2009年11月 6日 (金)

ふたつの展示会

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周回遅れという感じで、シゴトを早く片付けて、
秋の夜、歩いてデザイン関係の展示会を巡っている。

すでに感想はたくさん読むことができるし、
どこの会場も熱気が少し冷めたように空いているようだ。

自分自身、100%designの5日間の環境とは全く異にする
日常の雑音に埋没してしまいそうな中において
少しでも 高揚したクリエイティブなマインドを
長く繋ぎとめておきたいがために足を運ぶ。

4日は 六本木のAXISギャラリーへ

「三保谷硝子店─101年目の試作」展

 開催中 〜11月8日(日)11:00〜19:00(最終日は17:00まで)

 入場料 : 無料

倉又史朗氏のインスピレーションを、独自の技術力で具現化し支え続けた三保谷硝子が、多くの建築家やデザイナー、アーティストとの仕事を通じて培われたその技術力を駆使し、これまでコラボレートしてきた16組のクリエイターたちが、これからの100年を見据え、新たな表現に挑む、思索し試作する「ガラスデザイン」展です。

 主催 : 三保谷硝子店、アクシスギャラリー
 会場デザイン : 近藤康夫
 グラフィックデザイン : 廣村正彰
 テキスト: 川床 優
 技術協力:阿比留生吾
 照明デザイン:海藤春樹

ガラスとゆっくり対峙し、素材 × 技術力 × 表現力 の存在感に 圧倒された。

今は当たり前かもしれないが、
ガラスに直接穴をあけてダボを埋め込んだり
ガラス同士を直接UV接着剤でくっつけて
壁や棚、椅子といった什器を組み立てたり
そういう初めての挑戦の積み重ねの延長で、
さらに新たな可能性を美しく見せてくれている。

ガラスは割れた瞬間が一番美しい、という倉又氏の思いを
3枚を貼り合わせたガラスの中の一枚だけを
小口から割って入れた綺麗なヒビで実現してしまった、
なんていうのは時間と空間を技術力で極めたデザインだ。

技術力の高さと職人のこだわりで、
デザイナーの要求するディティールに完璧なまでの表現力で応えているところが
見るものに、その透明な存在を魅了させてくれる。

ガラスという素材の常識、一般的な認識を超え、
可能性を可視化した、見るべき魅力的な展覧会のひとつだった。

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5日は 表参道のEYE OF GYRE へ

WITHOUT THOUGHT
BY NAOTO FUKASAWA
DMN DESIGN WORKSHOP EXHIBITION VOL.10 箱/ BOX

開催中〜11月23日(月) 11:00〜20:00

入場料 : 無料

EYE OF GYRE 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE3F

主催 : DMN (ダイヤモンド・デザインマネジマント・ネットワーク機構)
プロジェクト&デザインディレクション : 深澤直人

入り口の横にGYRE2周年パーティーの受付があって
危うく2000円を徴収されそうになった。
3Fに上がってきた人がみんな パーティに来たんじゃないんだから。。。。

平日の閉館間際ということもあって貸切状態。

昨年のテーマは「花器」でした。 
それまでは行為がテーマだったように思うのだが
最近は「モノ」でデザイン大喜利(ちょっと失礼)

昨年のエントリー
「そのメタファーにたどり着くプロセスを推察することも面白い。」
「普段は所属する企業のビジネスの領域で
機能性やコストを前提に発想するインハウスデザイナーが
自らを開放して楽しみながらデザインしているところがいい感じだ。」
と書いた。

ことしも「にやり」としながら、ゆっくりひとつひとつ歩を進めながら
そのプロセスを推測しながら眺めてみた。
個人的には ちょっと例年より、ひねりやウイット、インパクトがなかったかなと。
箱はさらに日常性が高いので難しいテーマだ。
でも 楽しいですよ、この展示会は。頭の体操に。

昨年も会場でお会いしたDMNのご担当の方から
新しく始まるワークショップや
『「デザイン感」を解析して【デザイン環】を作成する』など興味深い話を聴くことが出来た。

隣のMOMAストアで開催中だったはずの「Detour展」は昨日までだった。
しまった! 昨日と順番間違えたなあ。

材料X技術、発想Xプロセス と方向は違うが、
いずれも無料で、これほどのクオリティの高いデザインを実際に見て感じることができるという機会に恵まれているのだから、それをエネルギーに昇華したい。

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2009年10月24日 (土)

あと1週間

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東京デザイナーズウィーク 2009

来週金曜日、30日からいよいよはじまります。

 TOKYO DESIGNERS WEEK 2009

国内外から1,000を超える企業・学校・大使館・デザイナー・ショップなどが参加し、 最新のデザインを紹介する、今年で24年目を迎えるインターナショ ナルなデザインイベント。

東京の明治神宮外苑をメイン会場とし、 最新のコンテンポラリーインテリア・デザイントレードショー「100% Design Tokyo」、 世界のデザイン雑誌編集長がデザインについて語る「世界デザイン編集長会議」、 企業・団体・学校などが貨物用コンテナ内で空間インスタレー ションを行う「コンテナ展」、 国内外から50校・約500作品が展示される「学生作品展」。 そして東京の街をデザインで彩る「SHOP EXHIBITION」など東京・明治神宮外苑を中心に、 都内およそ100か所で開催。

 100% design tokyo

 2009年10月30日(金)〜11月3日(火・祝)  11:00〜20:00 (最終入場時間 19:30まで)
 ビジネスタイム 10月30日 / 11月2日の2日間のそれぞれ 11:00〜17:00 

  ※ ビジネスタイムは100% Design Tokyoテントのみ業界関係者に限らせて頂きます。
      コンテナ展、学生展は一般の方も入場できます。
      17:00以降は一般の方も100% Design Tokyoテントに入場できます。

 入場料 2000円(Webの事前登録で1500円

 会場 明治神宮外苑 特設会場

 会場へのアクセス JR信濃町駅より徒歩10分
             東京メトロ銀座線外苑前駅より徒歩8分
             都営大江戸線国立競技場駅より徒歩12分
     東京メトロ銀座線/半蔵門線、都営大江戸線青山一丁目駅より徒歩13分

 セミナー一覧は こちら 

 主催:TDW : NPOデザインアソシエーション
     100%Design Tokyo: NPO デザインアソシエーション/リードエグジビションズUK

で、今年も 100% Prototype Designs for the future  に 出展します。

多くの人に出会い、おっ!という驚きとともに笑顔が広がるのが楽しみです。

今年のメイン会場はでかいテント二つと コンテナでこんな感じらしい。

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うん? また Student Exhibition は 屋外なのか!? ひたすら、雨の降らないことを祈る。雨降っちゃうと、学生さんたちは休憩する場所もなくて、出展者も見ている方も辛い。作品も壊れるし。。。今年は 出展者用休憩スペースが新設されるらしいんだが。

この時期から曇ったり、日が落ちると急に冷え込みます。ぜひ暖かい格好で。

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100% design は テントの中

私は10月30日から11月1日は終日、2日と3日は夕方、人差し指の先のブースにいる予定です。3人で交代ですので、ちょっと休憩したり、ぶらぶらしている時もあります。

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2009年10月 1日 (木)

青山、六本木あたりの秋のイベント

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10月下旬から11月中旬にかけて、東京では、特に青山から六本木あたりにデザインに関する大規模なイベントが集中する。
かなりエキサイティングで、多くの出会いや気づきを得ることもできるし、デザインが注目されることにあえて客観的に考えたり、見直す場にもなる。

まだまだ 各イベントも今の段階では準備中で、Webのコンテンツもこれからだが 、情報を事前に上手くキャチアッップしておくと、とても充実した時間と機会を得ることができると思う。
効率よく回ることより 、じっくりお気に入りを探したり、ま、なんとなくぶらりとその中に身をおおいてみるだけでもいいんじゃないかなあ。 どうせ回りきれないし。

このころ大学祭や学園祭、文化祭から地域のお祭りまであちこちであって、ピークなんだよね。う〜〜ん、身体と時間が足らないよお。

青山芸術祭 2009

 2009年10月19日(月) 〜 10月31日(土)
 11:00 〜 19:00 (最終日は17:00まで)

 主催 青山芸術祭実行委員会

 青山界隈の秋の風物詩となった
 恒例のDESIGN AWARDの入賞作品群で
 街の街灯が100余りのフラッグで埋め尽くされます。

 昨年はスターバックス コーヒー ジャパン」の青山エリア5店舗で
 トーキョーワンダーサイトの協力で新進気鋭の5組のアーティストが
 作品展示、ライブパフォーマンスをやっていたけど
 今年はどうなのかな?

■東京デザイナーズウィーク 2009

 TOKYO DESIGNNERS WEEK 2009

国内外から1,000を超える企業・学校・大使館・デザイナー・ショップなどが参加し、 最新のデザインを紹介する、今年で24年目を迎えるインターナショ ナルなデザインイベント。

東京の明治神宮外苑をメイン会場とし、 最新のコンテンポラリーインテリア・デザイントレードショー「100% Design Tokyo」、 世界のデザイン雑誌編集長がデザインについて語る「世界デザイン編集長会議」、 企業・団体・学校などが貨物用コンテナ内で空間インスタレー ションを行う「コンテナ展」、 国内外から50校・約500作品が展示される「学生作品展」。 そして東京の街をデザインで彩る「SHOP EXHIBITION」など東京・明治神宮外苑を中心に、 都内およそ100か所で開催。

 100%design tokyo

 2009年10月30日(金)〜11月3日(火・祝)  11:00〜20:00(最終入場時間 19:30まで)
 ビジネスタイム 11:00〜17:00 (10月30日 / 11月2日の2日間)

 会場 明治神宮外苑

 主催:TDW : NPO法人デザインアソシエーション
     100%Design Tokyo: NPO法人デザインアソシエーション/リードエグジビションズUK

■デザインタイド トーキョー

  DESIGNTIDE TOKYO 2009

デザインタイド トーキョーは、常に新しいものやシーンを提案するトレード・ショウです。
インテリアやプロダクトの商材を中心にしながら、デザインに焦点を当てた幅広い分野の厳選された作品が集まります。
同時に、真摯なものづくりを続ける作家たちの新たなるアイデアの切り口を、東京から世界に向けて発信するためのエキシビションとしての側面も併せ持っています。

  2009年10月30日(金)〜11月3日(月・祝)

  時間:
  10月30日(金)15:00〜21:00(パーティー 19:00〜21:00)
  10月31日(土)11:00〜21:00(最終入場20:30)
  11月  1日(日)11:00〜21:00(最終入場20:30)
  11月  2日(月)11:00〜21:00(最終入場20:30)
  11月  3日(火・祝)11:00〜17:00(最終入場16:00)

  入場料:1,000円(1日間)

  メイン会場:東京ミッドタウン
  エクステンション会場:東京都内各所

  主催 DESIGNTIDE TOKYO

  三井不動産マネジメントが東京ミッドタウンを「デザインを発信する街」にしたいという想い が強いので、タイドの事務局との思惑が一致し、それまでの明治通りや代々木といった会場から 昨年からミッドタウンホールでの開催という恵まれた環境になった。

同時開催のTokyo Midtowan DESIGN TOUCH 2009との相乗効果も狙って
集客力はいいようだ、。

外苑との回遊はちょっと交通が不便だけど

 

■東京ミッドタウン デザインタッチ

 Tokyo Midtowan DESIGN TOUCH 2009

「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトに、 2007年よりスタートしたデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」。
3回目となる今回のテーマは、「夢をカタチにするデザイン」。
「デザインがいかに人々の夢を叶えてきたか」にフォーカスし、 「空を飛びたい」という人類の夢を叶えた、200年以上前に生まれたデザインである「気球」 の乗船や、 イノベーションとデザインの世界的なコンサルティング会社「IDEO(アイデオ)」が創り出したデザインを、 その製作過程とともに展示します。
また、セミナーをはじめ、インテリア&デザインショップにおいてもデザインイベントを行うなど、 数々のイベントを開催します。
その他にも、期間中に、今年2回目を迎える「Tokyo Midtown Award 2009」の受賞作品の発表、展示も同時開催します。

 2009年10月23日(金)〜2009年11月3日(火・祝)

 無料(一部有料)

 会場  東京ミッドタウン(ガレリア、アトリウム、ミッドタウン・ガーデン、芝生広場、カンファレンス、キャノピー・スクエアなど)

 主催 東京ミッドタウン

毎回無料のカンファレンスが充実している
でも、いつも詳細発表がギリギリなので ちょこちょこチェックが必要。

今年の目玉はIDEOでスカ・・.流行です。。。

 DESIGN TOUCH Exhibition〜夢を叶えるデザイン展
 10月23日(金)~11月3日(火・祝),11:00~21:00
 ガレリアB1F アトリウム
 入場無料
 主催:東京ミッドタウン
 協力:IDEO

 DESIGN TOUCH Workshop〜夢を叶えるデザインワークショップ
 10月24日(土)~10月27日(火),11:00~17:00(予定)
 東京ミッドタウン・カンファレンス(ミッドタウン・タワー4F)
 主催:東京ミッドタウン
 協力:IDEO・I+Hプロジェクト(IDEO+HAKUHODO)

■三保谷硝子店—101年目の試作展

 101st Anniversary Works-in-Progress for Mihoya Glass

国産のガラスが産声を上げて間もない1909年(明治42)に創業した三保谷硝子店は今年100周年を迎えた。
その家業が大きな転機を迎えるのは1970 年代、三代目三保谷友彦と鬼才倉俣史朗氏との出会いからである。
ここから三保谷硝子は、「デザイン」の領域へと大きくシフトしていく。
以後、あの名作「硝 子の椅子」をはじめ、溢れる倉俣のインスピレーションを独自の技術力で具現化し支え続けた。
それは単なるデザイナーと職人の出会いや、単なる素材としての ガラスという次元を超えて、 デザインとガラスの関係を新たな地平へと切り開き、 ガラスそのものが表現媒体となる「ガラス・デザイン」という新たなデザイン 概念を創出したと言っても過言ではない。

本展は、そうして培われた三保谷硝子の技術力を駆使して、 三保谷の心意気に心酔する16組のクリエイターたちが「ガラス・デザイン」の新たな表現に挑む試作展である。

 2009年10月27日(火) 〜 11月8日(日)
 11:00 〜 19:00 (最終日は17:00まで)

 入場無料

 会場 アクシスギャラリー

 主催 三保谷硝子店/アクシスギャラリー

THE OUTLINE  見えていない輪郭展
  深澤直人 X 藤井保

   THE UNSEEN OUTLINE OF THINGS
   NAOTO FUKASAWA   TAMOTSU FUJII

人々が期待するものの形をぶれることなく描く、プロダクトデザイナーの深澤直人。 人々の無意識の要素から「ものの輪郭」を割りだす独自の活動は、広く注目 を集めています。
広告写真の第一人者にして、光や空気にとけているものの輪郭をみごとに描く、写真家藤井 保。
あたり前のようでありながらも私たちに見えていない「デザインの輪郭」が、二人の活動から浮かびあがります。
深澤直人デザインのプロダクト約100点と、藤井 保が4年間撮り続けた、 それらの写真約70点によって誰もが知りたかった「デザインの輪郭」を解きあかす、かつてなかった試みです。

 2009年10月16日(金)〜 2010年1月31日(日)
 休館日: 火曜日(11月3日は開館)、12月28日〜1月2日
 開館時間: 11:00〜20:00(入場は19:30まで)

 入場料: 一般 1,000円、大学生 800円、中高校生 500円、小学生以下 無料

 会場: 21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)

 会場構成: 深澤直人、藤井 保 グラフィック
 デザイン:副田高行

 主催: 21_21 DESIGN SIGHT、財団法人 三宅一生デザイン文化財団



■エマージング・ディレクターズ・アートフェア 「ウルトラ002」

 EMERGING DIRECTORS' ART FAIR  ULTRA 2009

今や世界中で開催されるアートフェア。本アートフェアは、 ギャラリー単位で出展される通常のアートフェアとは一線を画し、 ギャラリーで実際に作家、 作品を選定するディレクター個人を出展単位として開催する新しい試みです。
美術が本来持っている個の力を、作品から、展示から、またマーケットから引き出 すことを目的とし、 美術界の次代を担う若手ディレクターにスポットをあて、 常に新鮮な感性を届けるフェアとして継続を図ることを意図しています。

「ウルトラ」は語源であるラテン語の「〜の彼方に、〜を超えて」が意味するように、 新形式のアートフェア形成の実現を目指し、 またここから美術マーケットが新たな広がりを見せることへの期待が込められています。

25名のディレクターが参加した第1回目。 今回は倍の数の51名の若手ギャラリストたちが集結。
会場もスパイラルガーデン(スパイラル1F)から、スパイラルホール(スパイラル3F)にまで広げ、個性豊かなブースを展開します。

 2009年10月29日(木)〜2009年11月3日(火・祝)
 11:00〜20:00 会期中無休
 入場料 / admission:¥1,000 ※スパイラルホールのみ、スパイラルガーデンは無料
      (カタログ付・中学生以下及び1F会場のみ入場の場合は無料)

 会場  スパイラルガーデン/1F スパイラルホール/3F

 主催:ウルトラ実行委員会(現場商會+株式会社ワコールアートセンター)
 企画制作:スパイラル

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2009年9月28日 (月)

初台にて

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昨日はアモルファス合奏団の第28回演奏会をオペラシティのリサイタルホールで聴いた。

プログラムは
テレマン:管弦楽組曲「ドンキホーテ」
ウェーバー:弦楽のためのセレナーデ
ウォルトン:弦楽オーケストラのためのソナタ

ドイツもの1曲にイギリスものが2曲。ハイドン生誕200年とか音楽会の流行にもぜんぜん媚びず、 自分たちのやりたい曲をやる、人知れずの名曲(迷曲!?)に挑む、というアマチュアリズムはさすが。

アモルファス合奏団には、私は立ち上げから92年の第11回演奏会まで参加していたが、以降休団中ということにさせていただいている。 メンバーの8割は学生時代から変わらないので、年に1度の同窓会気分で音楽を楽しませてもらっている。

昨年第27回の演奏会の様子はこちら

今年も常連さんなどでお客さんは一杯だった。

昨年は、バッハにタケミツという前菜と、チャイコフスキーという主菜で、コントラストが目にも鮮やか、情熱的な力演がお腹を一杯にさせてくれた。
今年は、バッハと同時代のテレマンのバロックを頭に置いたが、主題がドンキホーテなのでリズミカルだ。2曲目のウエーバーはドイツロマン派のウエーバーじゃなくて、キャッツやオペラ座の怪人で有名なアンドリュー・ロイド・ウエーバーのお父さんだった。清楚で叙情性に満ちた響きが印象的な作風だ。そして主菜は、20世紀の作曲家で、不協和と大胆なリズムによる近代的な作風が特徴なウオルトンだった。

アモルファス合奏団の特徴とも言える充実した中低音と、メランコリックなゆったり流れる音楽は、和音をよく聴き合っていて響きがとても厚みがあって美しい。

聴衆としては、プログラム全体の曲目ごとの表情のメリハリが少なかったことと、特に最後のメインが、音楽の流れの勢いに乗り切れなかったり、縦の線が合わないところが惜しくて、 とても練習が大変だったんだろうなあ、とか、今回はちょっと全体で合わせる機会が少なかったのかなあ、と思ってしまうようなところがあった。ホールはよく響いていたが、音楽をする歓びとか、情熱の一体感がちょっと伝わりにくかったのか、こっちの期待のし過ぎだったからかもしれない。

いずれにせよ、10年前に挑んだ難曲に再チャレンジというということで、奏者がその達成感を音楽とともに味わい、また新しい発見や次へのモチベーションが生まれていたのなら、演奏会としては成功だったのだろう。

モノ作りではなく、手の届く範囲で、一人では生み出せない人の繋がりで創造する活動ってやっぱ楽しそうだなあ、とか、ワクワクするとか、そういう時間や空間を共有できることがアマチュアの音楽会のいいところなのだ。

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2009年9月18日 (金)

可能性の可視化

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TOKYO FIBER '09  SENSEWEAR

2009年9月18日(金)〜9月27日(日)
11:00〜20:00

21_21 DESIGN SIGHT (東京ミッドタウン・ガーデン内)
入場無料

旭化成、クラレ、帝人、東洋紡績、東レ、三菱レイヨン、 ユニチカ、サカセアドテック、日本絹人繊織物工業組合連合会といった 合成繊維の企業や団体が、各社の合成繊維の可能性を 日本のトップクリエイターの作品を通して紹介するイベント。

ミラノサローネにあわせてトリエンナーレ美術館で開催され、38,000人という記録的な集客をはたした上で、東京に凱旋展示だ。

デザインがモノ作りでできる可能性をビジュアライズし、五感で感じさせてくれる。デザインの新しい役割を高いクオリティーで示している展示会だと思う。

入り口の超撥水繊維と水滴が描き出すロゴは、輝く宝石のインタラクションのように美しい。一気に魅き込まれる。

高度な研究開発と生産技術に支えられた人工繊維について、繊維=ファッションにとどまらず、様々な分野に応用展開されている点が共感できる。

しかし、「お手を触れないでください」の表示が歯がゆい。さわりたくなるし、さわらなければ伝えたいことも伝わらないでしょう・・・。

17作品、全部のカタログを収集。大満足。

デザイナーがこれを見て、その可能性を見せることができる力を信じるべきだし、研究開発者や営業マン、経営者にもその力を見て欲しいと思います。

キホンは観察とリフレーミングの積み重ねだということも。

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2009年8月28日 (金)

インハウスデザイナーの役割のひとつ

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NEOREAL
-パワープロジェウターが創造する新たな映像表現の世界ー

2009年8月27日(木)〜29日(土) 11:00~20:00(入場は19:30まで)
東京ミッドタウン ホールB (ミッドタウンイーストB1F)
入場無料

キヤノンがミラノサローネに出展した映像作品を東京で体験できる。

夜、作品を体験してきた。
3つのコナーに分かれていて、一つはインタラクティブアーティストの松尾高弘氏とのコラボレーション“Aquatic Colors"(上の画像)。
二つ目の部屋に、キヤノンのインハウスデザイナーらによるインスタレーション"_O_N_L_I_N_E_".
三つ目の部屋が、このアートを実現したキヤノンの液晶プロジェクターの技術展示となっている。

見終わったあとで、この展示を実現した部署のお二人と親しくお話をさせていただいたので、その背景や目的がよくわかった。

一般的にその企業のイメージを支えるメインの事業というものがあるが、それだけではなく、まだ日のあたらないながら、優れた独自の技術を保有していることが多い。そのような注目すべき技術に対して、インハウスのデザイナーが技術の翻訳者として高付加価値の創造に貢献できる活動としてこれを位置づけていると私は理解した。
外部のアーティストから高いクオリティを要求され、それと技術のギャップを埋めていく作業により育まれる高い目標を克服するモチベーションとノウハウ、その結果をユーザーが体感することによる、その技術への信頼。
インハウスデザイナーらによる、日常の商品化とは異なる技術の可視化による価値の共有化を目指した制作は、自社技術の新たな認識と未来の事業を生み出す力となるだろう。

来場者は、これらを3つのコーナーを巡ることでそのブランドの背景を実感することになるだろうし、これらをプロデュースしたインハウスの担当者ら、そこからのフィードバックで、新たなモチベーションへの手応えを感じていることと思う。

ミラノサローネという場所にデザインからブランドイメージをあげる活動として、このような作品を出展できることを素直に羨ましく思うし、そこまでに至る経緯も含めてインハウスデザイナーとして敬服する。

また目的が明確だからこそ、経営陣も未来への投資への必要性を認めているのだろう。

いい勉強になった。

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2009年8月 7日 (金)

博物館 明治村

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今週一週間は夏休みである。
実家のある名古屋へ二泊三日の帰省の折、長年の懸案であった「博物館明治村」を訪ねた。

明治村というのは、各地の壊され消えゆく運命にあった明治時代の建築物を移築し、展示保存することで当時の歴史や文化を今日に伝えようとする屋外展示体験型博物館である。

私自身はたしか開村後すぐ、小学生の頃に一度訪ねて以来だから実に40年ぶりくらい。
当時はまだ展示建築もそんなに多くなかったと思うのだが、記憶にあるのは動態保存の京都市電(明治43年製)に乗ってたどりついた品川灯台((1870年(明治3年)点灯、現存する洋式灯台では日本最古)と、京都聖ヨハネ教会(1907年(明治40年)築)くらい(いずれも重要文化財)。

明治村の規模は、開村時(1965年(昭和40年))の展示建築が15件だったのが、現在は68件に、敷地面積も二倍近くの100万平方メートルにまで拡大している。村も1丁目から5丁目までの5つの区画に分けられそれぞれの区画に飲食店を新たに配置、その間を村営バスが15分間隔で運行されるなど充実が図られていた。

後述するボランティアガイドの方の話によると、1970年台のピーク時には年間150万人の入村者があったのが、最近は40万人に減ってしまっているそうだ。しかし、減少に歯止めをかけるために、ただ建築物を見せるだけではなく、明治時代の実際の部屋の使われ方を実感できるよう、当時の什器やテーブルウエア、食事の再現したものを置くなどの工夫をはじめたり、平成14年からは平均年齢55歳の70名ほどが参加する「ボランティア ガイド制度」を導入、平成19年以降の子供向けプログラムの充実などで、徐々に入場者も上向きなのだそうだ。

