« 雑誌って? | トップページ | 浜なしゲット »

2009年8月15日 (土)

未来の科学のために

Dscf5765_2

7月のとある土曜日の朝、朝刊の折り込み広告の中に、ワープロで文字だけが打たれた1枚の地味なチラシが入っていた。
「小中学生を対象とした科学技術増進活動 医学を支える最新技術」
対象は小学校5年〜中学3年生、無料でお弁当付き。ちょうどお盆の頃だ。
講義とカンタンな実験で、放射線と遺伝子について学べるとある。どうもJST(科学技術振興機構)「未来の科学者要請講座」という事業の一つらしい。
会場は我が家から30分程で行ける場所ということもあって、その夜、次女はEメールで早速申し込んだ。なぜか締め切り前に「厳正な抽選の結果、参加いただけることになりました」の案内が届いた。

今日がその日だった。次女は保護者付き添いでは申し込まなかったのだが、保護者の参加も可と書いてあったので興味本位で付いていった。
定員30名X2日間に170名程の申し込みがあったのだそうだ。
理科離れの防止や女子理系進学支援もあって女子優先だったのかな。
実際の参加者は女子が過半数を超えていて、ほぼ全員保護者が一緒だったし、意外にも父親と娘の組み合わせが一番多かったようだ。

最初にこの講座の目的の話があった。
その中で、ゆとり教育の反省から教育指導要領の見直しにより38年振りに放射線の項目が中学3年(2012(平成24)年度)の理科の教科書に復活すること、日本では進学が著しく難しい医学部には優秀な人材が揃っていながら日本からの医学に関わる論文数は世界で17位 0.6%に過ぎない、だからこそ医学を支える技術に興味を持って、将来それを支えて欲しいから、ということだそうだ。
ものすごい青田刈りですな。

午前中は放射線に関するわかりやすい講義とマウスの解剖実習。
我が家の娘は理科の授業での「蛤の解剖」でも気分が悪くなったというので解剖はパス。動物愛護の精神やそういうのが苦手な子供達に配慮したプログラムも用意されていた。昼食を挟んで午後からは唾液で血液型判定する実験と反応が終わるまでの間に遺伝子の講義。

結果的には4時間半をとても楽しく充実した時間を過ごすことができた。

昼食も20分程で食べ終わってしまうということで、先生の提案で、残り40分はアシスタントを務めている大学院生6名が自分の研究を小学生にもわかりやすく説明する、という時間に充てられた。私にとっては、実はこれが一番面白かったのだ。

アシスタントといっても医学部生は2名、あとの3名は理工学部、1名は理学部だった。
理工学部の男子は手術、薬、放射線ではない新たながん治療の手法の一つの要素技術を研究していたり、紫外線による高効率な青色発光体を研究している、などの話だった。
板書しながら出来る限りわかりやすく話をするのだが、グダグダになってしまった学生さんもいた。わかりやすい説明とグダグダの違いは、自分の担っている研究の本質や目的、将来どうやって社会に役立つのかがわかっている人は言葉も内容も端的で、それが曖昧だったり研究の手段の説明が長いとグダグダになってしまうのだった(自覚していたけど)。

理学部の学生さんは、午後から実験のあと、自分の遺伝子研究の意味をとても楽しく、クイズやゲームも取り混ぜながらわかりやすく講義してくれた。

少なくともとっても多様な研究が行われていて、それが未来の世の中をよくすることだということは子供達にも伝わったようだ。

夏休み中は様々な場所で 多彩な子供向けのワークショップやセミナーが本当に羨ましい程たくさん開催されている。現象の観察や実験、実作での体験は、好奇心、興味への第一歩であることは確かだし、その原理や本質を理解しようとすることで、広がる可能性も感じることができるだろう。また大抵はワークショップ形式で、初めて会う同世代と同じ体験をすることで、その価値観や興味の多様性、個性を学ぶことも大きい。

今日はそういうことを体験できました。

ちなみに会場だった化学実験教室は、慶応義塾大学日吉第二校舎だった。上の画像は教室の入り口だが、緊急シャワーがいきなりすぐ横の壁に取り付いていてびっくり。

Dscf5786

ここは国の重要文化財となっている慶応・三田キャンパスの図書館や講談社旧本館を設計した曽禰中條建築事務所による「かながわの建築100選」のひとつだ。昭和9年(1934年)竣工、築75年の建物だが、気品と堅実さがあって立派に現役です。
今日の会場がここで、この中に入れると知ったのも参加の理由の一つ。

|

« 雑誌って? | トップページ | 浜なしゲット »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166759/45934455

この記事へのトラックバック一覧です: 未来の科学のために:

« 雑誌って? | トップページ | 浜なしゲット »