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2012年5月 3日 (木)

燕子花三昧

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5月2日は大型連休の狭間に有給休暇をいただいた。貴重な平日。朝からのあいにくの雨の中、この時期恒例の根津美術館へ。

KORIN展
庭園の燕子花が咲き誇る頃になる大型連休を挟んで、所蔵する国宝「燕子花図屏風」を公開するのが恒例だ。このブログでも2010年5月4日の「4年振りの再会」で紹介している。今年は特別展として「光琳ふたつの金屏風 東京・ニューヨーク 100年ぶりの再会」というコピーの通り、尾形光琳が同じテーマを、同じ六曲一双屏風に10数年の時をおいて描いたニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵される「八橋図屏風」が並んで展示された。
この企画は当初、昨年の4月に予定されていのが、東日本大震災の影響で1年延期されて開催されたのだ。
昨年の大型連休は私もここに足を運ぶことができなかったので、2年振りの再会、そして大きな楽しみだった。

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『八橋図屏風』と『燕子花図屏風』、庭園の燕子花、堪能し、お庭の散策の後、NEZUCAFEでランチ。
そこで、何故「八橋図屏風」がメトロポリタン所蔵なのか?100年前は?と妻から素朴な質問。コーヒーを飲みつつ、iPhoneで早速ググってみたら、松平家→旧鳥取藩主池田家→1919年幕藩体制崩壊によ る売立→82000円で落札され様々な美術商、個人に渡り→山中商会→1952年メトロポリタン美術館購入。そして根津美術館の今回の企画で国宝燕子花図と100年振りの再会 ということが判明。そういう解説は図録にも載っていないよね。

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隈研吾設計の根津美術館本館は、鉄板による大屋根の潔よさが特徴。
瓦屋根だと和食チェーンのような建物になってしまうと、厚い鉄板の切りっぱなしが並べてある。以前本で、「溶融亜鉛メッキの鉄板屋根が、感覚的に冷たくなってしまわないか心配だったのですが、そこに嬉しい誤算がああった。雨水の流れによって、雨跡のスジが直に出てきて、それが工業製品の冷たさを見事に消してくれた」と。雨までデザインの要素に入れていたのか。。
雨の日の大きな軒下には庭園散策用の傘が用意してある。
当日はかなりの大雨で、そのの軒から雨の雫が滝のように流れ落ちている。
そう、よく観察してみるとは雨樋がないのだ!
柱を感じさせない空間構成とお庭の景色と一体化させる大きな硝子越し、そしてあらためて表参道から歩いてきて横断歩道を渡ったところ始る長いエントランスアプローチ、いずれも軒から簾のように盛大に雨が流れ落ちる様が美しい。

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写真には上手く写らなかったけど、軒からカーテンのようにずらーりと盛大に雨が流れ落ちてます。地面側に普通ある雨受けの側溝もなし。そう、玉砂利に雨は吸い込まれ、その下に隠されている。

そして、後日ブログでこの雨のみちのデザインについて隈研吾氏がインタビューを受けているサイトを見つけた。

「基本的には、垂れ流しでやったのですが、竣工後に一カ所だけ樋を付けたところがあるんですよ。 わかりましたか?庭側のところは、二層分落ちてしまうので、もの凄く散らばってしまうんです。計算だと、そんなに散らばらないはずだったんだけど、上手く 行きませんでした。屋根から落ちる雨水が散らばってしまって、親子代々数十年、この庭を手入れしている庭師の方からクレームをいただきまして。その方々に とっては、木は自分の家族なわけですよね。これでは庭の木々が駄目になってしまうと言われまして、追加で樋を付けることになりました。だから、あの樋は人のためではなく、木のための雨樋なのです。」

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