私の今回の目的はフランク・ロイド・ライト設計による「帝国ホテル中央玄関」を堪能することだった。実はこの帝国ホテル「ライト館」のオープンは大正12年9月1日(関東大震災当日)であることはあまりにも有名。だから明治の建築物ではない。しかし、今や明治村の物理的にも最大の建築物にして、世界から人を引き寄せることの出来る最大の呼び物であることは動かしがたい事実だ。

これについては、別のエントリーで詳しく書くことにする。

さて、下の蒸気機関車は新橋ー横浜間を実際に走行していた1874(明治7年)年イギリス製だ。開村当時は(私が初めてここに来た時も)静態保存されていたが、ボイラーを動態保存のため載せ替え(オリジナルのボイラーが鉄橋下に展示してあった)、製造100年を機に1974年から明治村内の東京駅、名古屋駅間約800mを5分程かけて威勢のいい汽笛を鳴らし、黒煙と蒸気を上げながら走っている。片道走り終えると毎回客車から手動で連結を切り離し、さらに手動のターンテーブルで方向転換し、ポイント交換を経て平行線を走り、バックしてまた先頭車両に付け替えるという一連の操車作業が見られる。機関士2名と車掌の見事な連係プレーを次女と二人でほぼ貸し切りで見物してしまった。もったない程贅沢である。動態保存していること事態が素晴らしいのだが、走っている姿を見せたり乗り心地を味わうことだけが目的ではなく、合理性と安全性が追求された現代ではほとんど目撃できないその仕事振りから、鉄道の仕組みや鉄道マンの心意気までを具に感じとるコトが出来るこだわりは凄い。

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鉄ちゃんではないので、話を本題に戻そう。

夏の名古屋は暑い。つい先日梅雨が明けたばかりで、それまでは雨が降り続いていたというが、そんなことは微塵も感じさせない猛暑日だった。木陰はあっても広大な村内を徒歩で移動するだけで、熱中症になってしまいそうだ。また建物そのものに説明は少なく、音声が流れている訳でもない。その分、ボランティアによる参加無料のガイドツアーが充実している。

ということで、2丁目ガイドツアーと帝国ホテルガイドツアーを利用した。

2丁目ガイドツアーで解説をしていただけたのは私とほぼ同年代と思われる女性の方だった。2丁目にある第四高等学校(金沢)物理化学教室の見学コースでは、建物の構造の珍しさだけではなく、第四高等学校の同窓会で意気投合しこの明治村創設に関わった二人のエピソードも聴くことができた。一人は有楽町の帝国劇場、竹橋の東京国立近代美術館を設計した東工大教授の谷口吉郎と、もう一人は名古屋鉄道社長・会長を歴任しパノラマカー、モンキーセンターで有名な土川元夫である。地元民として名鉄の話題は避けて通れない。同行した両親は「名鉄 中興の祖」の話にしばし高度経済成長時代を懐かしんでいた。

ガイドさんは穏やかに、そして見学者の年齢や知識、興味のあることころのペースに合わせて解説してくれるので、とても分かりやすいのである。プロではないが、だからこそ本当に明治村を一緒に楽しみましょうという気持ちが伝わってくる。約30分程で3階建ての木造住宅である東松家(明治34(1901)年頃築)に到着し、建物内のガイドにバトンタッチとなった。

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次に建物内を案内してくれたのは職場体験実習中の中学2年の女子中学生だった。次女と同学年なのになんとしっかりと、また堂々とした案内振りだろう。さらにその説明をよく聞いてみるとこの建物が名古屋市中村区船入町の堀川沿いにあったものだという。そう、私が幼稚園から高校まで過ごした実家のすぐ近くなのだ。今でもこの辺りに四間道といって間口が狭く奥行の深い典型的な町屋形式の古い家屋が所々残る場所なのである。小学生の頃、同級生の友人の家は3階建てじゃあなかったけど、2階建てながらこんな造りだったなあ、と懐かしさ一杯な見学となった。

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ここにも明治村らしいこだわりがある。エジソンが発明した炭素フィラメントの白熱電球の復刻版を使用しているのだ。窓から入る外の光と、当時の電球の灯りだけでその部屋や廊下、階段の明るさを実感してもらうということのようだ。明るさだけでなく、障子や襖、欄間の彫りなどがはっきり浮かび上がって見えてくるし、吹き抜けの高さや、3階の間へ上がった時の開放感なども味わい深い。

ちなみに日本では、明治27(1894)年に国産のカーボン電球が開発されたが、一般の家庭で電灯が広く使われるようになったのは、東芝の前身のひとつ東京電気株式会社がタングステン電球「マツダランプ」を発売した明治44(1911)年、以降からだそうである。

まさに陰翳礼讃の実体験だ、

 

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今回はあまりにも暑かったことと、昭和一桁生まれの両親が一緒だったので、村営バス、京都市電、蒸気機関車といった交通機関をフル活用しつつ、かなり絞って見た。

駐車場すぐ横に北口から入村するとそこは東京駅だ。駅を横目に通路を進めばそこはもう帝国ホテル前なのだ。私のわがままだけでまずは帝国ホテルを見た。

そして一通り巡って、蒸気機関車で東京駅に戻ってくると最後にもう一度帝国ホテルをガイドさんに案内していただきながらもうほとんど貸し切り状態で堪能したのでした。

 

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2009年8月 3日 (月)

名作たる所以

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昨夜は ミュージカルの 「WEST SIDE STORY」 を観劇した。
鳥肌が立ち、目に涙が沁みだした。

私は23年前、1986年の4月に日生劇場で劇団四季のステージを観劇したことがある。
指揮者が、私が所属していたアマチュアの弦楽合奏団を指導いただいて方だったという縁で、ミュージカルの魅力と現場の苦労をたくさん聴いていたことが劇場に足を運んだきっかけだった。あこがれの日生劇場の空間で、オケピットからの溢れる音楽と舞台の見事な融合に、鮮烈な感動を覚えた。当時のプログラムを引っ張りだしてきてみると、キャストは劇団四季の看板を揃えた主力級であり、オケのメンバーも須川展也(リード)、宮川晶(ピアノ、現・宮川彬良)といったそうそうたる顔ぶれの若かりし頃の活躍の場であったことがわかる。

私の初めてのミュージカル体験は1983年西新宿の特設劇場での劇団四季の"CATS"だ。テスト稼働したばかりのチケットぴあでのチケット購入、ロングラン公演、特設劇場、日本初登場のストーリーなどいろんな意味でセンセーショナルだった。

”WEST SIDE STORY”は、言わずと知れたシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」をモチーフに、1950年代後半当時のアメリカの人種問題や貧困問題といた社会的背景を織り込んだ、若い男女の2日間の恋と死をダイナミックな唄とダンスで描いたブロードウエイミュージカルの不朽の名作である。
ロミオとジュリエットは本で読み、映画を見て、アマチュアながら舞台でも何度か見ているのでそのストーリーは熟知している。その上ウエストサイドストーリーも、1961年のアカデミー賞10部門を受賞した映画は何度もテレビで見ているし、クラシックファン、バーンスタインファンとしてシンフォニックダンスはオーケストラの生演奏でプロ、アマで数回、CDでもよく聴いている。

音楽的にも講義でよく事例紹介されるほどバーンスタインの音楽意図は論理的に構築されていることはつとに有名だ。
上述したように劇団四季のオケピットに入っていた頃からのウエストサイドストーリー博士と言われる音楽家の宮川彬良氏があちこちのテレビ番組(題名のない音楽会とかどれみふぁワンダーランドとか)でも解説している。
音としてジェット団は「ド(C)」、シャーク団は「ファ#(Fis)」が割り当てられている。
この増四度音程は音と音がぶつかりあう「不協和音」。対立する音程なのだ。
そしてトニーが恋の歓びを歌う「マ〜〜リ〜〜ア〜〜」は C Fis G・・・ となっていて、“あなたが敵の「ファ#(Fis)」 じゃなくて「ソ(G)」(安定する)だったら良かったのに・・・・という気持ちを表すメロディーになっているという。
そして最後、Somewhere では増四度の音程が使われず、ひたすら平和への願いが唄われるのだが、最後の希望的なレミー(D、E)という響きの中に低い「ファ#(Fis)」が・・。平和の中にも対立があることを潜在的に暗示して幕を閉じる。

という理屈を知って聴くと面白いのだが、会場ではそんな蘊蓄を思い出すこともなく、潜在認知能力を思うがままに操られて、感情移入させられてしまうのでした。

いずれにせよ、このバーンスタインの作曲は、いつ聴いても新鮮な、20世紀クラシックの名作だと思う。

今回の公演はブロードウエイ初演50周年を記念したワールドツアーとして企画され、新たにオーディションで選抜された特別プロダクションだ。

歌唱力や演技力、ダンス力は素晴らしいレベルだったと思う。主役の二人はダブルキャストで臨んでいるのだが、私たちが見た公演はマリア役がアリ・エウォルト(4年前にディズニーシーで 「アンコール!」というショーに出演していたそうだ。そこで見ているかもなあ)トニー役はハイトーンからピアニッシモまで豊かな透明な声を聴かせてくれたチャド・ヒリガス(クラシックのオペラ歌手出身だそうだ)だった。

全体のレベルが高いことは群舞に表れていた。冒頭の決闘からぐっと魅き込まれる表現力の素晴らしさ、ダンスパーティーでの集団の踊り、それに「アメリカ」「クール」「アイ・フィール・プリティ」「サムウエア」など有名な曲にのせての群舞は圧巻だった。

舞台では映画のようなディティールや物語性は望めるわけではない。一方で生身の人間の身体能力を目の当たりにし、舞台装置、照明、音楽が一体となったプロ フェショナルな演出は、ミニマルでありながらスピード感溢れる場面展開に観衆の側は想像力をかき立てられ、感情の起伏の空間に一体感を持って身を委ねるこ とになる。その体験がまさに感動の源だ。

関係者の招待客が多かったのか入場の混雑で開演が15分程遅れる程だったが、会場はほぼ満席。老若男女の幅広い客層が会場を埋め尽くしていた。私のような映画で親しんだりしてきた世代は、またあらためて色あせない普遍的な名作の素晴らしさを再認識したことだろう。

私の隣で身を乗り出すようにして見ていた次女やその隣、そして前後の席にもいた中高生のような全く新しい観衆に感動を与えて、また見てみたいと思わせて初めて名作となるのかもしれないと、思った。

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2009年7月31日 (金)

秩序とカオス

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伊藤公象 WORKS 1974-2009  秩序とカオス

東京都現代美術館[MO+]

2009年8月1日(土)〜10月4日(日) 休館:月曜日 

開館時間:10:00〜18:00

一般=1000円 学生=800円 中高生・65歳以上=500円

主催:財団法人 東京都歴史文化財団 東京都現代美術館/読売新聞東京本社/美術館連絡協議会

東京都現代美術館では現代美術の各時代の動向を振り返り、その歴史的な意義を検証するために、日本のベテラン作家の個展を開催してきました。本展はその一環として日本を代表する作家、伊藤公象の35年間の歩みを紹介するものです。

伊藤公象は土を素材にした陶造形で知られる作家です。1932年に金沢の彫金家の長男として生まれ、十代の頃に陶芸家のもとに弟子入りしましたが、その後 は伝統の世界から離れ、美術という概念を問い直すような新しい表現を土を素材にして追求してきました。ある時は土を凍らせ、ある時は乾燥による土の収縮や 亀裂を創作に採り込むなど、自然現象を活かした独自の造形は早くから注目を集めました。1978年にはインド・トリエンナーレ、1984年にはヴェネツィ ア・ビエンナーレにそれぞれ日本代表として参加するなど、その活躍の場は国内を問わず海外まで広がり、土の造形のパイオニアとして高い評価を得てきまし た。

本展は作家が所蔵する主要作品を軸に、各地の美術館が所蔵する代表作を加えて、伊藤公象の作品の全貌を紹介する回顧展です。土に本格的に取り組み始めた 1974年から現在に至る約35年にわたる軌跡を通して、人為をできるだけ抑え、自然の作用を採り込む有機的な創作の世界をご紹介します。また、当館の広 大な展示空間にあわせて構成される大型インスタレーションや新作もご堪能いただけます。

豊かな生命力を喚起してやまない伊藤公象の作品は、自然と人間との関係性が問い直される21世紀にあって多くの示唆をわたしたちに与えてくれるでしょう。(MOT HPより)

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毎年夏休み期間中の東京都現代美術館は、恒例のスタジオジブリ関係のアニメ企画展で親子連れを中心とした集客を図り、入場料収入の確保とともに美術館としての存在価値をアピールし、また現代美術への親しみ易さへの入り口としている。
今年もこの伊藤公象展より一足先にメアリー・ブレア展が開催されている。

私はこの伊藤公象という作家については全く予備知識なしで内覧会を見た。
まさに有機的でなのだがミニマルなパーツが群で構成するその迫力と表情は、経験したことのない体験である。写真では絶対にわからないその表情は触ってみたい衝動にどうしても駆られる。が、手を触れてはいけません。
会期中の毎週日曜日には、アーティストトークをはじめ、作品の一部を触って確かめながら鑑賞できるツアー(やっぱり 触ってみたいと思うよなあ)タッチ&トークやワークショップなど多彩な特別プログラムも用意されている。

エントランスホールの一番奥には ヤノベケンジ氏のジャイアント・トらやん が・・。
どうしても気になります。
MOTコレクションの常設展示も夏休みバージョンということで楽しめます。
題して「夏の遊び場ーしりとり、ままごと、なぞなぞ、ぶらんこ」
いわゆる現代アートの名作から若手の新作まで「日常とアートを繋ぐ」工夫がされています。
が、トらやんは8月9日まで。お見逃しなく・・。ここだけ撮影可です。

しかし、ヒトの少ない夜のトらやんはちょっと不気味でした。

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この東京都現代美術館では、来年の2010年2月2日〜3月22日まで、「サイバーアーツジャパンーアルスエレクトロニカの30年」という企画展が開催される。アルス・エレクトロニカといえば、私にとっては1984年のドナウ川を光と音で包み込んでしまった冨田勲のシンセサイザーパフォーマンスが、日本人でもここまでできるのかと強烈な印象だった。(ブルックナー音楽祭だったかも)。その後坂本龍一や岩井俊雄、池田亮司、明和電機などがコンピューター界のオスカー賞といわれる賞を受賞して、日本にもお馴染みとなった。

アルス・エレクトロニカの作品を中心とした来館者参加型のインタラクティブ作品やワークショップなど特集なので、多彩な日本のメディア芸術に触れることができる絶好の機会として今から楽しみなのである。

ちょうど同じ頃2月3日(水)~2月14日(日)まで国立新美術館では恒例の文化庁メディア芸術祭の作品展が開催されているので、冬の東京はメディア芸術で活気を帯びていることだろう。

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2009年7月26日 (日)

3年ぶりの未来館

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中2の次女の夏休みの学校からの課題は、博物館と美術館に行くこと。
ま、当然行くだけじゃなくてレポートを書くらしいのだが。

昨年の夏休みは二人で大原美術館アートサイト直島イサムノグチ庭園美術館と長距離ドライブの旅をしたので、書くことは山ほどあったのに・・。

じゃあ今年は、私の実家に帰省した折に明治村へ行こうか(毎度、私が行きたいだけだが・・)という提案に、それは社会科だから・・・。理科系の博物館じゃあないとだめなんだよと。さいですか・・・。
そういえば長女のときは家族で八景島シーパラダイスに行って、出来たばかりのイルカのドームを堪能したっけ。

ということで、今日は朝から急遽 日本科学未来館へ。
前回は2006年5月3日だったので、3年ぶりだ。
展示の3分の1くらいが新しくなっている感じで、以前見たものもまた新鮮な発見があったりして大人も十分に楽しめた。
相変わらずASIMOくんは大人気で、拍手がわき起こっている間に、私たちは空いている展示を楽しむことに。

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3年間での展示表現の進化は著しい。
3Fの「技術革新と未来」のゾーンは「想像力と創造力」をテーマにしていて、その原動力を「むすびつける」「くみあわせる」「ひらめく」「みならう」「きりかえる」という5つの観点から紹介している。今年の4月にリニューアルしたばかりだそうだ。

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ここで興味深いのは、原理や現象をわかりやすい模型やビジュアルで理解する、という受け身の学びだけではなく、来館者それぞれが考え、みんなで共有しようというアクティブな展示にたどり着けるようになっていたことだ。身近な夢を科学技術でかなえるにはどうしたらいいか、大きなホワイトボードならぬブラックボードに様々な技術要素を並べ、つなげたり、組み合わせたりして、ディスカッションする場だ。実際に中学生くらいの女の子二人が「自分の記憶と他人を記憶を共有したい」と白マジックでテーマを書き込んで、二人で技術要素をペタペタ貼り出していたし、大学生くらいの男子グループ5〜6人がわいわい言いながら、何やら取り組んでいた。他人に思考過程をたどって気づき、ジブン達でブレストして、カードソートして、シナリオつくっちゃうみたいなことを体験させちゃうツールになっている。

これって、凄い仕掛けだし、その仕掛けにちゃんと来館者が楽しんでいる様子がまた凄い。日本の未来は明るいんじゃないと単純に思えちゃう。英語のコーナーもありました。着想や、思考が違っているようで、この比較も面白い。

あちこちの職場にあってもいいんじゃないかなあ。

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5Fの常設展「地球環境とフロンティア」エリアの国際宇宙ステーション(ISS)に関する展示もリニューアルされていた。こちらのリニューアルはちょうど1年前の7月31日だったそうだ。体をつくる元素、大気、重力、温度、宇宙線シールドなど、地球と宇宙の環境の違いや生命体が生きる条件などを粘土アニメーションを使ったし親しみやすいストーリー仕立ての視覚で構成されている。細部までウイットにとんでいて、小さな子供も楽しいし、大人もこういう見せ方だと隠れ意味なんか見つけたりと感心させられる。

3Fのリニューアル展示には、デザイン、グラフィックデザイン、デジタルメディア制作、映像制作、製作・施行 それぞれの担当会社の名前がきちんと記載されていたが、ここの展示では見つけられなかった。誰かなあ、ととっても気になる・・。

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5Fの常設展示ゾーン「生命の科学と人間」の医療コーナーは2006年12月にリニューアルされたいたらしいが、私は今回が初めて。

「ともに進める医療」というコーナーの入り口に「今月の質問」というスペースがある。その質問に対してYes Noで補色関係の色のメモ用紙に自分の考えをメモして 壁に貼っておくと、それぞれの意見が一覧できるという単純な仕掛け。今日の午前中だけの分でもこれがまた、6歳、8歳のつたない文字ながらシンプルな意見や、20代の学生さんの鋭い意見、70代の方の達筆でかつなるほどな意見まで、見ているだけでいろいろ考えさせられたり、感心したり。Endoxa(エンドクサ=古代ギリシャ語で「良識あるみんなの考え」を意味したこ言葉)というのだそうです。アナログなコミュニケーションという手法で多様な価値観を再認識して、多くの選択肢から賢い選択をすることの大切さ、社会的な問題まで意識させ、一方的な学びに陥らないよう工夫しているところが、開館以来の教訓なのかな、とポジティブに解釈してみた。

 

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体験型常設展示施設「情報科学技術と社会」の一角、メディアラボもリニューアルされていた。日本発のテクノロジーと創造性を融合させたアート作品「デバイスアート」の第4期展覧会としてクワクボリョウタ氏の7作品が展示されていた。題して「微笑みトランジスタ」。9月28日まで。

上の画像はクワクボリョウタ氏の最新作2点のうちのひとつ、「ニコダマ」の目を閉じた瞬間。静止画で撮影するのは難しいんですよ!これは手のひらにちょうど乗るくらいの大きさで、時々赤外線通信で協調してパチパチ瞬きする目玉二つのガジェット。

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最新作2点のうちもうひとつの「シリフリン」は体験できる。人類が進化する過程で切り捨てた部位の1つである「しっぽ」を、再び手に入れられる という作品だ。装着者の腰の動きをセンサーがとらえ、複数のサーボで構成された多関節構造がクネクネというしっぽの表情生み出す。パネルのタイトルロゴ「シ'|フ'|ン」を見て、次女は「ジブン」と読んだ。私は「シリフリン」だと思ったのだが、、作者としてはリを濁点として読ませ、「ジブン」と二重の意味合いを持たせなのだそうだ。なんとか、親子で一人前・・。

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外は真っ青なアオゾラの下、プールに実物大ガンダム、26時間テレビに向かう多くの人で大変に人出のようだった。

そんな賑わいをよそに親子でちょっと知的な会話と時間を過ごすことができて充実した休日となっとのでした。さあて、レポートは何を書くのかなあ。

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2009年6月20日 (土)

Les Mecaniques Savantes(博識な機械)

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「Le Machine(ラ・マシン)」は、フランス・ナント市を拠点にする、人間や生物をモチーフにした動く巨大オブジェの製作や演出をするグループだ。

Les Mécaniques Savants(博識な機械)と呼ぶ巨大蜘蛛型マシンは、 2008年9月にイギリス・リバプールで1号機"Princess" が発表され、今回 Y+150のためにあらたに製作された2号機"lady"とともにプレイベントで来日を果たした。

4月18日の上陸と19日に日本大通りを2台で歩くパフォーマンスには60万人以上が集まったと新聞に載っていた。

現在、横浜開国博の「はじめての森」会場でパフォーマンスを見せてくれているのは2号機の"lady"らしい。

実物の迫力は想像以上だったが、その人工的な造形物としての美しさは形容がしがたいものだった。独創性、芸術性、機能性、そして人間と機会の融合。

静止しているときのディティールも魅力的なのだが、動いているときの複合的な有機性は嘗て経験したことの無いものだ。

追っかけも登場する程のその魅力はうなづける。

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日本人7人のパイロットが観客の拍手に迎えられて登場。

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最大に大きくなるとこんな感じ。高さ12mといわれるが、かなりの迫力だ。

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足の裏が真上に来たり(頂上のパイロットが覗き込んでこっち狙ってます(^^;)

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脚が目の前に振り下ろされると、ウルトラQ(ふる〜〜)や二十世紀少年の映画の中にいる気分。撮った画像も特撮か映画の一コマのように迫力があって様になる。が、コンパクトデジカメでふつうに撮っただけ。

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行く手を開けろと言わんばかりに放水を狙い撃ちされる。パイロットの目線が明らかにこっち向いている・・。このあとカメラをかばいながら後ろ向きに後退・・。隣で一眼レフを構えていた女性もかなりやられていたなあ。

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お、真下に入っている・・。

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小柄な女性パイロットが頂上でこの巨大なメカを操縦しているという様が、演出効果も抜群だ。

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実は 下のセンターの男性がキャプテンで総指揮をしているらしい。

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ディティールを観察してみると、なんと蜘蛛の甲殻部分は実は木材なのである。

乾燥のためか、ひび割れを発見して解った。

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おしりの部分も木材を集成し、削って造形したようだ。

FRPのようなプラスティックを想像していたが、木材という素材、荒削りな造形美がこの迫力を生み出していると判明。

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支柱や、全体を支えるクレーン部の主柱などにも実は機能性だけでなく細やかな装飾があったり、パイロット席の椅子のデザインとっても、かなりディティールは計算されているようだ。

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目玉は何の役割を果たしているのだろう。木材でできた脚のカバーも左右はビスで停めてあるが、位置決めのところはかんぬきのようにして停めてあって興味深い。

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エントランスを入って右側のコーナーに 「Le Machine」のこれまでに制作された作品やパフォーマンスの様子を紹介したコーナーがある。(気がつかない人も多いようだ)

ここに 像やキリンなどのスケッチも展示してあるので必見です。

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2009年6月16日 (火)

Design The Happiness

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先週の水曜日の夜は INFO GRAPHICS NIGHT Vol.1 を聴きに
向ヶ丘遊園駅前にある専修大学のサテライトキャンパスに来ていた。

今日は、自分が学生さんに話すためにまた向ヶ丘遊園にやってきた。
一個人のデザインに対する想いや姿勢を語ることで
1年生のこれからの学びや進む方向のヒントになるようにということで。

今までにもいくつかの大学で1コマだけの特別講義をやらせていただいたことはあるが
いずれもデザイン系であり、仕事として企業での具体的な仕事のプロセスや成果を紹介することが主だった。
今回はHowでもなく、具体的な商品のプロセスでもなく、何のためにというWhat を話すことにした。
「情報と社会」という科目で、自らが進む方向性を定めて行く基礎作りを目的とした授業なので、わかりやすく噛み砕いて、そして私個人の想いを伝えて欲しい、ということだった。

で、考えたテーマが表題の「Design The happiness 幸せをデザインしよう」
これで、自分自身の生き様と「教える=気づかせる」「学ぶ=気づく」「実践する=気づきを確かめる」「結果を出す=共感する」というサイクルを人の上下関係なしに、そして目の前の期待に応えながらドンドンまわして行こう、という話を具体例をまじえながらまとめたつもり。

