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2011年7月22日 (金)

情報の形

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地域情報誌「ぴあ」最終号が7月21日に発売された。39年の歴史に幕を閉じる。
1972年7月の創刊号も復刻版として付録になっている。
広告も当時のまま。

この地域情報誌という雑誌の休刊は象徴的であり、感慨深い。

「ぴあ」が創刊された頃、ちょうど時を同じくして名古屋では「プレイガイドジャーナル名古屋」が創刊された。
高校の頃の私の愛読書だった。
マスメディアには流れない地元の芸術、表現活動に埋め尽くされた小さな文字の羅列の中からお得な自分の見たい映画、演劇、コンサートを探しだす面白さ。
はみ出しのウイットに富んだコメントや、無名だけれど未来のありそうな人たちをフィーチャーした連載。編集者達の意気込みと拘りと粋になにか憧れと高校生ながらの社会への反骨精神みたいなものに共感していたのかもしれない。
チケットはプレイガイドというところに買いに行かないと手に入らなかった。
指定席の場合、プレイガイドごとに座席の割り振りがあるので、いい席が多くいつも割り振られるプレイガイドを知っているというのも情報通ならではの技だった。
お金がないから、もっぱら情報だけ読んで満足していたのだが、名演小劇場へ水上勉の「冬の棺」なんか観劇にいって衝撃を受けてたりしたもんだ。

日本で最初の情報紙は創刊が「ぴあ」より1年早い大阪の「プレイガイドジャーナル」誌だという。名古屋の「プガジャナ」は大阪とは関係ないが、元祖の最後の編集長が「プガジャナ」の編集長が移籍して勤めたということで縁がある。

大学生になって関東に出てきてから「ぴあ」にはもっぱらお世話になった。
「プガジャナ」で鍛えられているから、違和感はなかったし、情報誌の存在はかくもありがたいものだった。発行サイクルが隔週という情報の鮮度、情報量の多さにさすがに圧倒されたのを覚えている。そして何より82年に創刊された「ぴあmap東京・横浜」も画期的だった。続くホール・劇場mapの使い勝手、グラフフィックのクオリティの高さとその目の付けどころに畏敬の念さえ覚えた。
83年、どこの窓口に行ってもオンラインで公平に指定席が購入できるようになった「チケットぴあ」は衝撃的な出来事だった。新宿の仮設テントでロングランを始める劇団四季の「キャッツ」のためにはじめたシステムだ。私が「チケットぴあ」で初めて購入したチケットはこのキャッツだった。

最終号は、地域情報誌として、学生起業としてのパイオニア精神、未来を担う表現者達に機会を与え,発掘する使命感など、新しい時代を切り開くことを担った役割に「お疲れさま」でしたという気持ちと、我々の世代が通ってきた青春というにはちょとこっぱずかしい様な年齢の間、自我形成に大きな役割を果たしてくれた個人的な感謝の気持ちを込めて購入。

自宅に持ち帰ったら、妻が「なつかしい〜〜」と子供達に自分の高校生の頃の話を嬉々として話をしていた。
横では長女がインターネットで3分で完売だあ、と某劇団のチケットをインターネットで購入していたのであった。(奇跡的に1枚ゲットできたらしい)。

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