« プロトタイプ | トップページ | 本が連なり、絆が生まれる »

2009年11月14日 (土)

INFO-GRAPHICS WORKSHOP 2

Dscf6277

コミュニケーションデザイン研究会(主宰:木村博之/TUBE GRAPHICS)主催の第2回ワークショップに参加してきた。初めてなのだが、木村さん、上平さんらとのご縁で、講師・オブザーバー側として。
といっても 
学ぶ側も主催する側も参加者は全員実費1000円を負担するだけのフラットな手作り、手弁当な勉強会。

お題は「靖国神社をチャート化する」。
事前にチームが組まれ、それぞれに右寄り、左寄り、中道でのアプローチで調べ、自分なりの考えをチャート化して持ってくる、という課題が出されていた。

メンバーは今日初対面だ。宿題を発表し合うところから始まり、10時過ぎには雨の中、フィールドワークとして靖国神社へ向かった。
上の画像は参加者全員がまさに大鳥居をくぐろうとするところ。この直前、私たちが中に入ろうとするのを拒むような強い雨脚になった。遊就館を見学し、戻る頃にはアオゾラが広がっていたけど。

詳しいプロセスや結果、感想などは、これから関係者や参加者がブログにエントリーして公開され次第、下の参考情報に追加していきますので参照してください。
私は疲れを溜めてしまっていたようで、ここ数日体調が優れず、肝心要の楽しみにしていた懇親会を失礼して帰宅することにした。私自身とても残念、そしてお話しかたかった方ごめんなさい。

靖国について考える日に、天皇陛下即位20周年、オバマ大統領初来日という日程と重なったのは偶然。
わたしもこの1ヶ月で靖国関係の本を3冊程読み、右と左の特徴や共通点、差異を調べて定義付け、自分なりに整理して様々な視点でのアプローチを仮設してみた。

実は、靖国神社には行ったこともなければ、深く考えたこともなかった。報道の現象を見ていただけで知っているつもりになていた、と言った方が正しいだろう。
おかげで、大変に客観的に捉えるきっかけができた。

Dscf6332

九段坂の由来や、坂の下が下町で、上が山手というこの坂が江戸における結界であったこと、坂を上ったこの高台の常夜灯(今は日本武道館への入り口の右側に立っています)が、江戸湾で漁をする漁師の目印だったというほど、海が近かったことは坪内祐三の「靖国」に詳しい。延焼を防ぐために花街の隣の空地だったところに招魂の社を建て、その広場では人を集めるために競馬やサーカスといった見せ物を催していたことを知るにつけ、江戸から明治への時空をまたいだこの地が、今とは全く異なる意味を持った空間であったということをこの本から認識した。

そういう意味でも、現代の靖国論などを読み進めば、神社であって近代国家へと歩むなかでの全くの新興宗教であり、さらには第二次世界大戦後の日本のあり方や、庶民と国の関係が凝縮された場所なのだということが理解できて、非常にねじれた現状を、過去との関係をひもときながら、何を象徴的にスポットをあててみるか、ということがポイントになると思っていた。

右と左の立場も、性善説X性悪説、保守X急進、民族固有の伝統X個人の自由な発想といった対極でとらえてみてはどうかとか。これは、今までの個人の経験や、周囲でそういう人を思い浮かべられるかどうかにもよるなあなどなど。

 

Dscf6218

このテーマを設定した木村さんの勇気というか遊び心、知的好奇心がまず凄い。
講師、オブザーバーの面々も最初はちょっと概念的で難し過ぎるかなと思いつつ、いいんじゃないですか、と高いハードル程面白がるところが気持ちいい。
学校じゃあ教えてくれないだろうし、企業ならなおさら敢えて触れたがらないから仕事で関わることも滅多にないテーマだろう。若い世代にとってはなおさら遠いテーマだ。そこにチャレンジしようと自由意志で何かを期待して参加してきてくれたメンバーも凄いと思う。