おかげで随分と自分自身わかっているようで曖昧になっていたことを整理する機会となった。先日の木村さんの講演の際、私が質問した「わかりやすい、ということは相手がわかったつもりになってしまわないか?本来のわかりやすくすることは、気づかせてあげて、さらにそこから探求する気持ちが育まれることで新しいことが生まれるのでは?そのための解りやすさのさじ加減はありますか?」の意味は、まさに今日のための自問自答だったのだ。

結果的に4年生からのナイスな質問や、終了後に個別に質問してくれた1年生のとってもシンプルな質問を受け応えしていて、実はとても嬉しくなった。
なんとなく 伝わった気がしてきたから。でもやっぱり1年生には難かしい、というか実感わかなかったかなあ。

教えるということはやはり学ぶということ、多くの気づきがあった。
このような貴重な機会をありがとうございました。

それにしても300人相手の講義は大汗です。コンサートだって300人のホールを満席にするって大変だし、満席になったらなったでとても緊張するし・・。今日は徐々に席が埋まって(空席や後ろに座らないように指定席にしてあるんだそうです)、ザワザワの大きさが増すにつれ、久々に最初だけ緊張したなあ。カラーユニバーサルデザインにも配慮しながら作ったパワポ100ページ(1ページにキーワードだけなので)、練習なしのぶっつけで、早口にならないよう気をつけながらもなんとかギリで60分強に収まった。まあ、話すことを整理するラピットのような役割で、少し寝かせては何回か削り直したけど。アサノ先生のおっしゃるタイムマネージメントを実践してみました。

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2009年6月15日 (月)

あと4ヶ月

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隈研吾設計による立て替えで今年の秋に全面リニューアルオープンを目指している根津美術館。今年に入って外囲いが外れ、建物の全貌が外からも解るようになってきた。建物そのものは3月に竣工したそうで、今は秋に向けて内部の展示整備が進んでいるらしい。

植栽が次々と運ばれ、外溝も着々と整備されている様子。都会のオアシスの復活も間近だ。

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以前はお屋敷のような瓦を積んだ土壁が周囲を囲んでいたが、それも取り壊されて 見通しのよい竹林が登場していた。大屋根と鉄板の壁で構成された重厚な建物を囲む軽やかな竹林の縦列は、このあたりの印象を一気に替えている。

以前から入り口にあったシンボル的な桜の巨木も元あった場所の近くに移植が済んだようだ。が、かなり弱々しい印象。来年の春にはまた見事な花を咲かせてくれるのだろうか。

私にとって根津美術館といえば、国宝 尾形光琳筆「燕子花図」である。

初めて対面したときには言葉が出ない程の迫力に圧倒された。時代を超越したコンテンポラリーアートだと思う。

毎年、燕子花の美しく咲く頃に合わせた5月のGWを挟んだ時期に公開されるのが恒例で、以来会期初めのお昼休みに毎年訪れ、しばしの至福の時間を過ごしてきた。

それが2001年から修復に入り、2005年の秋に4年ぶりに特別展で公開され、さらに恒例の2006年の4月に展示された後、美術館そのものが3年半の長期休館となってしまった。2005年秋と2006年春の公開は貴重な機会だった訳だ。

いよいよ整備の進む敷地を見ながらの通勤、あと半年でまたご対面できるかと思うと、待ち遠しい。

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2009年6月 7日 (日)

Less but better

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純粋なる形象 ディーター・ラムスの時代―機能主義デザイン再考

府中市美術館
2009年5月23日(土)〜7月20日(月/祝日)
開館時間:10:00 - 17:00(入場は16:30まで)

月曜日休館
入場料:一般800円、高校生・大学生400円、小学生・中学生200円
主催:府中市美術館、日本経済新聞社

ファインアート中心のいわゆる美術館で企画、開催されたデザイン展である。

府中美術館のコンセプトは「生活と美術=美と結びついた暮らしを見直す美術館」とある。2000年にオープンし、過去にリートフェルト展などの好企画をやっているらしい。なので、今回の企画展は「使い手の立場に立ったデザイン」という素材と機能の本質を追求した仕事を振り返り、モダンデザインの理念を自分たちの生活と美術を見直すきっかけとすることで、美術館のミッションに適っているのだそうだ。

大阪のサントリーミュージアム[天保山]で昨年この企画展が開催されていたのは知っていたが、さすがに出かける余裕も無く、東京への巡回展はありがたい。

この展覧会に先立ち、5月23日に武蔵野美術大学で開催されたシンポジウムはディーター・ラムス氏自身が登壇し、盛況かつ示唆に富んだものだったらしいことが、あちこちのブログから伺い知れた。

東京でBRAUN展が開催されたのは2005 年の9月から10月にかけての約1ヶ月、AXISギャラリーだった。その時は「ブラウン展ー形を超えたデザイン」というタイトルで、夜19時まで開場していたので会社の帰りに寄り、ワンフロアで結構充実している展示に見入った記憶がある。76ページのパンフレットを今でもデザインの10原則をはじめ、デザインの何たるかを振り返るために手に取ることがある。

今回、府中美術館というロケーションと開館時間の制約条件から平日に訪れることは難しいので、日曜に車で訪ね、一人でじっくり見ることにした。最寄りの駅からは20分近く歩いて、府中の森公園の中を通り抜けたところにある。夏を思わせる今日のお天気に、公園の中は水遊びに興じる子供達の歓声がとても愉しそうに響いていた。車による来場者には公園の一番奥に60台の無料駐車場があり、そこから数分の場所に美術館は位置している。今日はG1レースが競馬場であるので、午前中の空いている時間に移動、道路が混雑するお昼過ぎには府中を退散した。

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展示は、AXISの時とは比較にならないほど充実し、かなりの物量であった。
最初のコーナーでデザイ ンの流れを年代によって俯瞰できるようになっていて、デザインの初心者にも視覚的に分かり易く理解が進むよう工夫がされている。
その後はディーター・ラムスを軸に、BRAUNのデザインを巡って行く構成になっている。

展示されているデザインは量産製品なので、一部はアクリルケースに納められているものの、多くはグルリと眺め回ることができ、外観の部品構成から微細なディティール、繊細な表示に至るまで、じっくりと観察できる。

機能的、素材的にも当時としては画期的な提案であったはずで、50年を経て今でもまったく古い新しいを超えた普遍的なデザインであることは、いかに合理性を追求し、社会的な理想を目指したかをそのもの自身が雄弁に語っていた。

最後にディーター・ラムスが1962年にデザインし、現在でも生産されている620 Chair Programmeというソファに座りながら、Who is Mr.Braun?(ミスターブラウンとは誰か?)というDVDを約1時間見た。本人のインタビューから、結果に至るまで、いかに自身や企業内部でのマーケット部門、技術部門との対峙、葛藤が凄まじかったが伺い知れる。常に彼らは「増やす」ことを要求し、ラムス氏は「減らす」ことで「より良く」という彼自身の哲学を貫くにはいかに強靭あな精神力が必要だったか。戦いの中で、アイデアが実現にまで至ったのは5%にしか過ぎないと。

このDVDには、ディーター・ラムス氏の私生活も紹介されていた。欠点だらけの自身は、いつも成長して生きたいと考えているし、強い意志を作るには、よい私生活が大事であると彼は語る。理解と包容力のある良きパートナーが必要だと。そして映像で紹介された個人邸の庭は明らかに日本庭園だった。盆栽も映っていた。

DVDの中で 日本ではディーター・ラムス氏が神格化されていると語る人もいたが、彼がモジュールや可動性の提案において、日本の用と美に共感していたのだろうという推察も容易だ。そして重要なのは日本のデザイン界が彼に共感し、影響され、学んだ工業製品と工業デザインに与えた影響も計り知れない。某社の30年前のデザインはまんまじゃないか、と言わざるを得ない。

最後のコーナーに、ラムスがデザインした製品へのオマージュともいえるAppleや 深沢直人氏、ジャスパーモリソンがデザインした製品が展示されていることが、デザインという文化を創った功績を讃えているように思えた。

DVDで本人が語る内容の示唆はもちろん非常に興味深いが、ソットサスやサッパーらがディーター・ラムスを、そしてドイツデザインを語るコントラストと自己批判的なところがなんとも修行僧のようなラムスに対し、人間的で色彩があって面白かった。

この映像は1時間とちょっと長いけど、椅子に座って鑑賞することをお薦めします。

また、ミュージアムショップで販売されている800Pで4,000円する図録、これがまた大変な充実ぶりで、買って損はないと思う。

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2009年5月28日 (木)

骨とデザイン

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内覧会の招待状をいただいていたので 同僚達と行ってきました。

第5回企画展 山中俊治ディレクション 骨」展
21_21 DESIGN SIGHT
2009年5月29日(金)〜8月30日(日)
開館時間:11:00 - 20:00(入場は19:30まで)

火曜日休館
入場料:一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
     (15名以上は各料金から200円割引、いずれも消費税込み)
主催:21_21 DESIGN SIGHT、財団法人 三宅一生デザイン文化財団

私たちの体を支える骨の一つひとつに数十億年にわたる生物の進化の歴史が潜んでいるように、「工業製品の骨格」にも込められた意味があります。それは素材の進化を物語り、ものをつくる道筋や、人の思考の骨組みがかたちになったもの。まさにデザインの骨(こつ)なのです。

本展では、デザイナーとエンジニアの視点を持って活躍する山中俊治を展覧会ディレクターに迎え、洗練された構造を持つ生物の骨をふまえながら、工業製品の機能とかたちとの関係に改めて目を向けます。

キーワードは「骨」と「骨格」。12組の作家による作品に触発されながら、「未来の骨格」を探っていきます。

ディレクターの山中さんが進行形でブログを公開していることは
4月20日のエントリーで紹介した。

それを読みながらかなり期待していたけど、実際の作品はそれ以上でした。
 
物事の骨格を形成する機能美だけではなく、
エンターテーメントのように楽しむ要素もありながら
多様な視点からのアプローチに
非常に深く考えさせられたり、
表現のために緻密に積み上げられたプロセスに驚嘆したり。

ロビーでは、300キロの固まりを10人がかりの人力で運び入れたという
フェアレディZのホワイトボディが出迎えてくれる。

アプローチから続く静的で緻密な展示をトンネルのような廊下伝いに見て行くと、急に広がったメイン会場にたどりつく。そこでは動的な体験が出来る仕掛けになっている。

そこで作品の横にいたMONGOOSEの松山さんに
Galvanic Frameの仕掛けの苦労や秘密を教えてもらった。

昨日のプレス向け内覧会の20分前まで笑わなかったらしい
明和電機のWAHAA GO GOは
見事に例えようの無い笑い声を披露してくれた。
土佐さんが声帯まで見せてくれる大サービス。

でも静かな会場でひっそり笑われたら、ちょっと夜眠れなくなるかも。

takram の Phasma は走る機能だけを抽出した
極めてシンプルな構造ながら目にも留まらぬやんちゃな動きと
メカなのに走り疲れてぜいぜいしちゃう姿に
思わず「かわいい・・・」とつぶやいてしまう。

another shadowでは同僚達と楽しみまくってしまった。

玉屋庄兵衛さん自ら操る新作のからくり人形の矢を射るところも
かぶり付きで見た。

残念ながら山中俊治研究室の「フラゲラ」は不調で動かず。
足を分解されて調整することで 結果的にサーボモータやバランスをとっている
骨が見れてしまいました。あの学生さん達は明日の一般公開まで徹夜だろうかと心配になってしまった。

見応え十分な 秀逸な展覧会です。

カタログも買ってしまったが こちらも作品の開発プロセスが非常に充実していて楽しめます。

Dscf4631

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2009年4月20日 (月)

骨 展

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東京ミッドタウンにある21_21_DESIGN SIGHT
5月29日から8月30日まで「骨」展が開催される。
第5回企画展のディレクターである山中俊治さんがこの展覧会をきかっけに
「デザインの骨格」というブログを3月30日から始めていました。
まだエントリーは少ないですが、非常に興味深い。

サテライトオフィスはあの世田谷の日本ではないような一角にあったのですな。
3月17日にAXISであった慶応SFCのエクス・デザイン(XD)プログラムの成果発表会の時に、義足や骨展の紹介もあって、とても興味を持っていたのだが、そのプロセスが垣間みれるようだ。

山中俊治の「デザインの骨格」

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2009年4月18日 (土)

万華鏡の視覚 展

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万華鏡(カレイドスコープ)の視覚:
ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団コレクションより


森美術館 六本木ヒルズ森タワー 53階
2009年4月4日(土)〜7月5日(日)
開館時間:月・水-日10:00−22:00|火10:00−17:00
※4/28(火)、5/5(火)は22:00まで 
       いずれも入館は閉館時間の30分前まで

会期中無休
入場料:一般 1500円、学生(高校・大学生) 1000円、子供(4歳−中学生) 500円
主催:森美術館、ティッセン・ボルネミッサ現代美術財団
後援:オーストリア大使館

目を奪う、心揺さぶる、アートに出会う

光、色、音、言語、概念、コミュニケーション。視覚だけでなく、聴覚や触覚など、人間のさまざまな感覚をあらゆる方向から刺激する作品と出会い、現代アートの醍醐味を体感してみませんか。本展は、優れた現代美術の所蔵で名高いティッセン・ボルネミッサ現代美術財団と森美術館が協働して、ダイナミックなインスタレーションを中心とした国際的に活躍するアーティストの作品で構成されます。
本展出品のアーティストたちは、人間の感覚や認知のシステムに関して独創的な視点をもっています。
彼らが提示する世界に対面する時、私たちが慣らされた感覚は試され、普遍的だと信じてきた「常識」は覆されます。「現実(リアリティー)」とは何か。
私たちが生きている世界とはどこか。人間の存在と認識に関するこの根源的な問いに対して、あらゆる可能性を探ります。万華鏡(カレイドスコープ)が多様で魅惑的な視覚を映し出すように、決して一つではない視点があることに気づくとき、世界の見え方が変わってくることでしょう。

(展覧会HP 展覧会概要より)

森美術館の企画展では、開催中にこどもツアー、シニア向けツアー、手話ツアー、学校の先生向けツアーなど様々なパブリックプログラムが用意されている。
ギャラリートークもそのひとつ。
昨年の5月、タナー賞の歩み展の時に会社帰りに同僚と初めて解説ボランティの方のギャラリートークに参加した。15名くらいで主要な作品の解説を聞きながらぞろぞろ一緒に見る面白さ、まさに解説と鑑賞のインスタレーションみたいなものである。
この展覧会を企画したキュレーター、荒井さんのギャラリートークが17日(金)の夜19時から予約不要、無料であるということを知って、同僚と一緒に参加した。

受付順に先着30名に受信機とイヤホンが配られる。開始の19時にはちょうど定員になった。若い人、女性が多い。

まず入り口で荒井さんから「この展覧会では、ちょっといつもとは違う視点で見ることで、新しい発見や、気づきが得られることを目指しました」というご挨拶と、展覧会の概要の説明があった後、約1時間程度で、23作品のうち11の作品について、作家の意図や背景、この展示会でのエピソードなどを聴きながら巡ることができた。作品もダイナミックでいろいろな角度から鑑賞した方が面白いので、周囲を歩き回っていても他の鑑賞者の邪魔にならないようささやくような解説者の声がイヤホンからはっきり聞き取れるのがいい。

美術館は22時まで開館しているので、その後、解説の無かった作品や、気になった作品をもいちど見に行くのにも十分な時間がある。

このギャラリートークはサポートスタッフにより4月20日以降、毎週月曜日14:00 - 15:00、水曜日19:00 - 20:00、土曜日14:00 - 15:00に無料、先着15名で開催されるそうなので、行く予定のある方はぜひ利用してみるとよいだろう。

時間が合わなくても、森美術館では入り口で音声ガイドを無料で貸し出してくれるので、作者のエピソードやメッセージなどが作品をより親しみやすく、手助けしてくれるに違いない。

欧米の現代アートはよりメッセージ性が強いが、今回の展示作品はかなり解りやすい作品が多く、現代アートに詳しくない人でも少し興味のある人でも楽しめると思った。

ポスターのビジュアルにもなっているカールステン・フラーの《Y》は、先入観を持って本物に触れるとちょっと印象が違うかもしれない。

この展覧会の会場ならではという試みもいくつかあった。

ジム・ランビー『ゾボップ・ゴールド』の作品は、まさに展示室に合わせてビニールテープで制作されている。そこにはイェッペ・ハインの『映す物体』という作品が置かれている。これこそ、解説を聞かないと、別の作家の別の作品であることすら解らないほど、見事に一体化している。実は、『映す物体』を覗き込むと自分自身が写り込むので、自分も作品の一部になってしまうのだ。二つの作品、展示室、自分の一体化のできあがり。さらにその球状の物体は人が近づくと、逃げたり近づいたり、じっと動かないと時もあれば、突然ゆっくりと動きだすのだそうだ。なんと、私たちは途中からご機嫌ななめだったらしく「調整中」でしまわれてしまって、見ることができなかった・・・。残念。

ジョン・M・アームレーダーの《グローバル・ドーム XII》と、ケリス・ウィン・エヴァンス
《ジークフリード・マルクス著『天体写真術—写真現像の過程』(1987年)》という2つの作品は、光のインスタレーションを利用した作品だが、53階の六本木からの眺望を取り込んでいる。昼間より、お天気の良い日の夜がオススメです。それは、作品を鑑賞する展示室に入ってそれが実感できます。

個人的には光と影の調和の変化をシンプルな装置で描いていたオラファー・エリアソンの《投影される君の歓迎》が非常に興味深かった。

事前にプレス向けの内覧会のレポートや、既に鑑賞した人のブログをチェックして行くと、より楽しめると思う。いくら事前に情報を入れても、実際に体感してみないとその面白さ、新しい気づきは得られないことは言うまでもありません。

関連記事

森美術家「万華鏡の視覚」展キュレーターインタビュー

「万華鏡の視点」展フォト&ブログレポート

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2009年4月15日 (水)

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展

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William Merrell Vories as an Architect ウィリアム・メレル・ヴォーリズ 恵みの居場所をつくる

パナソニック電工 汐留ミュージアム
2009年4月4日(土)〜6月21日(日)
休館:月曜日
開館時間:10:00〜18:00
入場料:一般500円(65歳以上400円)/大学・高校生300円/中・小学生200円
主催:パナソニック電工 汐留ミュージアム、 京都新聞社

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)は日本近代建築史において独特の存在感を放っている建築家です。
 アメリカ・カンザス州に生を受け、1905(明治38)年に来日したヴォーリズは2年間、滋賀県立商業学校(現在の滋賀県立八幡商業高等学校)で英語講師を務め、その後も近江八幡の地にとどまって、幅広い活動を繰り広げました。建築事務所や現在の近江兄弟社へとつながる事業を立ち上げ、建築家や実業家と して活躍する一方、地道で熱心な伝道活動を続けました。また彼は軽井沢にも拠点をもち、毎夏、避暑に訪れる外国人宣教師らと交流して人脈を拡げ、全国各地 に数多くの名作建築を遺しました。
 ミッションスクールや教会、商業施設から個人住宅まで多岐にわたるヴォーリズ作品は、いずれもそこに集う人々への深い思いやりにあふれています。
 本展では、今もなお日本に多くの愛好者をもつヴォーリズ建築の尽きない魅力を、豊富なオリジナル図面や写真、映像でご堪能いただきます。特にヴォーリズ 夫妻が毎夏を過ごした軽井沢の≪浮田山荘(旧ヴォーリズ山荘)≫(1922年)を、ウォークインの原寸大模型で紹介する等、彼がめざした「理想の住空間」 とは何だったのかを彼の遺した作例や言葉のなかに探ります。

小さな会場ながら500円でこれだけ充実した展示はお得です。

ヴォーリズ建築は、東京なら山の上ホテル、京都なら四条大橋たもとの東華菜館、大阪は大丸大阪心斎橋店が一般の人の目に触れたり、利用されたりして 多くの建物が未だ健在で親しまれている。
私はマニアなので、北海道旅行の際はわざわざ北見のピアソン邸を訪ねたり、昨夏は近江八幡詣でをしてしまった。

今回の企画展は事務所開設100周年を記念して滋賀、福岡、軽井沢、大阪とゆかりのある地を巡回してきたそうだ。多くのスケッチや図面も素晴らしいが、目玉は 軽井沢に建てた最小住宅の実験でもあった山荘のウオークインできる原寸での再現や、人に優しい蹴上がりと踏み面の秀逸な寸法関係を昇降して実感できる階段である。

10月には近江八幡で実際のヴォーリズ建築を使用した分散展示会も開催されるそうだ。

ヴォーリズは、日本の教育、医療、建築設計、会社経営、伝道、出版などの広い分野で貢献した人だ。そのヴォーリズ建築の特徴は、アメリカ建築の流れの中にありながら、日本の気候風土や習慣に合わせた実用性と、全体は簡潔ながら細かなところに豊かな装飾を施した親しみやす差にあると思う。一言で言えば、依頼者のことを考えた for others の精神の現れでしょう。

この展示会で気がついたことがある。
東京のヴォーリズ建築のひとつ、旧朝吹邸は見たことあるなあ・・。
調べたら東芝高輪倶楽部(現東芝山口記念館)じゃあないですか。
もう20年くらい前、東芝の迎賓館として使用されていた時代に中に入ったことがある。
その頃はヴォーリズ建築だとまったく意識していなかった。
そうだったのかあ・・
サガンの「悲しみよこんにちは」の翻訳者、朝吹登水子さんのご実家だったんだあ、と
いまになってその貴重さがわかったのだった。

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2009年4月 2日 (木)

+/- [the infinite between 0 and 1]

Dscf4033

+/- [the infinite between 0 and 1]
池田亮司 展

東京都現代美術館[MO+]
2009年4月2日(木)〜6月21日(日)
休館:月曜日
開館時間:10:00〜18:00
主催:財団法人 東京都歴史文化財団 東京都現代美術館

作曲家/アーティスト 池田亮司
知覚と身体感覚の限界領域を探求する

日本の電子音楽分野の第一人者として、世界中から注目されている作曲家/アーティスト、池田亮司。絶えず人間の感覚能力とテクノロジーの臨界点に挑むよう な、洗練された彼の作品やパフォーマンスの数々は、今や音楽だけでなく建築、映像、ダンスといった表現ジャンルを超えて、幅広く大きな影響を与えていま す。
私たちの知覚する世界を、サイン波やピクセルといった最小単位にまで突き詰められた「データ」として捉え直し、それらを再構成することで、全く別の世界体験を作り出すこと。それ自体は不可視である「データ」を、音と光の関係性によって記述することに、池田は映像・音響作品を通して取り組んでいます。
本展では池田亮司の本格的個展として、大規模かつ精緻に構成された映像インスタレーションを中心に、新たな知覚領域を探求する彼の作品を展示いたします。

招待状をいただいていたので、リニューアルオープンしたばかりのMO+で今日から開催される池田亮司展の内覧会に行ってみた。

Dscf4029

Dscf4016

展示を見る前にレセプションでシャンパンをいただく。フランスで活躍されているからなのか、シャンパンもペリエの提供、テーブルの上には日仏学院提供という葉っぱの付いたままの人参、大根がディスプレイされていて、ザクザクと輪切りにされた野菜を大きなボールのドレッシングに浸けておつまみにいただくという趣向。

このストイックさはあとの展示を見て意味が分かる。

作品は2フロアに分かれてある。

ブラックとホワイト。

圧倒的なスケール感で数字をひたすら身体に浴びる という無機的な非日常体験です。

これはね、覚悟がいります。賛否両論、好き嫌いわかれます、きっと。

私は表現もさることながら、それを実現している技術に圧倒されましたね。

 

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2009年3月 5日 (木)

都会のオアシス

Dscf3750

青山ブックセンター 六本木店
ここは朝5時までやってます。

会社の帰りに遅い時間でもちょいと覗ける
まさに都会のオアシス。
品揃えはデザイン、アートなど芸術系が充実していて
知的好奇心を満たしてくれる。
というか文学系はあまりないね。
ビジュアル系はやっぱ、手に取って選びたいよね。
こだわりのオススメ本が書棚から誘ってくれます。
ネタに詰まった事務所系のヒトやらお忍びの有名人がふらふらと。
ある意味、地域密着型の書店。

なにかと厳しい世の中、管理業務で固くなった頭をほぐしに
わたしもふらりと。

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2009年3月 1日 (日)

「おくりびと」を見て思うこと

Dscf3716

昨日は、地元のシネコンが話題の「おくりびと」の再上映を始めていた。その上、「今日1日、どの映画でも1000円!」というキャンペーンをやっていたので見に行ってきた。

2番目に大きいスクリーンの劇場が割り当てられていて、350席がほぼ満席。
ニュータウンなので、ショッピングセンターのテナントや映画のプログラムも子連れのファミリーを主にターゲットとしていて、普段はそういう若い層が多い。しかし「おくりびと」の観客は、この街のどこにいたのかと思うほど中高年の夫婦(私もそうだけど)や女性同士などが大多数だった。
そして、おばちゃん達の大きな笑い声とすすり泣く嗚咽に会場は満たされておりました。

