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2012年12月 3日 (月)

ほんとうに豊な生活とは

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伊豆高原広のとある別荘地の北側斜面に建つ友人宅からの富士山。

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富士山は、このベランダからの眺めだ。写真のちょうど中央の奥に頭だけが覗く。

ここは大学時代の同級生が最近暮らし始めた自宅だ。

大学を卒業後、彼はグラフィックデザイナーとして某メーカーのデザイン部門に就職、その後北米駐在や欧州での仕事をし、ここ数年は日本の本社に勤めていたが、6月末に早期退職し都内からここに引っ越してきた。
たまたま春に仕事で久々に彼と会う機会があり、そこで初めて退職することを知った。
夏を過ぎ、そろそろ落ち着いたかなと連絡を取ってみたら、なんと伊豆に住みはじめた、というのでビックリ。ゆっくり話をしたいから遊びに行くよ、と連絡をしてみたら、せっかくだから泊まっていけば、というお誘いに、それではと、お互いに昔のノリが嬉しい。
紅葉シーズンの混雑が収束し、雪が舞い始める前にと、もう一人に親友と訪ねてみた次第。
そうそう、大学の時は研究室もサークルも違っていながら、3年から卒業研究の頃までほぼ毎日一緒に学食にランチを食べにいっていっていたし、そして社会人になってからも同級生の事務所に月1回仕事の後、酒とつまみを持ち寄って集まり、デザインで世の中に役に立つことは出来ないか、などというディスカッションのような雑談をしていた仲間同士なのだ。20代の頃の話だけどね。

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軒にぶら下がる干し柿。彼の東北にある実家の柿の木になる実を全部とってきたんだそうだ。一部は干し柿にしたけど、皮むきの手間が大変と、残りはヘタの先を切って焼酎につけて強制的に甘い柿に変身させていた。

枝は暖炉用の燃料用。この確保の話と加工の道具や話がまた面白かった。

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自宅の全景。赤いポストが素敵だ。朝、新聞取りにくるのが大変だなあ,って思ってたら新聞をとっていなかったw.

手前が南側で緩やかな斜面、家の向こうの北側は勾配がある斜面。
中はスキップフロアになっていて、南側に車庫と入り口、右の部屋が奥さんが陶芸をする工房があり、北側へ数段あがった2階が大開口のリビング、リビングの下がお風呂や寝室など。ちょっと説明しにくいけど、土地の勾配、眺望、導線がとてもよく考えられていた。
眺望の良い北側大開口の木造住宅、そして天井が高く暖炉付き、というのはもう私が理想とする住宅の見本のようなものが実際に存在し、そこで生活をしている事実はあまりにも衝撃的だった。そう、憧れのような空間と生活をする友人の勇気というか決断に嫉妬すら感じた。

彼は結果的に海外が長く、日本にいる間は賃貸物件住まい。最近まで都内に住んでいたが、週末にゆっくり過ごせる別荘をと土地探しに3年をかけていたのだそうだ。探しに探してこの土地を気に入り、そして自分で家の設計までやった。さすがデザイナーですな。建築は不動産屋さんに紹介してもらった地元の工務店に頼むことで、設計料や建築費をリーズナブルにするとともに、自分自身の理想の生活を手に入れたという次第。

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まだ社会人になって4年目の頃。自分自身が転職したばかりのその年に、親友の大学の同級生とともにニューヨークに旅行する計画をたてた。HISもインターネットもまだ無かった時代、お金はないけど下っ端で責任なんてないから休みは取りやすかったので、クリスマス前に日本を発ち元旦に帰国する、という航空券とホテルだけついた2名から催行という格安のツアーを旅行会社の店頭で見つけた、さらにホテル代を節約することを目的にニューヨーク駐在になったばかりの友人宅に宿泊して、どこかに連れて行ってもらおうと考えた。その友人というのが今回訪ねた彼。

当時、彼は6月に結婚したばかりの新婚さんだった。その初めてのクリスマス、正月にのこのこ日本から独身の男二人が図々しく泊まらせてもらいにいったのだった。

大晦日、男2人でキャッツを見終わった後にブロードウエイまで自家用車で迎えにきてもらうことにしたのだが、有名なカウントダウンのためマンハッタンは道路封鎖の規制がはじまってしまい落合場所のホテルまで車が近づけない事態に陥りながら、携帯電話もない中なんとか奇跡的に遭遇できたり、さらに元旦の朝には新婚の奥さんがフリーズドライから料理してくれたおせちをいただき(後から聞いたら、駐在先の上司から届けていただいたかなり貴重なものだったらしい)、空港まで高速道路をぶっとばしてケネディ空港まで送ってもらったという超迷惑なことをしたので、お互いに一生忘れない思い出になっている。

一宿一飯のお礼は、彼がニューヨークに駐在した記念になるものをという要望から,当時立体版画という独自の創作活動で脚光を浴びていたジェームス・リジィの作品を二人でSOHOのギャラリーで買ってプレゼントした。まさに訪問した年の新作で、作品名は A BIG APPLE。

今回、ちゃんと工房の壁に飾ってあって 四半世紀ぶりの再会をはたした。それが上の画像。

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夜は、近くの街の小さな魚屋さんにお願いしてあったという伊豆の幸を肴に、手土産に持参した日本酒(久保田の萬寿!)をちびちびやりながら暖炉の火を眺め ながら話が弾む。ちゃんとニュヨーク旅行時の写真(リバーサルとそのダイレクトプリント)が入ったアルバムを今回は持参したので、懐かしい昔話も。なんと 豊かな時間なんだろう。

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翌朝は別荘地内にある沼を一周する道を3人で散歩。風と鳥の声しか聴こえない。

同い年で、世界で活躍した企業勤めをリタイアし、豊かな自然に囲まれた自分で設計した自宅で静かに過ごす生活を始めた友人。

一番近いコンビニまで車で10分以上、最も近いバス停までも街路灯の無い真の闇の様な山間を歩いて10分程。何でも揃うショッピングセンターには車で15分ほど。全く不便ではないにしろ、都会での生活に見切りを付け、人生90年時代の残り30年40年をどう心豊かに過ごすかを考え、行動に移した彼。体力や気力が衰えた時にことも視野に入れていた。

人それぞれだが、自分の仕事や生活 家族を見つめ、これから30年の生き方、豊かな時間 豊か生活ってなんだろうとをじっくり具体的に考える機会を与えてくれたといっても過言ではないだろう。

ありがとう友よ。

今度は妻と二人で遊びにいきます。

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