Dscf6384

あらかじめ出された宿題に、参加者全員が非常に多彩な切り口で、また戸惑いながらもチャートにまとめてきた内容を、ミニプレゼンするころから、室内の温度は一気に上昇していた。まさにアイスブレーク。

社会人を中心にチームが組まれ、学生さんたちはそれぞれのチームに貼り付いてタイムラインに沿ったプロセスを可視化する、出来事の構造化としてのリアルタイムドキュメーテーションをTwitterを活用しながら試みた。

そして現場で見たこと感じたこと、 事前に得た知識とゴールイメージとのギャップの大小を、果敢に議論し、実感し、悩み、表現しようと挑んだ11時間は充実した共有空間になった。

時間がうまくつかえなかったり、チームとしてのコンセンサスに苦労したり、手間取ったり、などなど うまくいったことも、いかなかったことも新しい気づきとなって、心地よい疲れになったと思う。正解はないのだから、運営側も参加者側もプロセスを振り返って、見つけた課題をどこかで応用すること、培った人的ネットワークを生かすことが大きなキーポイントだ。

日常の仕事では、タイムマネージメントをしながら、ゴールの仮説に向けてPDCAをまわしながらクオリティを上げていくことを経験的な暗黙知でやっているはずだ。ここでは、多彩なメンバーとともに全く未知なテーマで、さらにものすごい短時間でそれをこなさなくてはいけない。この凝縮された体験が、形式知されたマニュアルや方法論だけではうまくいかない、日常の行為の課題を目覚めさせてくれる。大抵はどこにポイントを絞るか、そぎおとすか、リーダーシップなどの決断の場面だ。

実は、受付をやったり、ミニプレゼン、フィールドワークでの道すがらで参加者の人物観察をしていた。それは、参加者の方々に多彩なメンバーとの出会いや気づきを得てもらえるよう1対1プレゼンの組み合わせを決めたり、まだ明快な見せ方のポイントが弱そうなチームのために1対1プレゼンでは不足していた情報を補う意味で新たなシャッフルディスカッションの追加提案やそのメンバーの組み合わせに役立てた。効果的だったのかどうかは参加者のご意見をぜひ聴いてみたいところだ。

今回、機能性やエンターテイメントの体験性というマーケット的な視点では割り切れない、生死感や文化に関わる非常にメンタルで深い部分があったことが大きな課題だった。さらには戦争という行為に対する女性と男性の感受性の大きな違いが多大に影響していたことも、最後の方で気づいた。それを見事に最後には興味深いインフォメーショングラフィックスまでにまとめあげてしまうという参加者のモチベーションの高さはさすがだった。

また 自分がこのワークショップで考えたこと、気づいたこと 学んだことは後日あらためて書こうと思う。

まずは私は参加者からたくさんの気づきと元気をもらって、とても楽しめたことが一番よかった。


関連情報

tube_log: Infographics Workshop 2「靖国神社をチャート化する」ワークショップ終了。

情報デザイン研究室: コミニュケーション研究会 インフォグラフワークショップ2

情報デザイン研究室: インフォグラフワークショップ・特命チーム

情報デザイン研究室: 大人の修学旅行としての靖国神社

DESIGN IT! w/LOVE: 不安はなぜ起こるのか

DESIGN IT! w/LOVE: 見本とテンプレート

DESIGN IT! w/LOVE: インフォグラフィックスワークショップ 2

DESIGN IT! w/LOVE: 合意より強引さ

リキデザイン事務所: 靖国神社をチャート化する

Mode.: Infographics Workshop2

Surprise★Experience: Infographics Workshop 2 in 靖国神社

|

« プロトタイプ | トップページ | 本が連なり、絆が生まれる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/166759/46763700

この記事へのトラックバック一覧です: INFO-GRAPHICS WORKSHOP 2:

« プロトタイプ | トップページ | 本が連なり、絆が生まれる »