売り切れだったパンフも午後には売店に届き、しっかり「アカデミー賞外国語映画賞受賞作品」と刷り込まれていた。今週になって緊急増刷したんだろうねえ。

映画は評判通りのいい映画だった。アカデミー賞をとるほどの日本を代表する傑作か?と問われれば、意見もいろいろあるとは思うが、見て損は無いと思います。

授賞式に参加した滝田監督と主演の本木雅弘ばかりがメディアに露出しているが(実際 凄いと思うが)、実は小山薫堂ファンであり、久石譲ファンである私は、小山氏初の映画脚本であること、チェリストが主人公ということで音楽担当の久石氏の職人的な仕事ぶりについて注目していたのだった。しかし、秋の公開時には見損なっていたので、アカデミー賞にノミネートされた時点で再上映、拡大上映になることをちょっと期待していた。
ワーナーマイカルでは受賞前の21日から2週間限定での再上映は決まっていたようだが、これで一気に「凱旋上映」に格上げで、大集客となったわけだ。

脚本としての魅力はいくつもある。

細やかな指先の動きから美しい所作への布石を感じさせる「チェリスト」という設定。この脚本はヨーヨーマのCDをずっとリピートで流しながら書いたのだそうだ。コントラバスの楽器ケースって音楽仲間では「棺桶」って言うんだけど、そういうことも意識したのかな。
 普段のラジオ番組や雑誌のコラムなどでお馴染みのサービス精神、こだわり、ウイットは、台詞の中にも十分は反映されていて、コメディーのようにクスリという笑いが随所に散りばめられていることもこの作品を楽しませてくれる。

そして「料理の鉄人」の放送作家らしい「食」へのこだわりや、向田邦子さんのエッセイからヒントを得たという今回の映画の重要なエピソードである「石文(いしふみ)」に込められた「言葉や文字がなくても、相手にきちんと「伝える」こと」は、いろいろと考えさせられる。

小山薫堂氏は、映画の舞台になった山形県にある東北芸術工科大学に09年度新設される「企画構想学科」学科長に就任している。この学科用に小山薫堂氏はじめ彼の秘書らが綴っているブログというのがあるんだけど、実に大学の先生ぽくない雰囲気。ここで「企画構想学科」では「『普通の事の価値』を学んで欲しい」と言っている。「おくりびと」の脚本家としてのインタビューやパンフレットにもこの映画で一番書きたかったことは、「『普通』って何だろう? でしょうか」と言っている。「普通を見直すきっかけ」が彼の今の最大のテーマであり、それを教育でも実践しようとしているようだ。アカデミー賞受賞脚本家が教授として講義してくれるっていうんで、倍率があがるんじゃないかな。

脚本がよかった、というのも事実だと思うのだが、久石譲氏の音楽がこの映画をさらに劇的にしていることも間違いない。映画全体が壮大なチェロ協奏曲のようなのだ。音楽好き、クラシックファンも十分に楽しめる。

そして、やはり“納棺師”の企画を自分で持ち込んだという主演の本木雅弘の演技は凄いね。何が凄いって、チェロを弾くシーンのフィンガリングやボウイング。特にベートーヴェンの「第九」第4楽章冒頭のレシタティーボをオケのメンバーとして弾くシーン。手だけプロの奏者の吹き替えで撮影することも多い中、周囲の奏者とズレることもなく、ヴィブラートまでかけてちゃんと弾いているように見える。エキストラで出演していた山形交響楽団のビオラ奏者のブログによると、映画の撮影のために事前に相当の特訓したそうだ。「本木さんのために本木さんが憶えてきたボウイングに山形響が合わせたくらいなので、アマチュアとしては相当なレベル です」とある。チェロの指導は、元G-CLEF(90年にNHK紅白歌合戦にも出演したインストバンド)の柏木広樹氏が行ったとクレジットに出ていた。調べてみると、楽器店のシーンについても語っている対談があった。、ソロのシーンも、音楽に合わせて演奏の演技をしているのではなくて、演技に会わせてプロ(都響首席の古川展生)が演奏しているのでは、と思えてしまう。

そして、映画を見ていて涙を誘うのは「死」に向き合うことになる遺族の思いだけではなく、何より本木氏の“納棺師”としての所作の美しさに感動してしまうからだ。

22日のエントリーに書いた「概念を言葉で定義する「西洋文化」に対し、定義がなくとも伝わる茶道のような「東洋文化」にあって、価値観のコンセプトは「話では通じない」から「身体で悟らす」ことを目指したのだと言う。」ということにも通じるのではないかと思ったのだ。

アカデミー賞受賞理由のヒントは、ちょっと神秘的な文化の違いを魅力的に描いたからなのかと感じた。

チェリストとして、納棺師として いずれも“プロの職業”として見えるまでに技を習得してしまう、俳優としてのプロ意識が凄い。ものすごい観察力で、その本質を見抜く力を持っているんじゃあないかと。

様々なプロが集結しての作品。

そしてそのメッセージが日本から世界に発信されたことは、アメリカの「チェンジ」の賜物かもしれない。

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2009年2月27日 (金)

意匠展にて

Dscf3698

お昼から外出のため外に出てみると大きな牡丹雪が降っていた。
地下鉄の駅まで歩いているうちに手がかじかんでしまうほど寒い日だった。

夜は「意匠展」へ。

千葉大学工学部デザイン工学科意匠系
2008年度 卒業研究・卒業制作展「意匠展」

2008年2月27日(金)〜3月2日(月)
11:00〜19:00(最終日のみ17:00まで)
六本木AXISビル4F AXISギャラリー

入場無料

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1週間前を切った先週末に案内が届いた。
初日の夜は卒業生限定の「OB・OGナイト」 ささやかなパーティを開催しますと.案内が同封されていた。 今日の朝になって同級生10名くらいに誘いのメールを出してみた。。。。
返信と電話で3人と会場で会うことに。

会場では懐かしい顔、そしてデザインの大御所もちらほら。
天候がよくないこともあるのか、予想外に少ない人にちょっと残念。
もう少し早めに案内を出せばもっと盛況だったろうに。
でも、こういう機会を設定してくれた現役に感謝。
ここ数年で最も元気と企画力に優れた卒展だ。
全体の雰囲気は、デザインの根拠が明確に示されているという意味では特徴があり、多くのデザイン系の卒展の作品展示とは一線を画している内容だと実感。

肝心の卒業研究、作品を見るのもそこそこに学生時代に教えていただいた先生達や知り合いの先輩、私のメールで駆けつけた同級らと話込んでしまった。
現役の学生さんには随分と気配りをしていただいたのに実は全く話もアドバイスもしなかったいけない先輩です。

会場では1時間ちょっとで閉場になってしまったので同級生3名と2次会に。
そこにK学院大のM月教授とS大学院大学のK澤教授が合流。
久々対面、初対面もありながらデザイン談義に華が咲きまくってしまった六本木の夜でした。

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2009年2月26日 (木)

恵比寿映像祭

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第一回 恵比寿映像祭 オルタナティブ・ヴィジョンズ ”映像体験の新次元”

2009年2月20日(金)〜3月1日(日)
10:00〜20:00
東京都写真美術館 全館

入場無料

主催:東京都/東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/日本経済新聞社

年に一度、10日間にわたり東京都写真美術館全館を使って、展示、上映、ライヴ・イヴェント、講演、トーク・セッションなどを複合的に行うことを通じて、 映像分野における創造活動の活性化と優れた映像表現やメディアの発展を過去から現在、そして未来へといかに継承していくかという課題について、今あらため て問い直し、対話を重ね、広く共有する場となることを目指します。

 一昨年までこの時期はメディア芸術祭がここ写真美術館で開催されていて、大勢の人で賑わっていた。それが国立新美術館に移ってしまったので、後釜として企画されたのだろうか。14作家23作品の展示と20作品の上映、5つのライブパフォーマスで構成されている。入場無料で20時までやっているので気軽に立ち寄って楽しめる。ただ、ちょっと散漫な雰囲気。始まったばかりだから、これから回を重ねるに従って、充実していくことだろう。

3階い入ってすぐにアンディ・ウォーホルの「スクリーン・テスト」シリーズがずらりと出迎えてくれる。薄い液晶テレビが60年代のフィルムによる動画作品を絵画の様に比較、俯瞰して鑑賞できるクールな展示を可能にしている。
それと対象的なのが宇川直宏氏の作品[DALY PSYCHIC TV / EMPEROE'S DEAD] 2003。我々の世代が懐かしいテレビ付きラジカセ、テレカセ? WATCHMANなどポータブルテレビをを4畳半に50台くらいぎっしり並べて、その小さなブラウン管(カシオのTV−6000は液晶)に昭和天皇崩御前後の報道映像がループで流れていた。そこには昭和から平成へ移り変わる頃の日本のメディアが凝縮されていた・・。

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2009年2月22日 (日)

原点に気づく

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子供の習字展? ではありません。

場所は「西千葉」。
昨日、大学の研究室の同窓会があった。その名も「第一講座会」。

受付を済ませるとすぐ横に硯と筆が置いてあり、
スタッフの現役学生さんから「一言」と言われたままに筆を執った書。
学生時代に学んだことから社会人となった今に至るまでの思いを書いたものです。
会場の講義室の一番後ろに貼り出されると結構壮観。

今回のイベントは、助手時代から40年間にわたりその研究室を支えてきた教授が昨年3月に定年退官され、今年1月に後任の教授が着任されたそれぞれのお祝いと報告を兼ねた会ということで、全国、いやいや留学後中国、韓国、台湾、インドネシアの大学で教鞭を執っている人から、現役の学生さんまで100名余が参集した。
場所もホテルの宴会場とかなんとか会館じゃなくて、まさに私たちが学生時代に講義を受けた殺風景で古い講義室。
飲食も主婦5人が運営しているおふくろの味を売りにしたケータリングと留学生による故郷の味というまさに手作り感溢れる趣向だった。

この研究室の源は、芸術と工学の総合という理念を具現化するために設立された九州芸術工科大学の初代学長に栄転された小池新二先生に発する。
ちょうど在学中に小池先生が逝去され、その凄さを何も知らないまま「先生の蔵書を図書館に贈呈することになったから、ご自宅に行って運び出すのを手伝え」と恩師の言われるままに研究室全員で小金井のご自宅を訪問、ものすごい数の本の搬出に汗を流したことが懐かしい。
現在も大学の図書館には「小池文庫」として和書・洋書合わせて7000冊の所蔵図書が保管・公開されているそうだ。

昨日はその小池先生の後任として着任され、7年間在籍された文化人類学の大給(おぎゅう)先生が冒頭に30分の特別講義をされた。
ちょうど入学前に開設された国立民族博物館にご栄転されたので、直接講義を受けたことは無い。大給先生直々に指導を受けた大先輩達も多くいる中で、御年80歳ということで、もう皆さんの前で話すことはないだろうから、今日は「遺言」代りにデザインに関し「言っておきたいことを言います」と矍鑠たる姿勢で熱く語られた。

いまだからこそ響くのかもしれないが、その内容にとても感銘を受けてしまった。この会に参加してよかったと思う瞬間だった。

以下、その要旨を自分のためにもメモしておく。

テーマは「人間再認識のデザイン」
先生は大学で最初に経済学を学び、そこでは「損ー得」と「期待ー不安」の2軸で物事を語れてしまうことに疑問を持ち、心理学を学んだそうだ。そこでは、統計学が主で、「個人が消えてしまっている」ことにまた疑問を持ち、人の精神性を探るために文化人類学を究めたのだった。その方が小池先生に請われて、デザイン概論を講義する立場になった時の話をされた。

要は文化人類学の社会調査を工学部のデザインの分野に持ち込んで、「デザインサーヴェイ」という演習を始めたのだそうだ。その心は、概念を言葉で定義する「西洋文化」に対し、定義がなくとも伝わる茶道のような「東洋文化」にあって、価値観のコンセプトは「話では通じない」から「身体で悟らす」ことを目指したのだと言う。
工学部のデザインで「ユーザーのことを身体で解った人間を育てる」ために始めたのが「デザインサーヴェイ」。今で言う「オブザベーション」だ。

「わかった」ということは「身体で納得すること」。
「デザインサーヴェイ」というのは「相手の心を知ること」
デザイナーの仕事は「心療内科」のようなものです。
人の持つ悩みを解決してあげることですから、とも。

そして、デザインは情報文化の一部を担っているのだから、
中学生なんかに「情報」って何ですか?と聴かれたら応えられなければいけない。
「情報」とは「知りたいこと」「知らせたいこと」。
それをデザイナーは作品としてきちんと表現できなくてはいけない。
今は情報が多すぎて機能していない時代だからこそ、デザインが必要なのです、と。

そして、最後に、「生きていくのには衝撃が必要。その衝撃で明日から生き方が変わるから。階段を上るエネルギーをいつももってください」と締めくくられた。

大給先生にとって人生の7年間でありながら、デザインという全く未知の分野に踏み込んだ衝撃が後の人生にとてつもない影響を与えたのだそうです。

デザインとは異分野の大給先生を連れてきた小池先生の先見の明には、「異花受粉」という考えがあったという。その他にも、人間工学、材料工学といった専門家を引っ張ってきて、現在の礎を築いたのだ。デザインの本質は人を中心とした「広大な視野と十分な科学的教養をもつ」ことだという原点は、今のデザイン教育にも通じる。

学生時代、もっと学んでおけばよかった と思うのはいつの時代の人も同じか。

関連記事:Information Design!? 工業意匠学科教育方針(昭和24年)

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2009年2月16日 (月)

岩井俊雄の特別授業

Dscf3585

「岩井俊雄」氏と言えば、 我々の世代はフジテレビの 「ウゴウゴルーガ」のCG、キャラクターデザインがまず頭に浮かぶのではないだろうか。何せ斬新で衝撃的だった。

最近ではヤマハから発売された電子楽器「TENORI-ON」の作者として有名。

身近では東急電鉄のマナー広告シリーズ「どっちがへん?」で楽しませてもらっている。

今は第7弾「大きな荷物」編が掲出されている。

昨夜、その岩井俊雄さんが、ご自身の娘さんが通う三鷹の小学校での
「メディアアーティストとしての集大成だ!」と意気込む授業の様子がドキュメンタリーとして放映された。

NHK教育テレビ ETV特集 2月15日(日) 22:00〜23:30

「目覚めよ身体,感覚の宇宙 〜メディアアーティスト岩井俊雄の特別授業」  

kamihira_blogの「今夜のETVは必見!」というエントリーで知って、N饗アワーのあと引き続き教育テレビを見続けた。チャイコの悲愴の演奏に「感情移入が足りん」などとブツブツ言っていたと親父が、今度は画面に食い入るように見ている。そんな私に釣られて、結局途中から家族全員が次はどうなるんだろう、 なるほどお、と大いに盛り上がって覗きこんでいた。

特に岩井さんのパラパラアニメコレクションが次々と披露されるたびに子供達はすご〜〜いと歓声を上げる。

番組の内容は、「物作りからデジタルへの架け橋」をテーマにしたオリジナルアートを作る授業の様子を追ったドキュメンタリーだ。岩井さんが学校の中に在る道具を使いながら、できる限りハイテク機材には頼らずよりシンプルにすることで原理や仕組みが子供達にも理解しやすく、かつ創造性が引き出せるよう、そして小学校1年生から6年生までそれぞれに応じた異なる内容の授業を組み立て、そして実際の子供達の生き生きとした表情、楽しい作品が生み出される瞬間、そこで得た子供達の経験、大人の教訓が描かれている。

子供たちが興味を持つ、飽きずに面白がる、すぐに出来ちゃったり、逆に難しすぎないように ワークショップを組み立てていくプロセスでは、職員会議でのプレゼンで苦労する様子から 支える家族への弱音、本音までが映し出されていて 「メディアアーティスト岩井俊雄」の素顔、人となりまで垣間見ることが出来たのがよかった。

汗だくで奮闘する授業風景に自主企画としての並々ならぬ思い入れを感じたが、そのすべてが終わった後、 仲良くなった子供たちと校庭で鬼ごっこして足が付いていかず派手に転んだ様は なんともカッコ悪いけど、ジーンとくるほど充実感に溢れていたとても良かったです。 自分が楽しければ子供たちも楽しいの精神だ。

ちょっとショックだった場面は、 一年生の担任の先生事前打ち合わせの際、岩井さんからの提案に対し、それは難しいといった理由。
「最近の子は絵を自由に描かないんです」と言ってたこと。
「私たちの時代は、自由に描いていいっていうと「わ〜〜っ」て言う感じでしたけど、 今は親御さんの意識が、お絵描きは楽しむことじゃなくて習いごとであって、子供達も上手にやって点数をもらうように出来るけど自由には描いたりしない、と・・・。

答えをすぐ求める、自分で考えようとしない、
というのは何も子供の世界だけじゃなくて、会社の中でも多くの従業員がそうなっていると感じることも多い今日この頃なので、驚きはしない。しかし 、そういう大人の影響を子供たちがもろに受けてしまっていることがショックだった。

でも全然心配することなく、最初は戸惑っていたもののみんな楽しそうに描いていた。
先生も親の要望に応えなきゃって大人が勝手に枠にはめているんじゃないかな。
楽しいと思うことをきちんと伝えてあげれば、ちゃんと自分で考えて表現したりするんだなあと再発見。

メディア芸術祭でも「佐藤雅彦氏」のところだけ群を抜いていたと思ったが、岩井氏も凄い。「子どもたちのいまと未来を考えてもらうきっかけとして広めたい」という思いをこのような企画として自らの行動力で実行し、地元の小学校と言う地域社会から、ブログでの発信、テレビ番組としてしての全国放映、自身の講演での番宣という積極的な発信に昇華させてしまうところが。

最後の子供たちのメッセージ「今までで一番うまく絵がかけました」「リベットくんをお母さんの誕生日に作ってあげようと思います」などなど、「課外授業 ようこそ先輩」で培ったノウハウをたっぷりつぎ込んだ テレビマンユニオンらしい、地に足の付いた感動をじんわり伝える番組の作り方はさすがだと思った。

NHK教育 ETV特集のコピーは
「考えるヒントを提供する「心の図書館」です」だ。
的を得ている。

見逃した方、再放送は必見ですよ。

多分1ヶ月くらい先です。

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2009年2月 6日 (金)

メディア芸術祭

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第12回文化庁メディア芸術祭

2009年2月4日(水)〜2月15日(日)
(2月10日(火)は休館)
10:00〜18:00(金は20:00まで)
国立新美術館
入場無料
主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会

接写しなければ撮影可です。

金曜の夜に仕事を切り上げて19時から閉館20時まで駆け足で見てみました。
全く時間が足りません。
あらためてもう一度行こうと思います。

今年は順路も整備されていて、クオリティも高いと感じました。
閉館間際ほど混雑してきて、来場者はかなり若い人に限定されているの印象。

もっと多くの、そして多様な世代がくるべきなのだと思う次第。

アート部門
Oasis II
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皆、ディスプレイの現象に気を取られて、センサーの存在に気がつきません。

Flow 5.0
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大賞の「Oups!」 ぜひ主役になって体験を。
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マンガ部門
大賞は「ピアノの森」
私が非常に気になっていた、さそうあきらの「マエストロ」は優秀賞だった。
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エンターテイメント部門
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大賞の巨大TENORI-ON どのゲームも順番待ち・・

Level Head
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先端技術ショーケース
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風の音楽
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2009年1月26日 (月)

音楽は取り扱い注意

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朝、緑道脇のツツジに粉砂糖がまぶされていた。ウソ。
湿度が高く、急激に気温が下がると起こる現象。

夜、とあるデザインの勉強会で千住明氏の話を聴いた。
テーマは「音楽と感動」
"人は「音楽」によって感情を大きく揺さぶられ、感動を覚える。 それは「音楽」が、人の野生や本能に直接届く、大きな力やメッセージを持っている からに違いないから。"

まずは音楽を「静寂」と「静寂」の間と定義。
そして西洋における時間の創作物は「時間芸術の三角形」のバランスで安定感をもたらせるが、花鳥風月どこでも音楽にしてしまう日本人は官能で聴いている、という話を料理にも例えながらのエピローグでぐっと引き込まれた。

そしてクラシックのようなアカデミズムが「人と違うこと」を表現で追求してしまっていることに対し、POPS ROCK JAZZといった実用的な音楽は「世間から求められている音楽」を「計算し尽くされたエンターテイメント」として 楽しい、きれい、感動するを提供することだと、ドレミの音の性質を実演しながら解りやすく解説してくれた。
そう、「勉強しただけでは人の心をつかめない」「音楽は語学、基礎の上に才能X努力」「今 話題な作曲家たちは、音楽理論を勉強していなくとも努力を人一倍している。才能があっても努力しない人は話題にならなくなる」という話は、職人を自認する実力派としての説得力のある言葉だった。

「本当にいい音楽」をスティビーワンダーは「2〜3000回聴いても飽きない音楽」、クインシージョーンズは「自分のチキンスキンに聞くのさ(鳥肌がたつかどうか)」と言ったそうだ。
結局、メジャーとなるのは自分が持っているゆるぎない感覚、ということだ。それはプロとして必要な資質なのだ。

ご自身が作曲家になられた経緯や学生時代から始めたCM音楽、大きな転機となったピアノ協奏曲「宿命」、一昨年の大河ドラマのテーマソング作曲のプロセスも示唆に富み、ユニークで面白かったが、原点がアルヴォ・ペルトの様に、聴衆の耳を育てる日本人を目指す、というところにあったと話を聴いて繋がっていった。

質問も冴えていた。
美しいメロディを生み出すことはもちろんだが、千住氏の特徴でもある豊かなオーケストレーションの秘密は?という問いは的をついていた。
話の中で、基礎として芸大で400〜500年の歴史のクラシックのすべての時代のスタイルを勉強して、どんなスタイルでも書けるようにしたと言っていた。そういう引き出しがあるからだろう、オーケストレーションの応えは一つであり、あのスコアの並び順がそうできあがっているのだ、料理の「さしすせそ」みたいなもの、という答えだった。

そして最後の質問が、「次世代を育てるために伝えたいことは?」
答えは「聴く環境を整えること」
興味を持ったら導くことが大切で、強要してはいけない。
刺激だけを追い求めて、大音量ばかりで聴いたりという身体に悪いものは聴かせない方がいい。同世代以上の音楽家では、大音量の音楽に浸っていたばかりに高温が聴こえないなど難聴に苦しんでいる人が少なからずいる、そうならないように。ということも忠告されていた。

千住氏にとって音楽は「人の感情をコントロールしていること」に気づき、「人に寄り添うことが出来るもの」ということを実感しているそうだ。

だから今日のキーワードは「音楽は取り扱い注意」だった。

デザインのヒントに十分なりえる示唆に富んだ、非常に興味深い内容だった。

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2008年12月27日 (土)

Gangu Project

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本日、年内最終の出勤日。半ドン(死語でしょうか・・)。
少しでも経費削減、ということで、連休中のPCモニターの待機電力ももったいないとLEDランプをチェックしてまわり、会議室のホワイトボードのコンセント全部抜いてボスとともに最終退出。

疲れた頭を充電しにAXISギャラリーに。
六本木は歩道も道路もガラガラ。
待ち列が出来ていたのは「つるたんとん」だけ・・・。

IAMAS Gangu Project

 2008年12月25日(木)~ 27日(土)
11時~19時(最終日は17時まで)
AXIS Gallery(東京・六本木)
主催:IAMAS(情報科学芸術大学院大学)

会期が短いのでこのエントリーをお読みになる頃は終了しています。
昨日の昼休みに覗いて、昨夜エントリーしようと思っていたのだけれど適わず。

もっと早く教えてよ〜、と思った方すみません。このブログは私の備忘録みたいなものですから。

”「ガングプロジェクト」は、IAMASにおいて2005年から始まったプロジェクトです。情報技術を活用した新しい電子玩具についての制作・研究を行いつつ、そのデザインプロセスを通じて、独自のプロトタイピングメソッドを探求・確立することを目指しています。

「ユビキタスとコンテンツ研究プロジェクト」はフィジカルコンピューティングや無線通信モジュールを活用したユビキタス環境の実現に関する研究を行っています。

今回は、これら2つのプロジェクトからなる研究領域で現在進行中のプロトタイプなどを展示します。また、会期中にはフィジカルコンピューティングに関するワークショップも行います。”(公式HPより)

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平たく言ってしまえば、何らかのセンサーを使ってインタラクティブな経験ができるアートをプロトタイプとして制作し、遊んでもらうことで検証してステッップアップさせていこう、というアクティビティの実践だ。

大人も子供もガングに夢中です。
遊んでいると学生さんスッと寄ってきてくれて説明してくれるのがいい。”ガング”だからとにかく触って楽しんでなるほどなのである。奥ではワークショップをやっていた。

素晴らしい展示会なのに、人がまばらだ。IAMASの認知度が低いのか、年末というタイミングがよくないのかなあ。もったいない。
大垣は遠いけど、東京の都心でこのようなクオリティの高い学生によるメディアアートの試みに一般の人々が接することができる機会は貴重だろうし、デザイン系や情報系のもっと多くのが学生さんが来場するとお互いの切磋琢磨になると思った。

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そのうちの一つだけ紹介。

JAMMING GEAR(ジャミングギア)は、様々な大きさの異なる歯車を組み合わせて、音楽を演奏する楽器だった。一つ一つ独立したユニットに大きさの異なる歯車を付け、1周回るたびに1フレーズの音楽が繰り返されるのだが、それらの歯車を組み合わせることで、複数のパートからなる複雑な音楽を自由に奏でることが出来るシステムだ。音楽のパートと時間(テンポ)を歯車という視覚であらわし、音楽の広がりを感覚的に実感できるところがとても興味深かった。一番商品化に近いところにあるのではないだろうか。

 

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2008年12月24日 (水)

宗教観

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六本木の街は人で溢れ返っていた。
東京タワーのイルミネーションは大人気!

