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2009年3月30日 (月)

対義語で考える

Dscf3999

先日、リクルートワークス 研究所 Works編集長の高津尚志さんの投げかけから、今の自身の行動やこれからやるべきことをについて考えるきっかけになったことがある。

そのひとつ。「プロ」とはどういうことか?

「プロフェッショナル」の対義語は「アマチュア」だ。
日本語なら「玄人」と「素人」。
その違いをどう認識しているか。
プロとはそれを生業にしている人、と応える人がよくいるが、本当にそうなのかという投げかけ。媚びて、金銭を得ているだけならプロと言えないのではと。

私の中での「プロ」は、「どんな条件下にあっても、その専門力を発揮して、期待以上の成果を残せる人」という定義をしていた。

「くろうと」と「しろうと」は、まさにその音の通り、「黒人」「白人」が語源で、
「玄人(くろうと)」は、「暗いところまで見える人」という意味なのだそうだ。
「暗いところまで見える人」というのは、ユーザーやお客様の本当の気持ち、データだけから見えない事実といった、本質まで見極められる人のことを指すと考えた。
だから「素人(しろうと)」は「明るい、見えているところだけ」で判断、行動している人ということになる。

なるほど、という納得感がある。

一昨日に会ったある方とこの話をしていたら、
「「本質」の対義語は「現象」なんですよ。よく「本質」を見ろ、考えろというので、若い頃はそう簡単に本質なんてわかるか!ってうさんくさく思ってたんですけど、ある時、対義語が「現象」だと知って、なんだかその意味が解った様な気がしました。」と言われた。

この話も興味深い。

一昨日のエントリーに書いた増井さんの話、そして増井さんのコラムにある ユーザー中心設計の考え方、デザインのあり方などが解りやすく整理できると思った。

デザインのプロであれば、現象を通して本質まで考え、再びデザインという可視化された現象を通じて、ユーザーに経験したことの無い昇華された価値を見せる。そして十分な意見交換をすることで人々が幸せになる世界を作り上げていく。
「本質」と「現象」、「玄人」と「素人」の行ったり来たりの実現だ。

それができる「玄人」の一つがデザイナーという職能だろう。言葉にならないユーザーの思いから、研究者、技術者、商品企画者、経営者に至るまで、多くの人の曖昧な意見をファシリテートして、具体的なイメージとして提示することが出来るスキルを持っているのだ。それがナレッジを促進し、集合知から新たな価値や発想を生む。

今ほど複雑で多様な社会では、相互依存性が極めて大事である。
だから、いかに基本を身につけ、現実をきちんと見つめることができるかという能力を個々が持った上で、各分野の専門性を相互理解するための幅広い「教養」を身につけていけるかがポイントになる。この「教養」というのが「倫理観」や「グローバル」という意味も含めて一番大変なんだと思うけど。
人と人との協調行動=信頼関係とも言える水平的人間関係を高めていくことで社会の効率性を高めていくという「ソーシャルキャピタル」の考え方とも通じることがやっと頭の中で整理できてきた。

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