたと言っていた。そういう引き出しがあるからだろう、オーケストレーションの応えは一つであり、あのスコアの並び順がそうできあがっているのだ、料理の「さしすせそ」みたいなもの、という答えだった。

そして最後の質問が、「次世代を育てるために伝えたいことは?」
答えは「聴く環境を整えること」
興味を持ったら導くことが大切で、強要してはいけない。
刺激だけを追い求めて、大音量ばかりで聴いたりという身体に悪いものは聴かせない方がいい。同世代以上の音楽家では、大音量の音楽に浸っていたばかりに高温が聴こえないなど難聴に苦しんでいる人が少なからずいる、そうならないように。ということも忠告されていた。

千住氏にとって音楽は「人の感情をコントロールしていること」に気づき、「人に寄り添うことが出来るもの」ということを実感しているそうだ。

だから今日のキーワードは「音楽は取り扱い注意」だった。

デザインのヒントに十分なりえる示唆に富んだ、非常に興味深い内容だった。

|

« 音を楽しむ | トップページ | 10代限定文学新人賞 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166759/43868153

この記事へのトラックバック一覧です: 音楽は取り扱い注意:

« 音を楽しむ | トップページ | 10代限定文学新人賞 »