週末に録画でNHK BS Hivisionの番組「アトムの世紀~夢のロボット開発に挑む科学者たち~」を見た。日本のロボット・ブームを語る際には、手塚治虫氏の「鉄腕アトム」がしばしば引き合いに出される。先日の爆笑問題の番組もしかりだ。(千葉工業大学・未来ロボット技術研究センターの古田所長の回)。宗教観から一般論として欧米人は人型ロボットを作ることに対し忌避感が強いという。もうひとつ、アイザック・アシモフの「ロボット三原則」で有名な、「わたしはロボット」(1950年)の影響も大きいのだろう。日本人は何にでも心が宿っているという八百万の神を拝む宗教観や、手塚治虫氏が「鉄腕アトム」(1951年)に混めた「ロボットは友達だ」というメッセージの影響から人型ロボットにはあこがれや、未来、親近感を抱く ことができるようになったのだろう。それから続く「ドラえもん」「ロボコン」「マジンガーZ」「鉄人28号」・・・という影響も抜きには考えられないだろう。
日本でもアトムに憧れてロボットの実現を目指した同世代が、今や人型にこだわらず、人の役に立つロボットの研究にシフトしているロボット開発の最前線を紹介していた。
さて、これからロボットはどのように進化して行くのだろうか。

武蔵工業大学の小池先生もPaPeRoの紹介で、幼稚園児の映像にインタビューに答える形で声だけ出演してました。

そうそう、「働く」という意味も、「労働」という言葉は聖書で「苦役」を意味するので、欧米人は仕事に対して償いや罪といった暗い意識を持っているということを読んだことがある。
労働する必要のないエデンの園で罪を犯したために、そこから出て人間はこの世界で働いて罪を償わなければならなくなった。
一方で、日本人にとって働くことは一種の自己実現であり、創造だという労働観が存在しているのだという。現代になってその価値観が変化していることは言うまでもないけれど、大きく根本的なところでは 古い労働観に縛られているところもあって、欧米や若い世代とのすり違いも起こり始めているのだろう。

そこは考え直したり、受容性を高めたりして行かなくてはならないのだろう

クリスマス・イブをイベントとして楽しむことが出来る日本人って
と六本木駅までの途中にあるカトリック教会の前を通って、
宗教観について改めて考えてしまった。

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2008年12月21日 (日)

プリントゴッコに感謝

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子供達は今年もプリントゴッコで年賀状を作った。

今も手元に残っているプリントゴッコで作った年賀状の一番古いものは1987年の卯年のデザインだった。我が家の黄色いプリントゴッコB6セットは多分20年以上使用していることになる。長女が最初にプリントゴッコで年賀状を作り始めたのが1999年、次女は2002年からだ。以来、毎年この時期になると、新聞紙を広げてぺったんし、乾くまで一部屋年賀状に占領される。版下、製版、印刷というシルク印刷や色の調合の仕組みをこれで実感して学んだと言えよう。2版を組み合わせた凝ったデザインをした年もあったが、1版でいかに多色で凝ったように見えるかのコツも覚えたようだ。

プリントゴッコは今年の5月30日に本体の販売終了が発表された。
一番よく使う赤いインクが足りなさそうだ、というのでパーツの販売を継続している東急ハンズに行ってみたが、既にランプは売る切れで手に入らなかった。マスター、インクはまああるが、ランプがなくては製版が出来ないので今回が最後の制作になるだろう。

プリントの「ごっこ」という遊びに託したネーミング、年賀状作成という日本の風習に合わせた消耗品ビジネスは一世を風靡した。パソコン、インクジェットという個人向けプリンタの普及とケータイ、メールによる年賀状そのモノの減少に、とうとう退場である。

日本の様式美、形式美と言ったら言い過ぎかもしれないけれど、便利さや合理性であれば今はいくらでも手段がある中で、自分で考え、表現し、作り、そして元旦に年賀状が届くということ、新年の特別な節目にお互いのことを思いやる気持ち、それを子供達に教え、それぞれが学ぶことが出来たのもプリントゴッコのおかげと感謝したい。

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2008年12月 7日 (日)

誕生日にドキュメンタリー

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昨日は誕生日でした。

渋谷で映画を2本、見てきました。

午前中から妻と二人で
ベルリン・フィル 最高のハーモニーを求めて
(渋谷 ユーロスペース 1月下旬まで) 

夕方からクラブ活動を終えた娘二人も合流して
ブロードウェイ♪ブロードウェイ  コーラスラインにかける夢
(渋谷 Bubkamura  ル・シネマ 1

ドキュメンタリー映画ばかり2本。

どちらも世界最高レベルを目指し、
その期待に応えるために、
一人の芸術家として、そしてまた一個人として、
苦悩、葛藤、至福の歓び、幸せなど
人生にひたむきに取り組む姿の事実をリアルに描いているので
とても感動的でした。

いずれも邦題は内容が推測しやすいのですが、
原題に大きな意味のあることが、映画を見てはっきりと理解できる。

前者の原題
TRIP TO ASIA  The Quest For Harmony

指揮者のラトルが演奏会で味わえる至福の歓びを「絶対に絶つことのできない麻薬だ。
生涯、中毒患者でいたいと思う」という語りが、ドラッグのTRIPに引っ掛けていることや
入団試験からはじまるオープニング、その結果を伝えるエンディング、
このツアーを最後に対談する団員と試用期間の団員との対比、
伝統と創造、仕事と使命、続けることの責任など、
輪廻という思想をアジアに重ね合わせて描こうとしたのではないかと思わせる。

おりしもサー・サイモン・ラトル率いるベルリンフィルハーモニー管弦楽団が
11月23日〜12月1日まで来日公演をしていた。
日本でのコンサートはチケットも高額で入手もなかなか難しい。
しかし、28年前にベルリンのフィルハーモニーホールで
圧倒的なパワーと強烈な意志、完璧なアンサンブルに溢れる
ベルリフィルのサウンドを聴いた時の衝撃を忘れることが出来ない。
指揮者のマゼールとフィッシャーディスカウが歌うサブプロも含めて、
同じ人間が奏でる音楽とは思えなかった。
世界最高峰の集団といえども結構普通の人たちだ
ということを描いたこのドキュメンタリーは、
誰もが少なからず仕事、会社、家族の中で、 
自分自身の自己実現や 承認欲求、所属欲求のバランスを探し求めながら
生きているということでは同じなのだ、ということを教えてくれる。

後者の原題
EVERY LITTLE STEP

劇中歌の有名な歌詞に因んでいて、
まさに映画のいいたいことそのものですね。
興行的に多くの人に見てもらいたいから、と邦題を作るのでしょうが、
逆にかなり損をしているのではないかと思う。

中でもポール役のオーディションでの演技は圧巻だ。
これを見るだけでもこの映画を見る価値がある、と見た人は皆思うことでしょう。
すごいですよ、とにかく。プロの役者というのは・・。

この再演のワールドツアーが、2009年8月に来日公演するらしい。
(TBS/Bunkamura)
日本って、東京って凄いなあ。

誕生日にこのような映画を見るのもある意味意義深い。
生きていくことに元気が出ます。

そして誕生日に家族達と ゆっくり1日過ごせる幸せも実感できました。

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2008年12月 5日 (金)

Open House

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昨日、社長のnabeさんから メールで突然ご案内をいただいた
PROTOTYPE & MONGOOSE の オープンハウス。

20時に仕事のけりをつけて、忙しそうな今年の新入社員のサミトくんを誘い連れ出して駆けつける。

といっても地図をロクに確かめもせず、小田急の世田谷代田で降りて
適当に住宅地を歩き回って迷うこと30分。
京王線代田駅からの地図だったのかと気がついて、
やっとたどり着いたところは、ここが東京の世田谷であることを忘れてしまうような
樹齢を重ねた木々の間にテラスハウスが佇む、
ヨーロッパのリゾートホテルを思わせる一角がこつ然と表れた。

実はその直前にはホイチョイプロダクションが入っている羽根木の森に迷い込んでいた。
そこも素敵だったが、PROTOTYPEさんが1年間に引っ越したし事務所は、羽根木インターナショナルガーデンだった。ここの建築は 安藤忠雄氏の3人兄弟の末の弟である北山孝二郎+K計画事務所の設計だ。その内部に入れるだけでもワクワクする。

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ダイニングでワインとチョコレートフォンデュで冷えた身体を温めながら、ちょっとMONGOOSEのメンバーと歓談。
昨日徹夜して、iPhoneをがナビゲーターに使った肝試しを企んで制作していたそうだが、間に合わなかたのだそうだ。
その中の一つ  Switchシリーズの新作をなんとか復帰させて実演してもらう。
ちょっと、感動!
スタッフに笑顔が広がる。
インタラクティブなので、いくら文章で説明してもその場で体験しないと、その面白さは実感できないので省略。

その後、nabeさんに作品を一つ一つを丁寧に説明してもらいながら回る。

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2006年の 100% design tokyo に出展され、今やMONGOOSE STUDIOの代名詞、看板商品でもある 座ると光る椅子 fuwapica をはじめ、プリントして見る時計「TYPE TIME」 は とても詩的な作品だったが、それに続く新しいプロトタイプもすべてウイットに富んだ遊び心、そしてポエトリーな佇まいを最新のサイエンスを自分たちで手作りで実現してしまう志が凄い。。

冒頭の写真は、進化したRGBy の最新作。
演出や、プロダクトしての佇まい、構成、何よりその重量バランスのこだわりが素晴らしい。

他にも、何もない空間からしずくが落ちて波紋が広がる水盆は
磁性流体を何気なく上手く使った表現に感心する。

そしてまさに本邦初公開のプロトタイプであった風で光るカーテン。
この新作が今後どのように進化していくのか、楽しみだ。

私と多分同世代のnabeさんの経歴は、その時代の先端技術で感性の表現を試みてきたパイオニアだ。そして今、若い世代へビジネスとしての仕事と、新しい表現の可能性を追求する場を与えるプロデューサーとしての役割を見事に果たしているその姿勢は尊敬に値する。

ちょっとお疲れの脳みそと身体に 新鮮な刺激をたくさんもらえた。

帰りに環七のラーメン激戦区で、おいしいラーメンも食べられて、満足満足。

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2008年11月25日 (火)

二つの気になる企画展

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今月から始まったとても気になる展示会 二つ。

でも ちょっと遠くて、そう簡単には行けそうもない。

杉本博司「歴史の歴史」

2008年11月22日(土)〜2009年3月22日(日)
10:00〜18:00(金・土曜日は20:00まで。2009年1月2、3日は17時まで)
休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開場し、 翌日火曜日が閉場)
    12月27日(土)〜1月1日(木)

会場:金沢21世紀美術館

出品作品:約180点

料金:一般1,000円(800円)、大学生800円(600円)、
   小中高校生400円(300円)、65歳以上800円
   ()内は20名以上の団体料金及び前売りチケット料金



純粋なる形象
ディーター・ラムスの時代ー機能主義デザイン再考

2008年11月15日〜2009年1月25日
10:30〜19:30(最終入場は19:00まで) 
休館日:毎週月曜日(但し、11月24日、12月29日、1月12日は開館)、12月31日

会場:大阪市 サントリーミュージアム[天保山]

料金:大人1000円、高・大学生・シニア700円、小・中学生500円 
   ※シニアは60歳以上


東京にいると、横浜を含めて様々な展示会に気軽に足を運ぶ環境にあることを
知らず知らずのうちに当たり前のようになってる。

上記2つの展示会は、「わざわざ」足を運ぶに価値のある企画展であると思う。

「歴史の歴史」展は 2003年に銀座のメゾンエルメスを皮切りに、
ニューヨーク、ワシントン、トロント、サンフランシスコと世界巡回しながら
量、質ともに規模を拡大しての凱旋帰国だ。

そして、「純粋なる形象」展は、個人的にもそのデザイン哲学に心酔している
ディーター・ラムス氏の大規模展である。
2005年の秋にAXISギャラリーで
「ブラウン展ー形を超えたデザイン」が開催されたが
それとは比較にならない規模のようだ。

幸いにして 東京展も来年初夏に開催される予定らしい。

東京展:府中市美術館2009年5月23日(土)〜7月20日(月)(予定)

氏の「良いデザインの10の原則」を知らずしてプロダクトデザインは語れないだろう。

Good design is innovative.
良いデザインは、革新的である。

Good design makes a product useful.
良いデザインは、製品を有用にする。

Good design is aesthetic.
良いデザインは、美的である。

Good design makes a product understandable.
良いデザインは、製品を分かりやすくする。

Good design is unobtrusive.
良い製品は、押し付けがましくない。

Good design is honest.
良いデザインは、誠実である。

Good design has longevity.
良い製品は、恒久的である。

Good design is consequent down to the last detail
良いデザインは、あらゆる細部まで一貫している。

Good design is environmentally friendly.
良いデザインは、環境に優しい。

Good design is as little design as possible.
良いデザインは、できるだけ少なく。



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2008年11月15日 (土)

たくさんのヒント

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薄曇りで温かい土曜日の午後、公園の落ち葉が美しい。

デザインプロセスの合理性や貢献を論理的に説明し、
明確な成果を示したり、未来や可能性の明確な方向性を示すには?
モチベーションを高めたり、既存の枠にとどまらない成果を達成するための
チャレンジグな目標や新しいHowに気づくには?

今日は そんなヒントを得るために
第2回情報デザインフォーラムに個人的な勉強で参加してみた。

場所は横浜/山手ゲーテ座ホール。
週末の午後、みなとみらい線元町・中華街駅から急な坂を上ってたたどり着く港の見える丘公園は、カップルや結婚式の2次会に向かう正装のヒト達、観光客でにぎわっていた。
観光地としての山手ゲーテ座は知っていたが、
ここにこういうイベントでくることになるとは全く想定外であったし、
こういうことでもない限り
この建物が横浜の岩崎学園の所有であることも知らなかったろう。

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こじんまりとした定員110名のホールは、
天井と床が木、壁が石材という天然素材の落ち着いた内装で、
室内楽に最適と思われる音響のホールだと思った。

今日はここで情報デザインに関する短い講演と
夏に開催されたワークショップの成果報告が行われた。

実は、大きな期待をもつことなく
ヒントが得られればいいくらいの気持ちだったのだが、
とても収穫の大きな5時間になった。

はじめに京都工繊大 櫛先生の
「リフレーミングとビデオエスノグラフィー」のお話。
ナイサーの「人の知覚循環」モデルの紹介から
観察→洞察がフレーミングの繰り返し→リフレーミングであること
そしてこのリフレーミングこそ
「次元の異なる意味の定義」であり、「デザインに必要な行為」であるという。
「リフレーミング」、これはいい言葉だ。
そしてビデオエスノグラフィーによるフィールドワークの具体的な事例や
Howは、一度ぜひトライしてみようととても参考になった。

続いて富士ゼロックスHIDの蓮池さんの
「観察とプロトタイプを通じたデザインイノベーション」のお話。
具体的な内容は「人とドキュメント」の未来のデザインに詳しくある。
インハウスのデザイナーとして
公の場で話せることの制約のもどかしさもよくわかる。
またヒト、ビジネス、テクノロジーの三位一体の企業活動において
「いろいろ対応できる力をデザイン部門で持っていることが重要」
という締めの言葉に大きく共感してしまった。
学生さんにはちょっと実感湧かないだろうなあ・・と思う。

そして今日の主食。
横浜ワークショップに参加した7チームのうち、
6チームから成果報告がそれぞれ持ち時間5分ほどで
次々と行われた。
学生さんだけのチームの発表は、言葉使いからはじまり
何をいいたいのかまで 聴衆側が汲み取らねばならないことが多く
もどかしい場面も多かったが、
チームメンバーに社会人が入っていたり、発表が社会人や院生のチームは
それなりに面白い視点と
それをきちんと着地させようという姿勢が明らかに見えた。

これは勉強の場だから、成果であるインフォメーショングラフィックスのクオリティをとやかく言うのではなく、フィールドワークと成果までのプロセスを聴いて、そこで彼らが気づいたり、軌道修正した足跡を辿ればいいのね、と思って聴いていた。

しか〜〜し、この発表の後、
このワークショップの講師陣10名による一人5分ずつのコメントが
それぞれの立場、視点を端的に示していて、とても興味深いものだった。
短いコメントにこのワークショップの意味や課題、
そして今日の収穫が集約されていたと言っても過言ではなかったのだ。

それを忘れないうちに記録しておく。

1番手はチューブグラフィックスの木村さん。ユーザーの期待を超える意外性、面白さ、なるほど!という結果になっていないという厳しいご指摘だった。プロとして一定のクオリティの結果(今回の場合インフォメーショングラフィックス)を出してこそ意味があるという立場で、自身が講師としてアドバイスしたことがどうしてこのような丸まった成果になってしまったのか、講師の役割は何なのかを問うていた。凄い方だ。

イードの棚橋さんは、最近興味を持っていらっしゃる「用の美」の話をされてから、今回のポスターは、成果であるインフォメーショングラフィックスより「コンセプト」の方が端的に纏まっている、と思ったと。みんなに伝えたいことが、結果ではなく、コンセプトを作るプロセスだったからではという指摘だ。

はこだて未来大の寺沢先生の短い感想は、私の頭の中をかなりすっきりさせてくれたコメントだった。「火事場の馬鹿力の魅力」というものものも確かにあるが、本来「ちゃんとした綿密なフレームを計画した上でのリサーチ」があってこそ、ヒトを感動させることができるのだ、と。これって プロとアマの明確な定義にも当てはまるのではないかと私は思う。寺沢先生のおっしゃることは相変わらず深い・・。

櫛先生は、「画期的なワークショップだったのではないか。賞賛すべき」という参加者全員への労をねぎらわれていた。事実、私もそう思う。

武蔵工業大学の小池先生は、フィールドワークとは、「見た」だけではなく、参加者になってデザインの力で課題を解決して行くことが本来の醍醐味だという話をされた。
短い時間のフィールドワークだったけど、観察するだけでなく地域のヒトと話をすること、コミュニティにアクセスし、コミュニティに関わり、実践していくことを期待したい、と締めくくられた。同じ大学の研究室出身者としていたく共感。そう、これを実践していきましょう!

今日が入試だったということで、遅れて会場に駆けつけたばかりの横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生は、このワークショップに至る経緯、紆余曲折を詳しくしてくださった。箱を作るだけでなく、魂まで入れた舞台裏のご苦労がよくわかった。「走り出せば、何とかなる!」という言葉に共感しつつ、走り出すことの大切さと、いやいや、このイベントやフォーラムの活動は、数年後、10年後に振り返った時、とても大きな意味を持つと思った。

そして、体調を崩されて今日出席できなかった多摩美の吉橋先生の代理で、急遽壇上に呼ばれてしまった専修大の上平先生も 短くこのワークショップの熱気を語っておられました。

そしてトリを千葉工大の山崎先生がつとめ、「デザインはコンテンツとフォルムの関係を作っていくこと」というポールランドの言葉を紹介し、「未来は解らない、未来は創っていくもの」「変化していくことと、そこに参加していることが重要」と総括されていました。

その後、懇親会では、ワークショップのポスターも見ないで缶ビール一本片手に、上平先生、裏方を務めた武蔵工大の学生さん達や久々再会の元学生さん(今や立派なインターフェースデザイナー)とたくさん話をした後、浅野先生の計らいで講師陣の反省会に参加させていただいた。

夜の港の見える丘公園を通過してフランス山の小道をくだるおじさん集団は怪しい・・。

こういうメンバーだからこそ お互いの立場を尊敬し合い、
言いたいことを言い、高めあって行く楽しさが
このフォーラムの活動を支えているんだなということと
異種多才の人材交流から新しい流れが生み出されていくことを実感したのであった。

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2008年11月13日 (木)

MUJIの挑戦

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日本では無印良品。グローバルブランドとしてのMUJI。
その MUJI から
「すばらしい家具たちを再び「多くの人が使える、当たり前で良質の家具」として蘇生させる挑戦です。」 というメッセージとともに、トーネット社が1859年につくった曲木の椅子「NO.14」、バウハウスのマルセル・ブロイヤーが1920年代につくった曲パイプの椅子「B32」が、リプロダクトして発売されるそうだ。

MUJI manufactured by THONET

トーネットの家具というのは、曲木技術により世界で初めて家具のマスプロダクト化に成功し、もともと良い製品を大衆に届けるというのが目的であったはずだ。しかし今では1脚10万円以上となってしまって気軽にとはいかない。
それらを本来の合理的生産方法で、手の届く価格帯として売り出すというのは、MUJIの思想を体現した理にかなったことだと思う。

そして素晴らしいことだとさらに思うことは、トーネットやバウハウスを知らない、この椅子の持つ大きな意味を知らない、そして デザインに対して関心の無い人も、、MUJIブランド通してこれら名作家具に出会う機会ができるということだ。。

一方で、デザイナーやメーカーを伏せ、アノニマスなスパーノーマルでまさに「無印」なIブランドを構築してきたはずなのに、ここで、一気にトーネット社を前面に押し出してのプロモーションというのは、大きな変化も感じる。

消しゴムから住宅までのライフスタイル提案を一貫して行える巨大ブランドに進化した今、MUJIは歴史的な良品を MUJIテイストに焼き直して現代に提供するという新たな挑戦を始めたのだと理解したい。

アドバイザリーボードの良識と秀逸なプロデュース力をひしひしと感じる。

実物は MUJI ブランドで展開している 東京ミッドタウン、新宿、銀座松坂屋、有楽町の4カ所で見ることが出来る。
MUJIネットで先行予約受付中。
本販売は来年2月上旬だそうです。

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2008年11月11日 (火)

11月17日公開

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渋谷マークシティの京王井の頭線渋谷駅とJR渋谷駅をつなぐ通路。
その大きな白い布の後ろには うっすらと「明日の神話」が見える。

11月17日の公開が1週間後に迫る。

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2008年11月 9日 (日)

音楽と俳句

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忙しい、やりたいこととやるべきことが山ほどある、時間がない、
ちょっと疲れてきたし今日はいつもよりは少し早めに帰ってゆっくりしよう、
そういう時に限って、「○ちゃん、飲みにいこうよ」とお誘いがある。

ここのところ結局ほとんど週一でなんだかんだと
いつのまにやら5〜6時間、音楽を聴きながら、呑みながら
デザインとかデザインマネージメントとか話し込んでいる。

そんな先週の木曜日、酔っぱらって真夜中に帰ってきてみると
一冊の本が届いていた。
著者より謹呈とある。
私の好きな言葉が二つも並んでいるタイトル「時空のクオリア」に惹かれる。
が、さすがにその日は2〜3時間は眠りたいとそのままにした。
週末にあらためて「序」から少しずつ読み始めてみる。

実は以前に「光の槍」という句集もいただいたことがある。
俳句というわずか17文字の研ぎ澄まされた言葉の配置だけで
クラシック音楽が見事なまでの感性で凝縮されていた。
詩という言葉の世界から無限のイマジネーションを広げてくれる
「現代俳句」という芸術表現の世界があったのか、
と日本語の素晴らしさに戦慄を覚えた。

そして今回の本は、同じ著者による初のエッセイ集である。
かなり雄弁なのである。

著者は、私と同じ勤め先で、職場は異なるが大先輩にあたる。
以前 宣伝部にいらっしゃった頃、会議で席を同じにしたことがあるくらいで
お仕事を一緒にしたことはないので、名前を知っているというくらいだった。
それが、ある奇遇で繋がってしまったのだ。

この件は2006年9月26日のエントリーに書いた。

著者はあくまで一企メーカーに勤務する一人のビジネスマンである。
しかし、音楽に造詣が深く、エッセイ集とはなっているが、
かなり本格的な音楽評論であり俳句評論にもなっているようだ。
帯にはこう書いてある。
「無情に流れて行く時間を人生の喜びや憂愁に満ちた時間に変換する芸術」

クラシック音楽を聴きながら俳句を楽しみ、言葉からイマジネーションの世界に浸る。
新鮮な視点と表現に出会い、また新しい世界へ誘っていただいたこと、
そして、慌ただしく過ぎ去る時間の中で、少し立ち止まることを教えてただいたようだ。

著者の朝吹さんは紳士の中の紳士のような方である。
本社機能の大きな引っ越しを手伝われおられたが、
一段落した今は冷凍犀さんとしてゆっくりお過ごしのことだろう。

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2008年11月 8日 (土)

