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2011年3月21日 (月)

芸術への影

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17日(木)の午後、首都圏で予測不能な大規模停電の発生が懸念されると政府や東電が声明を出し、一般世帯や企業への一層の節電、鉄道各社の運行本数削減要請が出た。それに伴い、鉄道の運行本数削減実施や一部運行休止の情報が飛び交い、企業によっては仕事にけりがついた人から速やかに帰宅してくださいと指示が出たため、18時頃には帰宅者の殺到した主要ターミナル駅周辺はホームへの入場規制の影響で近寄ることも難しい機能不全に陥った。

「想定外」の原発事故、被災した東電の発電設備は復旧の見通しが立たぬ中での需給逼迫と寒波の影響でもあり、「計画停電」ですら「あらかじめ」回避できぬ事態への深刻さは市民の不安を煽った。

地震発生以来、首都圏での各種芸術活動も中止、延期を余儀なくされている。
理由は様々だ。
一方で私はTwitterで16日に知った劇作家・演出家である野田秀樹氏の「劇場の灯りを消してはいけない~この東北関東大震災の事態に上演続行を決定した理由〜 」という実際に劇場でアナウンスされた挨拶文に触れ、いたく考えさせられた。

野田地図「劇場の灯りを消してはいけない」

クラシックのコンサートも、11日の当日は数千人入るホールに100人のお客さんにマラ5を演奏、凄い拍手もらったとか、70人の観客のために定期演奏会が行われ、指揮者が観客に拍手した話とか。ホールに泊まって翌日の演奏会に備えたなどプロオケの団員さんも、聴きにきたお客さんの期待に応えよう、音楽の灯りをともし続けようという話題がTwitterから垣間みえていた。。一方で某国から来日中のオケは母国から軍用機2機が飛来して帰国したとか、確かに川崎や習志野のホールは天井が、池袋も壁が崩落したことで再開の目処すら立たないハードの問題も浮き彫りになってきた。
溜池のSホールは外に出るより中にいた方が安全らしいが、公演そのものが続々中止、延期では灯りを消さざる得ない。。。

そんな話題に触れていたちょうど17日の朝、デザイナーの石黒さんから舞台美術に携わった舞台の公演が16日からスタートしたのでぜひ、という案内メールをいただいたのだ。
2009年に初演された好評を博した舞台のリニューアル上演。さらに画期的だとのこと。
純粋に興味を持ってそれこそ仕事にけりをつけて行こうと思った。
が、夕方には帰宅指示。。。。さらに仕事もけりがつかない。。。
早々に帰路についた同僚からは渋谷駅に近づけない程という連絡が入る。
結局,私が帰路についた20時頃には、青山、渋谷の街は臨時休業、閉店する店も多く、さらに青山通りの街路灯すら間引きされ、歩く人はまばら、走っているのはタクシーばかりというゴーストタウンのように静まり返っていた。電車も夕方の騒然とした雰囲気はどこへとやら,ゆっくり座れて帰れるくらいだった。

翌18日、私は「こういうときだからこそ」「いつでも行けるから、いつか」ではなく、「行けるときに行きたいモノを見ておこうと」と定時に仕事のけりを付けて青山円形劇場に向かった。

TOKYO DANCE TODAY #6 「あらかじめ」
こどもの城 青山円形劇場
3月16日(水)〜21日(月・祝)

作・演出:小野寺修二(カンパニーデラシネラ)
舞台美術:石黒猛
衣裳:堂本教子
テキスト:小里清(フラジャイル)
楽曲提供:近藤良平(コンドルズ)
照明:磯野眞也(アイズ)
音響:田中裕一(サウンドウェッジ)
舞台監督:筒井昭善
宣伝美術:太田博久(golzopocci)
協力:高樹光一郎(ハイウッド) /平岡久美(Dance in Deed!)
制作助手:中山静子
制作:小野晋司(青山円形劇場)

客席は7割くらい入っていて、みんな楽しみにきたいい雰囲気。

そして円形舞台の効果を十分に生かしたマイムとダンスを主体にした不条理劇だった。
演者の身体パフォーマンスが素晴らしい。
そして繊細で丁寧な、オ〜〜こう来たか!、という仕掛け満載に思わず微笑んでしまう石黒ワールドの舞台美術を堪能した。
3つ程離れた隣の席で観劇していた俳優の八嶋智人さんのノリが良くて倍楽しめた。
大きな声で楽しそうに笑う壷が、歌舞伎の間の手のように小気味よくて。
元気とアイデアが充填できた小さな空間と時間だった。

舞台芸術は時間と空間、そして演者と観客のインタラクションによる総合芸術だなあ、とつくづく感じた。大きい,小さい いろいろあるけどライブは楽しい。

今日、最終日の公演もほぼ満席だったようだ。上演を決断したカンパニー、そして楽しんだ観客、いいぞ!

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