実物大の原点体験

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安藤忠雄建築展
「挑戦ー原点からー」

2008年10月3日(金)〜12月20日(土)
11:00~18:00(金曜日のみ19:00)
休館:日曜・月曜・祝日

ギャラリー間

入場無料

主催:ギャラリー間

「住吉の長屋」は安藤建築の初期の代表作、そして今回の企画展の題名にもなっている「原点」だ。それが原寸大模型で展示してあるというのが展示の目玉だ。
安藤忠雄の建築を教会、美術館、商業施設、最近では東急新渋谷駅などで体感できる。しかし個人住宅となると外観を見ることが出来ても、居住スペースのスケール感を知ることはなかなか出来ない。行ってみるしかないだろう。
日が暮れてからではいけないのだ。あの長屋の中庭がどんな具合なのか、お天気のよい昼間にぜひ行ってみたかった。金曜日、東京ミッドタウンでの打ち合わせにいく機会を利用して乃木坂のギャラリー間を訪ねた。

ビルの3階・4階にある、ギャラリースペースに幅3.3メートル、奥行14メートルの2階建 ての住宅がまさに埋め込まれていた。壁や階段の一部は本物のコンクリートで再現されているが、家具や設備は簡略化されながら多くはベニアで作られている。強度の関係で2階部分は回遊できないが、写真や図面だけでわからない建物のスケール感、狭小感、中庭からの光の入り具合がまさに実感できる。
施主の要望は3割しか聞かないという安藤氏。2階の寝室へ行ったり、寝室からトイレに行く時、雨の日には傘をささなければならないという導線はで伝説のように語られあまりにも有名だが、無 駄をそぎ落としたシンプルな構成美と、そこで生活をする住人が「何を喜びとするかは、そこで過ごすヒトの価値観の問題である」という安藤氏の言葉を確かめ、原点を体感できる好企画である。

他に10件程度のプロジェクトが、建築模型とともに紹介されている。

上の画像、ギャラリーが入っているTOTOの青いビルと左側のレンガ色のビルの隙間に、ベニヤ囲いのようなモノが見える。これが「住吉の長屋」の原寸大模型の外観である。
外に出っ張っているので、雨の日には、まさに中庭に雨が降るのだ。
原寸模型というだけじゃなくて、建築に相応しい展示方法を実現している。
小粒ながら自然と建築の共生を体現しようとする安藤氏らしいダイナミックな展示会だ。




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2008年11月 5日 (水)

アートパフォーマンス

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つい先日まで一緒に100%designの作品作り、説明員で大活躍してくれた
同僚Zさんの個展を飯田橋のギャラリーパウゼに見に行くことにした。

開場時間の11時30分ぴったりにギャラリーを訪ねてみると
なんと ギャラリーコンサートのリハーサル中だった。

二十五絃箏と鼓、エレピとパーカッションのオリジナルのアンサンブルを聴く。
(原曲はチェロらしい)
思わずブラボーである。

芸大の邦楽科と作曲科出身のプロ達なのだから
そのテクニックとセンスはさすがなのである。
なんとも新しいサウンドをライブで聴いてしまって鳥肌がたった。

ラッキーだった。

Zさんの奥さんの安土桃山時代の作という小鼓を見せてもらう。
朱色の麻紐と黒光りする桜材の胴のコントラストも鮮やかに
シンプルな蒔絵を見ただけで気品があり美しい。
楽器ケースがこれまたなんともクールで
そのアンバランスがまたカッコいい。

肝心の彼の版画にも
音楽を奏でる人たちを描いたダイナミックな構図と迫力
豊かな表情に圧倒された。

二十五絃箏の奏者の方のCDジャケットも彼の作品で
普段の会社での仕事ぶりからは想像できない才能を垣間みた。

ミニコンサートでは、中央のスクリーンに能を題材にした
Zさんの墨彩画がストーリーに沿って映し出され
その映像に合わせて即興演奏するという
絵と音楽のコラボレーションパフォーマンスをするのだそうだ。

1週間弱の個展開催中、今日の午後からたった1回のパフォーマンスだそうだが
Zさんが個展を開くといったら みんながじゃあそこで演奏しよう
と集まってくれたというのだから
すごいいい仲間をもっていてとてもうらやましく思った。

いや〜〜、新鮮な刺激と元気もらいました。

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2008年11月 3日 (月)

五日目

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朝から娘達の文化祭 二日目を見学。
学校に向かう途中でサンタさんがなにやら
飾り付けをしている。
11月の声を聞いた途端に街はもうクリスマス! 

子供の成長を確かめてから
夕方、100%designの会場に駆けつける。
今日も大変な人出だったようで
協力な助っ人お二人も既に疲れ果てていました。

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18時閉場とともに、一斉に撤収作業が始まった。
けっこう、終わりはあっけない。

ご近所さんとお疲れさまのごあいさつもそこそこに
作品を会社まで戻して
五日間の大人の文化祭も終了。

生まれたての技術をこれから育てていく
とても手応えのあった五日間になったようだ。

これからが新たなスタートなのです。

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銀杏並木で毎日FREEで配っていたDaily BRUTUS Casa も5冊そろった。
実は、全然中身を読んでいないので、これからじっくり読むことに。

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2008年11月 2日 (日)

四日目

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銀杏並木に開場前からただならぬ行列。
こ、こんなに今日はヒトが!
と思ったら、「早稲田 最後尾!」の看板。
早慶戦だったのね。

Dscf2581_2 朝から無風の快晴。
遅いランチを日のあたる桜球場の3塁側ベンチで食べる。

暖かい。



Dscf2588午前中はまばらだったが、ランチから戻ってみると若いZさんの 大きな声の名説明に、人だかりが絶えなくなった。

今年は、前に大きな壁があり 、裏原宿の長屋の路地のような通路なので 、ヒトが一列通る幅を確保する交通整理で大変でした。

18時を回る頃には急にヒトが少なくなり
みなさんにゆっくりご覧いただける状態に。

13時〜15時頃いらした方、大混雑ですみませんでした。
アイコンタクトやカンタンなご挨拶くらいで
ゆっくりお話も出来ずに失礼しました。

ブースが小さすぎる、
昨年のあれは一体どうなったのか、
夢を現実にするお仕事頑張ってください、
ほんとにいろんなこと最近やってますね、などなど
多くのご意見、励まし、お言葉もいただき
ありがとうございました。


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2008年10月31日 (金)

二日目

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外苑前駅から銀杏並木に入ろうとしたところで
走っている横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生を見つける。
お忙しい中来場いただいたのに会場にいなくて申し訳なく思う。
声をかけ、また今度、と握手を交わす。

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午後は ミッドタウンのDESIGN TIDE のメイン会場を
駆け足で見て戻る。
「布の建築」という会場構成の空気感が新鮮だった。

再び会場に戻って説明をしていると、
C 社、N社 F社、V社 K社といったインハウスのデザイナーが
入れ替わり立ち替わりやってきてくるので、つい話し込んでしまう。
商品化のデザインだけでなく、このようなプロトタイプに関する
悩みや共感の話は尽きない。

最近は久しく他社のデザイナーと話す機会が少なかったので
このような場で、旧知の方に出会ったり、
共通の知人がいたりするデザイナーとの情報交換は非常に貴重だった。

ヒトが絶えた閉場間際に一人の女性が我がブースに来て、
「これは何?」といきなり質問をしてきた。
機関銃のような そしてクールな質問に必死で興奮気味に応える私。
あっけにとられる二人の同僚。
最後に
「DESIGNTIDEに行ってきたのだけれど、
 おバカなデザインばかりで怒ってしまってここに来ました。
 こういうインテリジェンスなデザインに出会えてよかった」
「今 S島さんと新しいプロジェクトをしています。
 参考にさせていただきます」
彼女は 金沢21世紀美術館を立ち上げて
現在MOTのキュレータであるHさんなのだ。

以前、セミナーでお話を聴き、その後のサロンで
我々の活動について意見を聞いたことがる。
容赦のない、豊かな知見と強い信念に裏打ちされた
切れ味鋭い意見に圧倒され、共感した。

実際に会場で作品を見た私は、
DESIGNTIDEがおバカなデザインとは全く思わないが
彼女の強いメッッセージ性を求める審美眼に適わなかっただけと思う。

そのHさんが私たちの作品に目を留めてくれたこと
彼女が興味を持って質問してきてくれたこと。
そして、その方の褒め言葉に私は舞いあがっってしまった。

去った後に事情を知った同僚も
NHKのプロフェッショナルで見たあの人でしたか!とびっくり。

半年間の苦労も吹き飛ぶほどの嬉しい出来事だった。


 



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3人で デザイナーズパーティーで出された ワインでささやかな祝杯をあげました。

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2008年10月30日 (木)

一日目

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Dscf2440

本日 100% Design 一日目。
朝9時30分 会場集合。
いつもより1時間遅い出勤はラクチンだ。
どんより曇って薄ら寒い。

コンビニでミネラルウオーターとのど飴を仕込んでから
テントの中に入ると、まだまだトンカン準備中のブースも多い。
10時開場。
昨年のように多くのヒトが来てくれるかなあ、
などという心配をよそに10時30分頃から急にヒトが増え、
一時は通路を塞ぐほどに。

少し引けたところで、長屋のようなブースのご近所さんにご挨拶。
お隣さんは若手二人のユニット。
ぬあんと、我が職場の若手同僚の学生時代の同級生と判明。
超フレンドリーな仲に。
20時の閉場間際に、昼間混んでいたので説明してください
ということで お互いプレゼンし合う。
ご近所さんのプレゼンごっこで出会いがさらに深まる。

午前中には、以前の同僚達もやってきてくれた。

ブースの前を偶然通りがかったT社の同級生を見つけたので
お互いに十数年ぶりの再開に近況報告をし合いながら話し込んでしまった。
一時は単身赴任で近所に住んでいたのは年賀状で知っていたのだが、
そういう時は会えず、また福岡の本社に戻ってから
こういう時に偶然会うとは、まったく奇遇だ。

Dscf2438 遅いランチをとろうとJ-WAVE Cafeによってみたが 満席だった。
お昼を食べるところが少ないので、
お弁当を持ち込んで、
野球場のスタンドで食べるのがオススメです。

午後には快晴となり、
ビジネスタイムでも昨年以上の人出のようだ。

結局昼食を取り損ね、バタバタと仕事を済ませて、また夕方会場に戻った。

 

Dscf2385

「昨年の作品は凄かったですよねえ。今年は何ですか?」
「いや〜、昨年はいつ来ても人だかりでしたが、今年もですねえ。」
という言葉は、今年も期待していただけていると素直に嬉しい。

「ここ、この中で一番面白かったですよ。私が期待していた内容です」
と言っていただけたのは、某美大のメディアートの先生。テクノロジーとそれを使った表現ということに共感されたようだ。

夜になると、一般入場者が多くなり、学生さんが「うわ〜〜すごい」「かわいい〜〜」という絵に描いたようなオーバーリアクションをしてくれるので、そろそろ疲れが見えてきたこちらも説明のしがいがある。

今日は、昨年同様好調な出足で、様々なアイデアや意見をいただけました。

自身のブースの説明員で手一杯で、会場の他の様子はほとんどまだ見れていません。
ということで、見所解説は出来ません。

今年は、大きなテントが全部で4つあり、
昨年野外で大変だった産学や学生作品群も
100% futuers  というテントに纏まっていて、
雨天でも楽にじっくり見れます。

ここだけでも日本中の大学のデザインが俯瞰できて面白そう。
ただし、隣のテントとのクオリティの差は歴然としてして
そういう意味でも、プロのデザインとはどううものか、
学生さんも勉強になるでしょう。

Dscf2450休憩する場所が少ない、
夜は非常に寒いので、
防寒の用意はしてきた方がいいかも。

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2008年10月27日 (月)

デザインイベント目白押し

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DESIGNTIDE TOKYO
2008年10月30日(木)〜11月3日(月)

10月30日(木)15:00~21:00(最終入場時間20:30)
10月31日(金)11:00~21:00(最終入場時間20:30)
11月  1日(土)11:00~21:00(最終入場時間20:30)
11月  2日(日)11:00~21:00(最終入場時間20:30)
11月  3日(月・祝)11:00~17:00(最終入場時間 16:00)

メイン会場:東京ミッドタウン・ホール B1F
エクステンション会場:都内45カ所のショップ、ギャラリー

入場料:1,000円

主催:         DesignTide実行委員会

同僚の moviti さん 今年は On Ground というテーマのプロダクト出展するそうです。

今年の DesignTide の会場は なんと東京ミッドタウン・・・。

東京ミッドタウンって、昨年からこの時期に DESIGN TOUCH という
デザインイベントを始めたはずだが・・。

昨年、私もそこでセミナーやりました・・・。

今年はそこに取り込んじゃって、同時開催イベントになってるんですね。

Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2008
”ジャパンデザインを楽しむ”
2008年10月30日(木)〜11月3日(月)

会場:東京ミッドタウン
主催:東京ミッドタウン

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2008年10月26日 (日)

Scientist X Designer = Art! 2

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Tokyo Designer's Week 2008
2008年10月30日(木)〜11月3日(祝・月)
10:00〜20:00
中央会場:明治神宮外苑絵画館前
ZERO EXHIBITION会場:赤坂アークヒルズカラヤン広場
入場料:2,500円
(事前登録で500円OFF、クレジット決済事前購入で800円OFF)

今年も明治神宮外苑の大テントの会場
100% Design Tokyo
100% Prototype に出展します。

昨年、週末においでいただきながら
ヒトが多すぎて見れなかった方、
十分な説明が聴けなかった方、ご迷惑をおかけしました。

Dscf2358 今年は4つの技術アートを展示します。

デザインの可能性を広める
新たな活動の一端をご紹介します。

10月30日は午前中(ビジネスタイム)、 10月31日(16時までビジネスタイム)と11月2日は終日会場にいる予定です。


Dscf2364 ブースは、100-P-14  です。

ブースの場所は、左の画像の会場図
ちょうど 100%Prototypeの矢印のあたりです。
今年は大きなテントが3つあるようなので、
迷わないように。

一番大きなテントだと思います。


今年は入場料が500円あがって、終了時間が1時間はやまった。

昨年は平日三日間と土日の週末で、期間中天候が悪かったにもかかわらず
一昨年を1万人上回る過去最高の入場者で8万人だった。
今年は3連休となるため10万人を目指しているそうだが、さてさてお天気はどうかな。

昨年の様子
一日目(10 月31日(水)
二日目(11月1日(木))
三日目(11月2日(金)

 

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2008年10月21日 (火)

文化祭シーズン到来

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今年も恒例の青山芸術祭がスタートした。

デザインアワードの第1次審査を通過した100の街灯フラッグが街を彩る。
いつもは無粋な電柱も、今日は皆が上を見上げながら通りを歩いている。

青山界隈にあるスタバ5店舗も AOYAMA ART JUNCTION を展開しているらしい。

いよいよ文化祭シーズン到来。

そうそう、我々も 今年も出展する 100% Desgn  tokyo の準備にお尻に火がついている・・・。

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2008年10月20日 (月)

お昼の散歩

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先週、個展の案内が届いた。

重田良一展
ー線刻白描連作ー
2008年10月20日(月)〜11月6日(木)
11:00 〜19:00(最終日17:00まで)
10月26日(日)のみ休廊 
会期中 午後作家在廊

始弘画廊
東京都港区南青山5-7-23 始弘ビル B1F
表参道駅から徒歩3分

作家の名前を見て、懐かしい! 
と思った方は同窓でしょうか。

前回の個展は、2006年尾5月、同じ画廊であった。
その時は、ちょうどお昼過ぎに奥様の運転する赤いボルボで颯爽と現れた。
いや、ひょうひょうと、というべきか。

記憶たぐるようにして私を思い出していただいて、
お昼休みのわずかな時間ながら 楽しいひとときと過ごさせていただいた。

今日が初日。
勤め先から近いので、お昼休みの訪ねてみた。
ちょうどランチに出かけられていて不在。

青を基調とした抽象画の世界に一人静かに佇んだ。

イラストレーションともコンテンポラリーとも異なる
和紙にアクリル絵の具で表現された独特な小さな宇宙に
先ほどまでの煩悩に満ちた現世を忘れさせてくれた。

ふと我に返り、帰路についた。

またあらためて 先生に会いにこよう。
きっとまた新しいことを気づかせてくれるに違いない。

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2008年10月18日 (土)

ちょっと鎌倉散歩

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朝からお天気がいいので、ちょっと鎌倉までドライブ。
目的地は長谷の鎌倉文学館

横浜の我が家から長谷まで車でわずか1時間だった。
空いていれば近いということに驚く。
乗り換え案合では駅から駅でちょうど1時間だし、
道路が細く、駐車場が少ないので、
車で鎌倉へ行くのは愚の骨頂、と思っていたが、
この季節は行楽シーズンの狭間で渋滞もなく、
週末のミニドライブに鎌倉はちょうどいい距離だった。

Dscf2246 吉田秀和の「音楽を言葉に」展を見る。

ポスター、チケット、看板のビジュアルとして使用されている音符は、吉田氏の自筆譜からのものだそうだ。

バッハのゴールドベルグが静かに流れる展示室で 「音楽評論を文学にまで高めた」吉田氏の足跡を追った。

私が朝日新聞を読んでいる理由の一つが、夕刊に月一度掲載される吉田氏の「音楽展望」を読みたいからでもあった(夕刊は売店で買えないし、夕刊だけの配達もしてくれないので)。奥様が亡くなられてしばらくの休載が続いたが、2006年11月1日から年4回というペースで再開され、今は朝刊で読める。吉田氏の健在、健筆に触れることができるようになったことは嬉しい。

この企画展では、吉田氏が中目黒から鎌倉の雪ノ下に転居した理由や、変わりゆく鎌倉の街を憂いながらも期待込めた「鎌倉とパリの距離」をはじめ、専用原稿にしたためた自筆の原稿などからそのお人柄が伝わってくるのであった。

鎌倉ゆかりの文士にまつわる常設展示も、自筆の原稿や鎌倉での暮らしぶりなどを垣間みることができ、なかなか面白い。

Dscf2260 建物は昭和11年築の旧前田公爵家の別荘であり、佐藤栄作元首相が借りていた時期もあったそうだ。建築的には斜面に3階建てながら凸凹が入り組んだ和洋折衷だ。設計は前田家専属の建築家 渡辺栄治氏だそうだ。お抱え建築家がいるところがまず凄い。当主の好みがこの外観を生んだのだろうか。

テラスからはきらきら輝く湘南の海が見える。

緑の芝生の奥では、 さわやかな海風に揺らぐ満開の薔薇が咲き誇ったバラ園が見事だった。

Dscf2292 ランチは、たまたま見つけた長谷消防署前の woof curry

元洋装店をリノベーションしたという小さなお店は 、シンプルな外観もインテリア、食器にいたるまで デザインされていて気持ちがよい。
何よりカレーがおいしい!絶品だ。
付け合わせのらっきょうも福神漬けもおいしい。大正解。

かつては吉祥寺の「まめ蔵」で修行したということだが、それとはまた異なるおいしさに、 今年の4月にオープンしたばかりながら評判らしい。

Dscf2297 お土産は 畳1畳ほどのお店の「ジャックと豆の木」のパン。外までずらりと並んでいるのは店内に一人しか入れないから。 安定剤、防腐剤などの添加物を一切使っていないそうだ。 火木土しか営業していないので、 すぐ売り切れてしまうほどご近所さんでも人気おのこと。通りに面していないので、知っている人しかなかなか来ないかも。私たちはたまたま通りかかっただけで、誰も並んでいなかったのでラッキーだった。



Dscf2300 鎌倉市役所の駐車場に車を停め直して 、ちょっと小町通り、若宮大通りを散歩した。
空き地を活用した小さな駐車場があちこちあるので、探せば穴場で安いところもある。
鎌倉市役所は土日祝だけ利用可能で20分100円です。

休憩のお茶はSONG BE CAFEのテラスで。
妻が頼んだゆずはちみつジャスミンティーが  おいしそうだったなあ。




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2008年10月13日 (月)

オペラシティでの演奏会

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今日はアモルファス合奏団の第27回演奏会を
オペラシティのリサイタルホールで聴いた。

昨年の演奏会は10月8日(月)だったが休出で行けず。
一昨年は10月9日(月)妻と娘のピアノの発表会当日で行けず。
以前は「9月23日はアモの演奏会」と覚えやすかったが
いつのまにか10月の3連休の最終日となってしまった。
3年ぶりだ。

アモルファス合奏団は、
82年に当時の千葉大オケの4年生とOBで結成された
アマチュアの弦楽オケだ。
当初20代前半だった平均年齢は今や40代後半。
力まかせに熱情的で鋭角的な音楽を好んで奏でていたような最初の10年間に私も在籍したが、今や見かけも十分に年期が入ってきたし、指導者も代替わりしてからこの10年で随分と清楚な響きを醸し出し、音を確かめるような音楽作りになってきたなあと感じていた。

「アモルファス合奏団らしさ」というのがある。
充実した中低音、プログラムのユニークさ(自分達は意欲的と言っている)、
昭和を引きずったままのデザインで薄暗い会場で読むことに配慮のないプログラム、
でもそれを補ってあまりある楽屋落ちで笑えるコンテンツ、
備えあれば憂いなしのステージ上の予備楽器、などなど。

アマチュアの演奏会は、やらされているのではなく、
自分達がやりたいから、自分達がやりたい曲を演奏する。

だから、音楽に真摯に向きあい、葛藤し、楽しみ
達成感を味わうために演奏会という目標に向かって時間を過ごす。
その過程や積み重ねが、そのアマチュアらしさを醸成する。
聴衆は、経緯やテクニックはさておいても
プロの演奏会では味わえない「ひたむきさ」と「らしさ」の音楽を楽しむ時間を共有することになる。

アマチュアはともすれば「自分達がやりたい曲」を優先し
演奏会に立ち会う聴衆を忘れがちになることもある。
発表会へのお付き合い、と言う聴衆が大半だろうが、
一方で 時の積み重ねの変化や「らしさ」も十分に楽しみになるものである。

4年前の9月25日第24回のプログラムは
ラター、マリピエロ、フットにヘンデルという作曲家のプログラムだった。
ヘンデル以外は初対面の曲ばかりだった。
その前はメインこそブラームスの弦楽六重奏曲第1番(弦楽合奏版)という弦楽合奏の醍醐味を味わえる選曲だったが、サブはJ・トゥリーナー:闘牛士の祈り、F・シュレーカー:インテルメッゾというニッチの極めつけ。
プロじゃあやらないか、そういうプログラムの演奏会にわざわざお客さんは足を運ばない。
だから面白いのだが、発表会にお付き合いできた人は親しめない曲に面食らったり、
集中力が続かないか(舟を漕ぐ人多数)、楽しみ方が解らないから楽しめない。
それを知ってか知らずしてか、そういう方向に走るのか、とちょっと懸念していた。

今年のプログラムは
バッハ:ブランデンブルグ協奏曲第5番
武満徹:3つの映画音楽
チャイコフスキー :フィレンツェの思い出 弦楽合奏版

ちょっとゆっくりで、音を確かめながら楽しむような楷書体のブランデン。
でもチェンバロの美しい響きと非常に熟れたフレージングが魅力的で、
清々しいオープニングだった。

一転、2曲目は時代を一気に飛び越え、音楽表現の可能性に挑んだような作品。
構造化された形式とは全く異なる緊張感と甘美さが明滅するような音の流れが紡ぎだされたのだ。最初の和音から ぞくぞくっとする魅力に一気に引き込まれてしまった。
現代の精神性を弦楽器の奏でる音で、それも映画音楽というジャンルで現代音楽を身近に感じさせてくれた功績は計り知れない。
それを生で聴く機会に恵まれるとは!
オペラシティのコンサートホールは「タケミツ メモリアル」という愛称があるように
ホールの基本コンセプトづくりから設計段階まで故武満徹氏が深く関わったそうだ。
その真下にあるこのリサイタルホールで
タケミツの映画音楽が演奏された意味も少なからずあると思う。
今日の大収穫だった。

そして最後は音の洪水。
バロックと現代音楽に挟まれ、我々に最もなじみのあるロマン派で大団円。
美しいメランコリックなメロディーと芳醇な和声が厚く響くオーケストレーションが真骨頂のチャイコフスキー節。
「アモらしさ」は、奏者の高齢化(失礼)で随分大人しくなったかと思っていたが、
いやいや、3曲の中にその進化と、学生の頃から持ち合わせていた「アモルファス節」として十分に爆発させていたのでした。

縦の線や細かい音符の動き、音程が合わないとかいう小さな擦り傷は
膨大な音符の数とひたすら戦いながら練習した足跡からすれば
大きな音楽の流れを形作れたことで十分に報われたことでしょう。

指揮者のダイナミックな指揮さばきに必死に応えようとする演奏は、
あの頃を彷彿とさせる、いやいや舞い戻ったかのように熱演だった。
燃え尽き症候群になってしまうか、体の節々が痛くて
明日からの仕事に大きく差し支えること間違いないなあ。

まさに音のシャワーを浴びたような気分。
音楽はスポーツだ。

聴衆にとっては、音楽的なコントラストのメリハリが利いた
とてもよいプログラムだったと思う。

アンコールのピチカートポルカのなんと生き生きと楽しそうなこと。

最後に拍手のなか、思わず目頭を真っ赤にした奏者がいた。
今日の演奏会の「みんなで、ここまでよくやったあ!」という喜びが溢れていました。
ステージの上で、嬉しくて涙が出てくるなんて音楽家冥利につきるだろうなあ。

身内のひいき目だからだけじゃなくて、アマチュアだろうとプロだろうと音楽を聴いて鳥肌が立つとか、奏者と観客が喜びを共有できる瞬間に立ち会えることは幸せなことです。

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2008年10月12日 (日)

テレビでの音楽

Dscf2238

平日はほとんどテレビを見ない。
週末になると録画したドラマや定番番組を結構見る。

日曜日は朝6時30分からの「建物探訪」
9時からの「題名のない音楽会」
9時45分から「新日曜美術館のアートシーン」
20時から「篤姫」
21時から「N響アワー」と つづく。

先週の「N饗アワー」はハンス・ドレバンツ指揮のマラ5だった。
1、2、4、5楽章 全部聴いた。
ホールで聴くときは、その席での音響と視覚で、全体感とともに緊張感や奏者の雰囲気などを楽しむ訳だが、テレビでは、ディレクターの意思による音と映像で間接的に楽しむことになる。
CDであれば、音だけで音楽を想像し楽しむのだが、繰り返し聴いても耐えられるよう編集により音のバランスと演奏の傷は修正され、完成度が高いの言うまでもない。

マラ5の第1楽章の冒頭、当然のようにトランペットがアップで映し出される。
首席の津堅氏が構えるトランペットが小刻みに震えている・・。
超ベテランであっても極度の緊張状態だったのか。
後半は震えも止まったようで、やっと楽器がなってきたと言う感じでしたが。

弦楽器奏者であれば、あの揺れては返す波のような哀愁を称えた陶酔感がたまらない4楽章、そのまどろみの中から、アタッカで入る5楽章冒頭のホルンの第1音は、夢から覚めて音の歓喜へと誘う入り口だ。約15分間の全休符からオケ全員と聴衆の意識が集中するGPの中、あの第1音をホルン奏者が吹く勇気は計り知れない。
その後の弦楽器の第4楽章の余韻のあとの第2音。
なんと第1音が上手くいった安心感からか第2音は外れた。
第4楽章のまどろみから 心地よく目覚ましてくれることを期待していた聴衆にとってはちょっと後味が悪い。
音楽全体から見れば小さな傷だが、聴き手はその傷を自ら癒すために前の音楽を再トレースすることになる。プロの音楽会であり、聴き手の期待する音楽の完成度を損ねる行為となればなおさらその失望感は強くなってしまうのではないだろうか。
大太鼓の強奏では、ホール全体を揺るがすほどの空気振動がマイクの入力レベルを超えたのか、すべてのマイクロフォンのセンサーが物理的に大太鼓の音圧を拾ってしまったのか、他の楽器が聴こえなくなるような現象が2回起きた(テレビの調子がおかしくなったかと思った)。音楽は聴こえなくなったが、それはそれで、音響ディレクターの顔が青くなる様子が目に浮かぶとともに会場の迫力、大太鼓の音がすべてを包み込む雰囲気を想像できる面白い出来事だった。
5楽章では多少の乱れよりも、ベルアップや強奏により、音楽を奏でることの溢れるような喜びを奏者の表情とともに波打つようなサウンドとアンサンブルに期待してしまう私には、ちょっと物足りなさを感じてしまったのだった。
N響の演奏としては熱のこもった非常に好演の類に入る演奏会だったのではないかと思うが、過レンガを積み上げるような楷書体の音楽を目指した指揮者と、うねるようなダイナミズムを奏者の主体性とともにマーラー節として期待する私の違いをあらためて確認したようなものだった。 

テレビというのは、映像で音の迫力や奏者の表情により精神性を補ってくれるが、逆の効果となるときは残酷でもある。しかし、それはクラシックの再現音楽として宿命、ライブとしても面白さでもある。

ともあれ、26年前の学生だった頃の自分たちの演奏が耳に染み付いいて思い入れが強いので、こうるさい聴き方になってしまうのだが、あの時のトランペットとホルンの同級生の演奏がいかにもの凄かったのか、ということをあらためて思い知らされたのである。

そして、今日の朝、「題名のない音楽会」でスーパーキッズオーケストラの 生き生きとした表情と音楽に胸を躍らされてしまった。
感謝の気持ち、音楽をする喜びに溢れているのである。

日曜日の朝、朝刊で必ず読む楽しみにしているコラムがある。
転職を考えているなら朝日新聞の日曜日の朝刊の求人欄を見よ、と友人から教えられたのは23年前のことだ。実際にこの求人欄を見て応募もしたことがある。転職を考えていなくとも、日曜の朝の求人欄は世相を映す鏡として私は今でも毎週読んでいるのだが、この欄に掲載される各界の賢人達による「仕事力」というコラムがなんとも含蓄あるのだ。
単行本にもなっていて、同僚の節目などにプレゼントしたこともある。

今朝は指揮者の佐渡裕氏の第1回目だった。
題名のない音楽会では、夏休み企画としての少年少女合唱団や高校の合唱団、吹奏楽部のクリニックを佐渡さんが直接指導する場面を放送してきている。
いずれも、子供達の表情と出てくる音楽がみるみる変化する様に視聴者は感嘆せざるを得ない。佐渡氏の関西人としての「突っ込み」「ぼけ 」やといったサービス精神も番組を盛り上げ、音楽の感動を一人でも多くの人に、というプロとしての「仕事」の強い使命感をこのコラムで改めて認識できる。

基礎ができている、ということがもちろん大事な要素であることは確かだが、それ以上に何のためにやっているのか、まずは自分が楽しい、そしてそれを共有する人が楽しく感じる、感じてくれてありがとう、そういう関係性の基本というものを指導しているのだと思う。

そして、夕方には先日亡くなられた緒方拳さんの遺作となったドラマ「風のガーデン」の9日放送分を録画で見た。いきなりオープンイングの音楽で「薔薇のない花屋」と同じ雰囲気を感じてしまった。やはり、篤姫と同じ吉俣良氏が担当していた。

アカデミックな音楽教育を受けてない現場で叩き上げた「音楽職人」としての「劇伴」の感性が受けているだろう。これまたヒットの予感である。



 

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2008年10月11日 (土)

源氏とジャズの横浜

Dscf2189

今週は深夜に帰宅しても、長女が何やら文化祭の準備か、学校の委員会の書類作成とやらで
午前2時3時までMacを占有していたので、ブログのアップもメールチェックも出来ず。

土曜日も当然のように朝も早くから文化祭の準備で娘達は登校。

ということで、今日は妻と横浜市美術館で「源氏物語の1000年」を鑑賞。

私は 源氏物語を読んだことがないので、
音声ガイドの解説を聞きつつ、その細密な描写と
美しい日本の文字、世界に誇る日本文学を堪能した。
光による劣化防止のため非常に薄暗いので、解説も読みくく
音声ガイドは大正解だった。

実は、妻とのデート気分で、予習もなしに期待もしていなかったが
源氏物語を通して鎌倉時代から現代までの日本美術史を俯瞰できる構成になっていて、
大いに楽しむことができた。

細密な描写に引き込まれてついついガラスに頭をくっつけるのだが
ガラスと作品の距離が遠く、照明の当て方も今ひとつで
そこだけちょっと残念だった。

展示の入れ替えも著しく、もっと早く来るべきだったと言うのも後の祭り。

まじで 細かいところまで目を凝らしてみてしまったので、
目がもの凄く疲れた・・・。

音声ガイドの ナレーターは元NHKアナウンサーの加賀美幸子さんだった。
語り口も解りやすく品格があり、そして原文の朗読まであって、
クオリティの高い内容だった。
新日曜美術館をリアルで見ている感じ。

上の画像は横浜美術館内「cafe小倉山」の展覧会現手メニュー「紫式部抹茶ラテ」

Dscf2226

その後、足が疲れたので
クイーンズパークで浜風に吹かれながら 
スタバのVentiサイズのカフェモカを飲み干すあいだ
街角ジャズを楽しんだ。

パシフィコのロボフェスタまでは 回れなかったなあ。

横浜は 今 アートと音楽に溢れてます。

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2008年10月 4日 (土)

横トリ ガイドツアー

Dscf2038

横浜トリエンナーレ 2008

2008年9月13日(土)  〜11月30日(日)
会期中無休
午前10時〜午後6時(入場は午後5時まで)
メイン会場:新港ピア、横浜赤レンガ倉庫1号館、
                     日本郵船海岸通倉庫(BankART StudioNYK)

20日のブログに今年の様子を書いた。
百聞は一見にしかず。
3年前の楽しかった体験をもう一度 と思って行ってきた。

これから行くヒトの参考になれば。

私のコース

みなとみらい線馬車道駅 → 運河パーク(リングドームとイエイエ)
 → 新港ピア → 横浜赤レンガ倉庫 (ここまで徒歩)
ピア赤レンガ (無料水上交通)→ 日本郵船海岸通倉庫(BankART StudioNYK)
 → BankART 1929 YOKOHAMA

今日は湿度も低く、カラリと青空が広がっていたので、何よりの散歩日和だった。

Dscf2139 なんといっても、横浜らしく海の上から運河の倉庫まで漁船の様な小さなボート(定員4名、ライフジャケット装着)での移動が最高に気持ちよかった。土日祝だけの運行だけどオススメです。
馬車道駅からはBankART StudioNYKの方が近いことや、桟橋が目の前にあるので乗船券の整理券をあらかじめもらってから作品を見るなど、逆回りのほうが効率的かもしれない。



Dscf2033 天候が悪い時やこれから寒い時は、離れた会場の移動が少し辛いと思う。3会場とみなとみらい線馬車道駅、JR、横浜市営地下鉄の桜木町駅を巡回する無料のシャトルバスを利用するとよいだろう。30分間隔で運転している。今日は、お天気がよかったので、バスも空いているようでした。

  

でもね、午前中から見て回るなら、作品の内容やパフォーマンスを考えると、私の順番は結果的にはよかったと思う。

Dscf2029 みなとみらい線馬車道駅を降りて 出口6方面にコンコースをあがると、リングドームのチケット売り場がある。空いているのでここでチケットを買ってしまう。
当日券は 一般1800円。
中学生以下は無料。
ただし、15歳未満は不快感になることがあるのでご遠慮ください、という作品があります。


Dscf2149会場が複数あるため期間中2日間有効。
日付スタンプと、記名する欄がある。
私は 同時開催中の BankART Life II に期間中いつでも何度でも入場できる共通チケット 2100円を購入した。 

Dscf2035

万国橋をわたり、左手の凱旋門のような建物の向こう側に運河パークがある。
右手の緑の「イエノイエ」がインフォーメーションになっているので、ここでパフォーマンスやガイドツアーのスケジュールを確かめるとよい。

Dscf2147

このインフォーメーションは、日本郵船海岸通倉庫会場入り口のもの。
勅使河原三郎氏による「時間の破片」のパフォーマンスがあることはインフォーメーションで知ったので、NYKを午後にした。しかし、パフォーマンスがあったことはラッキーだったが、待ち時間は1時間を超えた。大巻伸嗣氏のシャボン玉パフォーマンスは、お天気がよかったので楽しかったろうが、新港パークは遠いですよ・・・。

 

Dscf2073

音声ガイド500円。
新港ピアと日本郵船倉庫2カ所でそれぞれ借りられる。
チケットを買うともらえる「マップ&イベントスケジュール」には、会場の配置図と作者名しか記載がない。作品のところにもタイトルと作者名だけの表示しかないし、900円のガイドブックにもアーティストの解説はあるが、横浜の会場で創作した作品やインスタレーション、パフォーマンスの類いが多いので解説は無いに等しい。
なので、作品の背景や意図をサポートしてほしいヒトには音声ガイドはオススメだ。

Dscf2143 ボランティアの方やキュレーターのガイドツアーもあるので、それに参加するのもよいと思う。なんとなくガイドツアーで連帯感も生まれる。他の観客の迷惑にならないよう、少人数で、声も小さめのようです。
Dscf2043

写真撮影はフラッシュを焚かなければ、基本的にOK.
でも、日々進化したり、時間軸で鑑賞するもの、音と光の変化を楽しむものもあるので、静止画はあまり意味がないと思い、ここでは紹介しません。雰囲気だけ。

Dscf2063

たとえば、ケリス・ウィン・エヴァンスのこの作品。
誰もいない会場に佇むと、円形の鏡の裏側から出る様々音が方向性もって発せられ、空間を渦巻き、不思議な感覚になる。

Dscf2069

人がたくさんいると、それぞれが鏡を覗き込んだりグルグル歩き回ったり、赤ちゃんから大人まで驚いたり、笑ったり、鏡のまえの表情や導線までひっくるめてその空間を違った感覚で楽しむことが出来る。会場のボランティの人によれば、昨日と今日で音量や聞こえ方が全然違うと言っていた。今日は今までで一番音がよく聴こえているそうだ。

Dscf2080

写り込む自分、通り過ぎる来場者すべてが作品の一部だったりする。

Dscf2098

新港ピア会場の全景。緑の看板から、奥の荷揚げクレーンのところまで。
結構奥行きがある。
新港ピア会場の空間構成は西沢立衛建築設計事務所。壁や裏側の構造そのものまでを見せてしまいながら、溜まり場があったり、路地裏を通るようにしてたどり着く仕掛けがあったり、通常の整然とした順路を通れば一通り鑑賞できるような美術館の展示室とはちょっと異なるラビリンスのように。鑑賞者へも多様性を導くようなシンプルなパネル構成だ。主軸が一本通っているので迷うことはないが、見逃してしまいそうな部屋もある。特に 7番のペーター・フィッシュリ&ダヴィット・ヴァイスの作品は、映像と出演者のラット・アンド・ベアーが別の場所で寝ているので注意。関係性を知らないとよくわからないかも。会場にいたボランティアさんと話をした時も、ちょっと困っていた。そのうち、少し案内表示が改善されるかもしれない。

Dscf2085

Dscf2075

会場の一番奥にカフェとショップがある。海を眺めながら軽い食事とドリンクができる。
私はここでYTcafe風クスクスでランチをした。外にテラスがあるので海風に当たりながら休憩できる。実は、このカフェにはフードが少ない。ランチをと るなら飲食店の多い赤レンガ倉庫か、BankART StudioNYKにある、BankART Mini Kitchen の方がいいかもしれない。

BankART Mini Kitchenは、倉庫内なので眺めはよくないが、いろいろなソファがあってくつろげるし、何より丼ものやカレーなどアーティストや建築家による週替わりのオリジナルのフードメニューが中心なので。

Dscf2113

実は、赤レンガ倉庫の広場では3日〜13日まで オクトーバーフェストが開催されている。真っ昼間からみんなガンガンビールを飲んで、音楽が流れ、とても楽しそうだった。画像のように1400席 満席だ。ここでビールを飲んでしまうとあとが続かないのでぐっと我慢。

Dscf2106

赤レンガ倉庫会場は ホールでのイベントやパフォーマンスが中心だそうで、作品は少ない。1960年頃の日本の「前衛芸術」を映像資料として見ることができる。
細なが〜〜い43mにわたる通路のミランダ・ジュライの作品は、一組ずつ入場するので、長い列ができているが、これは見逃さない方がいいかも。

 

Dscf2119

ライフジャケットを着て、乗客4名だけというボートでBankART StudioNYKへ。
みなとみらいと大桟橋を水面目線で眺められます。
無料でこの絶景は、この展覧会の穴場かも。
上空では パシフィコ横浜で開催されている「2008年国際航空宇宙展」のデモフライトが始まったようで、自衛隊と海保のへりが飛び交っていた。船頭さんは空のパイロットの腕にも詳しく、その解説が面白くて二度おいしかった。

 

Dscf2144

日本郵船海岸通倉庫は3階分会場である。映像や光を表現手段とした作品が多い。
赤レンガ倉庫会場とここの空間構成は日埜建築設計事務所。
作品が主役であり、倉庫という空間を生かしながらの構成、一体何をしたのだろうか、いやマイナスの美学なのかもしれない。私は壁の白さ、元からある壁と床との対比、結構気に入りました。

Dscf2148

そして馬車道に戻って、BankART 1929 Yokohamaで「心ある機械たち」を見る。
ここに来て、作品を見て正直 緊張が解けて ホッとなごんだ気分になった。
ヤノベケンジ氏の巨大なロボットが突然 ムクムクと起き上がった。面白い。
作曲家でもある川瀬浩介氏の作品。ベアリングのボールが精密に打ち出され、鋼の鍵盤の上を飛び跳ねることで奏でる音楽に癒される。 

実はこのモノ作りによる作品が、自分の感性に一番馴染んだのかもしれない。

大桟橋、三渓園などまだまだ見切れていない。


本日の万歩計は12300歩を示していた。

それにしても二日続けてよく歩いたので疲れた。


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2008年9月25日 (木)

Dscf1985

新宿の南口に降り立ったのは何年ぶりなんだろう。
その様変わりをお上りさんのように驚きつつ、噂の凄い行列のドーナッツ屋さん左手に見ながら右に折れる。お〜!これがあの噂の代ゼミの高層ビルか、とまた驚きつつ手前のビルの15階に上る。トイレから見える西新宿の高層ビル群には、新しくロケットのような高層ビルが加わっていた。子供の頃イメージしていた未来を思い出しつつ、今の子供達はどういう未来をイメージするのだろうかと思う。

今日は夕方からセミナーに参加した。
聴く側ではなく、話をさせていただく側で。

第3回HCD-NETサロン 「HCDと感性」

8月に入って、感性をテーマに私たちの活動のお話を30分くらいしていただけますかというご相談があった。日頃いろいろお世話になっているし、サロンというくらいなので、こじんまりと和気あいあいの雰囲気だろうと思い、昨年の100% Designに出展したことを話すことにした。

蓋を開けてみると会場は満席。キャンセル待ちもあったそうです。
最初に経済産業省の方の「感性価値創造イニシアrティブ」のお話。
「感性価値はイノベーションと成長のドライバー」ということで、政府が2008年から2010年までを「感性価値創造イヤー」と定めいろいろ施策を進めているのだそうです。
感性価値は「日本人であること」という結論が 印象的、というか衝撃的でした。

その後だったので、柄にもなくちょっと緊張してしまったが、用意していたネタを忘れたおかげかすべることもなく、アウトラインだけの紹介だったので持ち時間を早めに終了。自分もびっくり。もう1件のお話のあと、休憩を挟んでパネルディスカッションになりました。
他のパネラーの方々は慣れておられて、質問にも的確で論理的に答えられるのだが、「HCDと感性で、次に大事なものは」とか「HCDと感性を ヒトに説明するためにカンタンな言葉で教えてください」といった難しい質問には大汗だった。
後日、詳しく話を聞かせてください、一緒にディスカッションさせてください、などなど様々な方々から声をかけていただいた方、私どもも悩みながらの発展途上なので、どこまでお応えできるかわかりませんが、ヒトを幸せにする、次へのステップに繋がることになるとよいと思っています。

結果的には、あとの飲み会も含めて、客観的な反応、ご意見を直接たくさん聞いたり交換したりすることで、自分自信の頭の中をとても整理することが出来た。冷や汗を含めて頭の汗をかくことはいいことだ。

久々にお会いする方、ブログや間接的には知っているが初めてお会いする方、そして、私の話に興味、共感いただいた方、狭い業界なのかどこかで繋がってしまうヒトの関係性もこれまた面白い。ヒトのつながりは大切にしたいと思いました。

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2008年9月20日 (土)

アートシティ 横浜

Dscf1974

16日の夜、仕事をシャットアウトして五反田に向かう。

TAB Talks #16 Featuring Yokohama Vol.3 「横浜プレゼンテーション・ナイト」

13日からスタートした「横浜トリエンナーレ2008」の概要がフォトレポートでわかる、ということと、関連イベントのプレゼンが面白そうだったので。
20時35分スタート。終了は22時30分予定が23時を回っていた・・。
皆さん熱心なプレゼンでしたので、っていうか準備不足とバイリンガルなので時間がかるのででした。

横トリレポートはTAB TALKのライターさんが担当だったのだが、写真もコメントもあまり上手くなくて、消化不良。
会場と作品が分散していること、パフォーマンスが主体の展覧会とあって、そのパフォーマンス自体のスケジュールに合わなければ作品の鑑賞自体不可能だということを例に挙げ、来場者には高度な情報統合力を求めた国際展だ、と暗に総合ディレクターの企画を批判したレポートだったりしたのだ。

確かに、第1回、第2回の横トリとは明らかに異なるようだ。
2005年の総合ディレクターであった川俣正氏の掲げたテーマは「アートサーカス」。白い箱の空間で来場者が作品に相対して「鑑賞」するのではなく、「来場者が参加することで成立する作品」「会場の特殊性を生かした作品」など、実際に制作過程を見ることができたり、イベントのよう感覚で参加することで、現代美術を楽しむしかけが多かった。さらには市民のボランティアやサポーターが作品制作のアシスタント、監視員や案内、教育プログラムのツアーガイドなどで多数関わることで運営の大きな役割を担い、街全体が活性化した。結果的に19万人の観客動員に成功した。一方で、国際展としてのメッセージ性の弱さも指摘されていたが、私には創造性は 鑑賞者が受け身ではなく、「個人の主体性」を発揮することだということをとても解りやすく体験させてくれた秀逸な国際展だったと思っている。

今年はまだ始まったばかりで、私もいつ行こうかなと思案しているところだが、今回のレポートを聴いた限りでは、前回と様子が異なるようだ。

今回の総合ディレクターは、「タイムクレヴァス」という哲学的(?)なテーマを掲げ、世界の第1線で活躍するスターキュレーターを駆り出し、そのキュレーター達が、テーマのコンセプトにあった優れたアーティストを連れてきて、一流の作品の展示をする、ということを目指したらしい。そこには、現在の美術界へ問いかけ、これまでとは違う美術作品のあり方、従来のビエンナーレとは異なる国際展としての評価を意識しているようだ。それは一つのメッセージなのだろう。幅広い来場者にそれは理解できるのだろうか・・。
だからか、前回との対比で、市民参加型、街の活性化、個性の主体性という期待をしていた面々からは批判的な印象を受けてしまう。
それは、横浜市も気がついていたのであろう。

このTAB TALKの後半に紹介されたのは、それを補うにたる多彩なボトムアップ型のイベントだった。国際展としてのトリエンナーレ周辺に、市民との繋がりや、街の活性化、日本発を考えさせる、個性的なアートイベントを同時多発的に仕掛けているようだ。横浜トリエンナーレ2005でキュレーターだった方々もそういうイベントを企画しているのが興味深い・・。

ここの展覧会を見る、体験する楽しさはそれはそれとして、この秋の横浜を客観的に俯瞰してみると、メジャーとマイナー二重構造的な、もの凄いアートシティ化していることになるのではないか。
こういう機会に出会えるんなんて なんて素晴らしい街に住んでいるんだろう、というプラス思考で一市民として、楽しんでみたい。

以下は TAB TALKで紹介されたイベントと、

横トリに合わせて開催されるBankART  Life2 の多彩なイベントです。


THE ECHO

2008年日本、今ここからはじまるリアルな表現

2008年9月13日(土)〜10月5日(日)
11:00〜19:00(入場は18:30まで)
毎週日曜日15:00~トークショーやイベントを予定
会場:ZAIM 別館3,4F
入場料:500円


黄金町バザール

かつて違法な特殊飲食店が軒を連ねていた横浜市黄金町で
地域とアートの共存を通して街並が新しく生まれ変わることをめざす事業
その最初の一歩として街の在り方を見直すアイデア、イベント

2008年9月11日(木)~11月30日(日)
11:00~20:00(一部18:00終了)
会場:京浜急行「日ノ出町駅」と「黄金町駅」の間の高架下新設スタジオ、
   大岡川、駅、周辺店舗、他
主催:黄金町バザール実行委員会
ディレクター:山野 真悟
キュレーター:天野 太郎


ラ・マレア 横浜
La Marea Yokohama

アルゼンチンのアーティスト、マリアーノ・ペンソッティによる街頭パフォーマンス
9つのショートストーリーが、店舗内や路上に散りばめられ、
観客は自由に次のストーリーへと足を進めることができる。

2008年10月3日(金)、4日(土)、5日(日) 各日19:00〜21:00(120分)
場所:横浜市中区吉田町 店舗内および路上など
料金:無料 / チケットの発券はありません。
日本語上演字幕付き / 解説資料配布あり(日本語 / 英語)
主催:急な坂スタジオ

BankART Life2

これまで行ってきた主催事業を総合的に駆使し、
公的建物、歴史的建造物、産業遺構、飲食店や商店、空き地、空店舗等と協働し、
街に全面的に展開していくプログラムを推進します。
共通しているコンセプトは「ひらくこと・つなぐこと」

2008年9月13日(土)〜11月30日(日)
時間・休日は会場により異なる
料金:一般 900円 大学生 750円 高校生 350円(中学生以下無料)
   ※チケット購入の方は、全ての展覧会とパフォーマンスイベント
             (500円割引)に参加でき、様々な特典の付いている
             「BankART Life IIガイドブック(64p)」をもれなく進呈。
主催:BankART1929
共催:横浜市開港150周年・創造都市事業本部

 Landmark Project IV

  「心ある機械たち」
    1929年生まれの元銀行建築の普段公開していない機械室など
   あらゆる場所を開いていく「運動」をテーマにした展覧会
   場所:BankART 1929 Yokohama+ぴおシティB2ギャラリー
   期間:9月13日(土)〜11月30日(日)10:00‐19:00 
      ※11/2は設備点検の為休館

  「ルーフトップパラダイス」
      ガウディのグエル公園がそうであるように
   屋上は都市の中で新しく誕生した空にとどく唯一の大 地。
   創造界隈の建物群の屋上を開きネットワーク化していく
   場所:BankART Studio NYK(公開は完全予約制)
      +BankART 1929 Yokohama+BankARTかもめ荘、他
   期間:9月13日(土)〜‐11月30日(日)①9:15‐9:50②18:15‐19:15

  「Open! パブリックスペース」
    場所:横浜市庁舎(ホールのインスタレーションの他、会議室、廊下等にも
      アート作品を挿入。創造事業本部、危機管理室、各執務室にも展示)
      他
   期間:9月12日(金)〜11月28日(金)(土日祭除く)8:45‐17:15

 大野一雄フェスティバル2008
 
 場所:大岡川弁天橋+伊勢佐木町・馬車道周辺+BankART Studio NYK
  期間:9月28日(日)〜10月25日(土) 原則19:30スタート
  料金:1,500円‐3,000円(LifeⅡのチケットをお持ちの方は500円割引)

 

 食と現代美術part5
  食の中に潜むアート、アートの中に現れる食のイコンを往来するプロジェクト

  「BankART Mini Kitchen」
    これまで『食と現代美術』で協働してきた食関連のクリエイターや
          周辺の飲食店舗が、新設のキッチンで週替わりに
          オリジナルメニューとミニトークを披露。
    場所:BankART Pub
   期間:9月13日(土)〜11月30日(日)Cafe Time10:00‐18:00
                      Pub Time 18:00‐23:00

   「Noren Flagart Project(横濱芸術のれん街)」
    「横浜トリエンナーレに行こう!」というマークが入っている   
            フラッグ(のれん)を公的建物や創造界隈の施設、店舗に設置し、
   横トリ開催地区と黄金町バザール開催地区を回遊性をもって繋いでいく。
   期間:9月13日(土)〜11月30日(日)

  BankART Mini
  NYKに新しく生まれたギャラリーとカフェからなる空間

  「BankART Bank under 35」
  若いクリエイターによる週替わりの展覧会。
  場所:BankART Mini Gallery
  時間:10:00‐19:00

  「BankART Cafe Live」  
  場所:BankART Mini他
  時間:原則20:00開演
  料金 各イベント1,500円※LifeⅡチケットお持ちの方は1,000円

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2008年9月15日 (月)

Be Honest!

Dscf1967


Be Honest!  次世代へのタイムレス・デザイン Artek & Marimekko

2008年9月9日(火)〜2008年9月23日(祝・火)
11:00 〜 20:00
スパイラルガーデン SPIRAL 1F
入場無料

主催:Artek, Marimekko、スパイラル/株式会社ワコールアートセンター
制作:スパイラル
会場構成:武松幸治+E.P.A.


「デザインにおけるサステナビリディーとは何か」

主催する2つのブランドによる回答は、
「高いクオリティ、世代を超えて愛される”本物”への信 念」
「本物のデザイン」の過去・現在・未来を魅せる展示会です、とある。

見て、座って、感じる。フィンランドのまっすぐなデザイン。
というコピーもそのものだ。

今年で75周年を迎えるアルヴァ・アアルトのデザインによる「Stool 60」を用いた
ミラノサローネやニューヨークの見本市で注目されたインスタレーションを
再構成した展示をメインに
国内外のクリエーター達によるさまざまな「Stool 60」や、
マリメッコによるファブリックデザインの展示で構成されている。

過去・現在・未来を体現しているのは、初期に出荷され、使い込まれた椅子の展示だ。
刻まれた歴史を物語る存在として、アルテック社は回収、歴史を再認識するプログラムを立ち上げたそうだ。
どこにでもありそうな、シンプルなスツール、そして75周年、800万脚。
建築家アアルトは偉大だが、
アートとテクノロジーを組み合わせた造語を社名とした思い、
世界中で愛着を持って座ってきたユーザー、
それぞれの共感あってのサスティナブルであり、エコロジカルなのでしょう。

日本の消費する文化でのサスティナブルやエコロジカルが空しく感じてしまう。

木の椅子というのはいいものです。
時の経過とともに人と一緒に育っていくように、色が変化し、味わいが深まるからだ。

北欧デザインの志を感じることが出来ます。

スパイラルカフェでは アアルトのあの有名なFlower Vaseで
スペシャルなドリンクが飲めるそうです。
って、ちょっと悪のりじゃないかなあ・・。

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2008年9月10日 (水)

インハウスデザイナーのワークショップ

Dscf1917

お昼休みに le bain  まで散歩した。

WITHOUT THOUGHT Vol.9
NAOTO FUKASAWA + DMN DESIGN WORKSHOP EXHIBITION 2008
flower vase

2008年9月2日(火)〜9月19日(金)
11:00−19:00(最終日17:00閉場)
ギャラリー le bain (ル・ベイン)
入場無料

主催 / DMN (ダイヤモンド・デザインマネジマント・ネットワーク機構)
プロジェクト&デザインディレクション / 深澤直人

撮影禁止なのですが、
カタログが1000円で販売されていますので
それを見れば、作品全体を見ることが出来る。

でも、それでアイデアを解った気になっていてはいけません。
ぜひ会場に足を運んでください。

作品集やWebでは解らないのがモックアップのクオリティや質感だ。
どうやって作ったんだ、と思わず覗き込んでにやりとしたり
なるほどね、という楽しみ方ができます。
花を生けた写真と、花を生けていないモックアップを対比して
やりたかったことが解る機能や佇まいもある。

今回も「にやり」とする作品にいくつか出会えた。

そのメタファーにたどり着くプロセスを推察することも面白い。

今回 特に興味深いのは、今までは「行為」のデザインだったのが
花器という「モノ」がテーマでありながら、
「モノ」そのものだけではなく
「モノ」が置かれる環境や「花を生ける」という行為「鑑賞する」 という行為
生けられる「花」とモノと関係も含めて
モノとヒトと時間をどう表現したか ということでしょう。

この「デザイン大喜利」は、受け狙いもあれば 
モノではなく光と影で時間を切り取ったような作品もあり、
普段は所属する企業のビジネスの領域で
機能性やコストを前提に発想するインハウスデザイナーが
自らを開放して楽しみながらデザインしているところがいい感じだ。


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2008年9月 7日 (日)

夏の風物詩

Dscf1908

17時頃、テレビを見ていたら、周囲は真っ暗、もの凄い雷雨に見舞われる。
あんまりゴロゴロピカピカと凄いので、窓からあちこちに落ちまくる稲妻を眺めていたら、目の前の送電線に閃光と轟音を伴って落ちた。コンパクトデジカメでの撮影はシャッターボタンとシャッターが切れるタイムラグがあって難しい。連写にしてみたら、偶然撮れました。それくらい、頻繁に落雷していたということです。

さて、見ていたテレビ番組は、平日に録画してあった分。
昨夜、日テレの「第28回全国高等学校クイズ選手権」を家族で、今日は「NHK青春舞台2008(全国高等学校演劇大会の優秀校公演)」。

高校生クイズは、自分が高校の頃はなかったなあ、あったら出ていたのに、と毎年いいながら見ている。今年は長女の友人が関東予選に出ていたとかで、ちらっとでも写るかなあ、なんて言いながら見始めた。しかし、今年は演出が大幅に変更になり、地方予選の紹介は全くと言っていいほどなし。昨年の視聴率が相当悪かったらしく、挽回のための路線変更は制作費にも及んだのか、以前は海外ロケとか、決勝の場所がどこであるかも楽しみのひとつだったのが、スタジオ収録のみで、奇問、珍問の類いや、体力勝負によるどんでん返しもなし。名門進学校対決だけを煽り、地方の全国大会出場校をほとんど無視した演出に、家族からも大ブーイング。たしか、「知力、体力、時の運と3人の友情」で勝ちとるがキャッチフレーズで、青春ドラマも感動の一部に取り込んだバラエティ形式のクイズ番組なんだけどなあ。
今年のクイズのレベルは高いのだが、結果ばかりで、背景や解き方などの解説もなく、クイズ番組としても面白くなかった。でも最後まで見てしまったのは、なんとインターネットで開催された敗者復活戦で登場した高校が母校だったことと、なんと優勝してしまったこと。びっくりである。地元はもの凄く湧いていることでしょう。それは、素直に嬉しいし 優勝おめでとうと褒め讃えてあげたい。しかし、こういう番組企画のあり方、演出の変化を目の当たりにすると 複雑な心境なのです。

そして、もう一つは放送時間が5時間半にもおよぶ、 高校演劇の最高峰ともいえる晴れの舞台の国立劇場からの中継録画だ。長女の学校の文化祭で演劇を見て、そのレベルの高さと面白さに感動してしまったのは数年前。決して全国レベルではないし、演劇部に特に知り合いがいるわけでもなかったので思い入れはないのにだ。シンプルな舞台装置とプロットでどこまで感情やメッセージを表現できるか、果敢な演出への挑戦。ついには観客に笑いと涙を誘い、大団円で大きな感動と余韻を残させるその力強さにはいつも大きなエネルギーをもらうことができる。次女がその演劇部にはいってしまったこともあって、じゃあ、全国レベルってどんなものなか、という興味で見てみた。本当に個性が豊かである。審査委員長が言っていたように、問題作だらけだった。そう、今の高校生、社会を笑いと涙できちんとメッセージしていたのだ。そして真摯でまっすぐな姿勢は 観客にもまっすぐに向かってくる。優秀校の舞台で共通で感じたのは、しっかりした基礎力とともに、演じている高校生個人の個性がしっかりとキャストとして生かされていること。指導者の力量というのは、一人一人の能力や感性を引き出すところにあるのだということをあらためて認識させられる。そして何よりも大切なのはチームワークだ。そう、どれも一人では決してなし得ることは出来ない芸術だからこそ、より感動も大きいのだと思う。

見ているだけで疲れる。でも心地よいさわやかな疲れが救いだ。

高校生にとっては野球だけじゃなくて、いろいろな甲子園があるのです。
毎年 恒例で開催される熱い戦いは、多くの体験と感動を残して夏は過ぎていくのでした。






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2008年8月28日 (木)

デザイン物産展ニッポン

Dscf1845

午前中の仕事を終え、移動する途中 銀座松屋に寄った。

土砂降りの頃に小田原から乗ったこだま号は、定刻どおり東京に着いたが、
東海地方の大雨のため運転見合わせに入ったようで、
東京駅のホームは出発待ちの車両と人で混雑していた。

有楽町の空模様も墨を流したように不安定で、時折激しい雨が落ちてきていた。

「DESIGN BUSSAN NIPPON」展
 デザイン物産展ニッポン

2008年8月27日(水)〜9月1日(月)
10:00−20:00
初日19:00・最終日17:00閉場(入場は閉場の30分前まで)
銀座松屋 8階大催場
観覧料:一般 800円 高大生 600円 

主催:日本デザインコミッティー
コミッショナー:ナガオカケンメイ
会場構成:隈研吾
写真:安永ケンタウロス

撮影禁止だったので状況を説明します。

この展覧会、いや物産展はこうなっている。

1メートル角の展示台が47個ある。
その展示台に5つアイテムが展示されている。
47都道府県からナガオカケンメイ氏が
「デザイン」を感じられる新しい物産を探してきたものだ。

5つのアイテムとは

1.伝:その土地らしい伝統工芸
2.伝+DESIGN:伝にデザインを投入した新しい物産
3.食+DESIGN:デザインを投入したその土地の食べ物とかお酒など
4.創+DESIGN:新世代に向け られた新しいその土地の動き
5.本+DESIGN:その土地のタウン誌

会場では

・i-pod touch , iPhoneで  
 無線LANによって配信されている展覧会のガイドを見たり 
 動画や音声で解説をきくことができる。

・1日1つの伝統工芸を職人が実演し、
 1日2回、コミッティのデザイナーとのトークが楽しめる。

・併設のカフェで、
 お茶と共に一部ではあるが展示してある土地の食べ物や飲み物が
 実際に味わえる。

・物産展なので、購入カードを持って出口のカウンターに行くと
 本物を買って帰ることができる。

 

デザイン展としては、デパートの物産展をメタファーにしながらも
非常にユニークで志のあるすばらしい企画である。

会場の入り口で、iPod touch を借りた。
無料貸し出しなので、身分証明が必要だという。
あいにく免許証も保健証も持ち合わせていなかったので 困っていると、
携帯電話の番号を書いてください、と助け舟を出してくれた。
紙に名前と番号を書き終わると、
その場で私の携帯に電話して連絡が取れることを確かめ、貸し出してくれた。

会場は、平日のお昼過ぎというのにかなり盛況だった。
iPod touch片手に、47都道府県をひとつひとつ見て回りはじめる。
展示品に触りたい衝動に駆られてしまうのだが、「だめ」なのでiPod touchで説明をみたり
トラフィックが混んでいて レスポンスがちょっと遅かったりするので、
あらかじめHDDに入れてある動画を再生しながら解説を耳で聞いていると
あっという間に時間がたつ。

しかし、「撮影禁止」に「触ってはいけません」・・・。
展示品はアートじゃなくて実際に購入できる量産品であり、
物産展としてその場で「おっ!いいな!」と思ったら触って、確かめて、買う
という行為までが楽しいんじゃないか、と思うので、ちょっと合点がいきません。
それに多分、見ているだけでは
人も多いしキャプションの小さな文字も読みにくいので、
iPod touchの解説がないとその背景や良さも伝わりきれないとも思った。

今日の実演トークショーは、
福岡の小石原焼「 ロクロによるとびカンナの工程|陶器」だった。
手元が見えないほどの人垣の向こうで、
ナガオカさんと若い陶芸家の軽妙な会話が聞こえてくる。
みんな笑顔だ。

展示してあるアイテムのうち、実際に購入できるものは結構限られていることと
手ごろな値段のものはすでにかなり売り切れていた。

チケットに写真が使用されている
白金」という純米酒の本物を初めて見て、ガツンと来た。
帰ってからどんなお酒かと調べていくうちに、
原研哉氏のデザインであること、
桝一市村酒造という会社、
小布施という街、
台風娘と親しく呼ばれる外国人女性の存在、
と長野県の小さな地域の大きなうねりが見えてきた。
これだけでも大きな収穫だ。


Dscf1852

気になった神奈川県の「濱文様てぬぐい本 」を、
「地元、横浜ジャン!」と自分に突っ込みを入れながらも買ってしまった。
3種類欲しかったのだが、残り1種で在庫は数枚・・・。

Dscf1855

この企画展の300ページにおよぶ図録には、
47都道府県の展示品の写真はもちろんだが、
展示されている5アイテムにもうひとつ
「旅+DESIGN]という項目がr掲載されている。
デザインに興味を持つ人向けに
1県につき11カ所を紹介した1泊2日のトラベル提案だ。
デザイン視点での観光ガイドというのが面白くて、
結局図録もその場で買ってしまった。

これで、当分 日本国内のシミュレーション旅行がリビングで楽しめそうだ。

それにしてもひとつひつのこだわりがすごい。
この展示会、想像を絶する根気と熱意の塊の結果なのだということがわかってくる。

そして「メイド イン ジャパン」の ものづくりの心意気、
「日本の美しさ」を 強烈な説得力で語りかけてくれる。

超お奨めのデザイン企画展である。
期間が短いのが惜しい。

隣のスカンジナビアンスタイル展もすっごい気になったけど、
お仕事が控えているので我慢して退去・・。

 

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2008年8月27日 (水)

太陽の塔

Dscf1829

夏休みに自家用車で旅行した際、名神高速から中国自動車道へ入る吹田ジャンクションで間近に見えた 「太陽の塔」の実物の迫力と存在感の印象が頭から離れない。

1970年の大阪万博は、家族でもの凄い早起きして、名古屋から名神高速を通って高速バスで日帰りで行った。小学校3年生の時である。

高速バスの中から太陽の塔が見えた時の興奮というかワクワクは、鉄腕アトムの世界が現実になったような感じだったというかすかな記憶だ。
どこも2時間待ちなんていう行列も初体験ながら、アメリカ館、ソ連館、カナダ館など外国館の展示は今でも記憶にある。キッコーマンの水中レストランで夕食を食べたなあ。
太陽の塔は結局 中に入ることはできなかったが、そのモニュメントの強烈なインパクトは、岡本太郎という名前とともに私の頭に刻み込まれたのである。


万博記念公園の太陽の塔は1995年に修復工事され、永久保存されることになっているそうだ。

映画「20世紀少年」の公開が迫り、キーとなる「よげんの書」のなかに登場する「太陽の塔 」がこの映画の象徴の一つとしてプロモーションにも使用されることで、ここのところ世間への露出度も高まっていることもあって気になる。本物はもっと凄いはずだったと。

実は原作者の浦沢直樹とは同じ1960 年生まれ。彼は早生まれなので学年は一つ上になるし、「20世紀少年」の主人公のケンジも1969年時点で4年生なので一つ年上だが、「ケンジ世代」とひとくくりにされても仕方ない。「ウルトラマンシリーズをリアルタイムで初代(1966年)から見ている」「月面着陸の生中継(1969年)を夜遅くまで起きてみていた」「大阪万博で月の石を見るために並んだ」ことを自慢する世代を万博世代、というのだそうだ。ど真ん中だ。ケンジが中学校の放送室を占拠して流したのはT-Rexの「20th Century Boyだ。中学校で放送部だった私は昼休みに禁止だったロックやポップスを合法的に流しちまったとか、ローリングストーン、ディプパープル、クイーンを箒のギターで真似したとか・・・。ロックは不良だった。

あああ、なんだか懐かしい。温故知新。

そこで 久々に晴れた昼休みにランチもとらずに会社の近所の「岡本太郎記念館」を訪ねてみた。

岡本太郎記念館開館10周年記念 「太陽の塔−万国博に賭けたもの」展

2008年4月23日(水)〜8月31日(日)
10:00〜18:00
火曜日休館
岡本太郎記念館
東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅より徒歩8分 
都営バス(都01系統) 新橋駅行 渋谷駅行 「南青山七丁目」下車徒歩5分
観覧料 一般 600円 小学生 300円

ギャラリートークもまだあと1回あります。
第三回 8月31日(日)13:00/15:00 (予約不要)
展示解説を交え、「太陽の塔」誕生のドキュメントを深くたどっていきます。

「人類の進歩と調和」
1970年に大阪で開催された日本万国博覧会のテーマだ。
それを具現化するテーマ館であり、岡本太郎最大で傑作の彫刻作品が「太陽の塔」だ。
大阪万博を象徴するモニュメントでもり、誰もが科学による豊かな未来を信じていた日本の高度経済成長時代と科学ではどうにもならない生命のエネルギーとのコントラストをも象徴するモニュメントといっても過言ではないと思う。

Dscf1827

今回の展覧会の目玉は、何といっても新たに資料庫から発見された400枚におよぶスケッチの中から展示されている最初期の数十枚のスケッチだろう。
その生々しい筆跡の力強さからも溢れるエネルギーや意気込みから創造の苦悩までが感じ取れる。 1/50サイズの原型モデルをはじめ岡本太郎自身のことばや当時の「太陽の塔」の全貌を紹介した映像、 そして何より スケッチの数々は「べらぼうなものを作る」と公言した 岡本太郎の思いを体感できる空間になっている。

Dscf1821  

Dscf1824

頭頂部に黄金に輝く未来の太陽、中央部の現在の太陽、背後にある黒い顔は万博の守り神的「過去の太陽」だ。
それらを模型とマケットでじっくり間近にあらてめて鑑賞できる。
今は遺跡のように 特別公開でしか見ることができない内部「生命の樹」の様子もパネルで見ることができるが 、こうなると、一度やっぱり本物を見てみたいという衝動が沸いてくる。

Dscf1834

記念館は太郎の元アトリエ兼住居であり、ブロックを積んだ壁の上に凸レンズ形の屋根をのせたユニークな名建築はル・コルビュジェの愛弟子だった坂倉準三の設計だ。
ある意味そのストイックで無機質な建築と有機的で鮮やかな色彩の作品群のコントラストはお互いの主張を尊敬しあって、心地よさと緊張感が同居した空間だ。
1996年に没して後、ここは記念館として公開され、かつて多くのアーテイストが集ったリビングや、飛び散った絵の具の跡も生々しい創作活動の現場の雰囲気を今に伝えている。実は通勤途中の路地にあるこの建物の前を、私は毎日通っていたので、岡本太郎氏の生前は、何度かその姿をお見かけしたことがある。身近にありながら、特別な空間であった場所に、あえて展覧会として入るのも不思議な感じだ。

Dscf1837

記念館の入り口には、訪れた人たちの感想が自由に書き込めるスケッチブックが置かれている。 覗いてみると、色鮮やかにダイナミックな太陽の塔がいくつも子供たちによって描かれていた。 岡本太郎氏もあのギョロとした目を細めて微笑みそうな最高のメッセージだと思った。

Dscf1839

まだ夏休みなので、親子連れも多く、庭に子供たちの歓声と鐘の音が響いていた。
都会の中の小さなオアシスである。
ぜひ、一度訪ねて 皆さん エネルギーをもらって元気になりましょう!

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2008年8月22日 (金)

GOOD DESIGN EXPO 2008

Dscf1787

グッドデザインエキスポ 2008

2008年8月22日(金) 18:00-21:00
           8月23日(土) 10:00-21:00
           8月24日(日) 10:00-16:00
東京ビッグサイト 東展示棟5~6ホール
入場料:1,000円

主催:財団法人日本産業デザイン振興会
アートディレクション:永井一史

行ってきました。

昨年、18時の開場に遅れること30分過ぎに会場について、ちょうど待ち列が解消したところだった。今年も審査が延びたりして開場が遅れたりすることもあるだろうからと18時30分頃に会場に着くように行ってみた。
今年は昨年以上に来場者が多いことと、昨年の教訓が生かされていないのか、誘導、整列が不慣れなだけなのか、端で折り返しができるほどの長蛇の列に並ばざるを得なかった。
りんかい線の駅を降りたところから一緒だった某大手メーカーのデザイン部門長やデザイン事務所社長らもまじめに並んでいる。これから折り返す人とすれ違いざまに挨拶しながら進む。
4列に並んでくださ〜〜い、と呼びかけておきながら圧倒的に多い特別招待券受付が3列の上、受付のテンポ、導線がよくないので前に進まない。入場シールの剝離紙を捨てる箱を入り口に用意すべきという昨年の反省、要望、提言も事務局は今年も配慮できなかったのか、聞く耳を持たないのか、あいも変わらず動員や、イベントとしての進化には熱心だが、ホスピタリティーに欠けるのは毎度のことだ。デザイン系の学生さんのアルバイトの場として貴重なのでしょうから、そういうことも教えてあげる人や場であるともっとよくなると思うのだけど。

この会場での大学のブースを見て今度は自分が企画してみたい!とその大学に進学し、そして在校生になって高校生に魅力を語る、という循環が起こるまでになっているんですよと、産学をやったときお世話になった先生から会場で立ち話で聴いたいい話。なるほど、そんな効果があるんだ。なるほどデザインのお祭りだ。


Dscf1794

Dscf1791

まずは自社の展示と周囲を確認し、お仕事終了。

それにしても会場は広い。
百花繚乱、玉石混淆、同窓会の様相。
今年は1次審査でかなり同アイテムの中で絞り込んだそうなので、同じようなデザインがずらりと並ぶ、というシーンはなかったのがせめてもの良識。
とても全部は見切れません。

が、普段見ることが出来ないものが一同に会し、手に取り、感じ、デザイナーが誰であるか,
ディレクションをしているのは誰かなどを確かめ、今を知ることが出来る貴重な機会であることは確かだ。そして 年1回いつもここで会う人、久々に会う人など、交流、情報交換の場でもある。

興味深いものはたくさんあれど、会場に入って2時間もすると足が疲れてくる。

審査員の方々の「私が選んだ一品」は、結構、緩いものが多い気が・・・。
真剣に審査していると疲れるんでしょうね、きっと。だからちょっと緩いもの選びたくなるんじゃないかと・・。

でも足を運ぶだけの価値はあると思います。

Dscf1779

新領域では、「デザイン」という枠組みが広義であり、審美性はともかく、考え方、活動を評価してほしいという内容まで含まれてくるので、ユニークさやバリーションは豊かだ。しかし、これをグッドデザインとしてよいのか!? 見る側にも 応募者の意思を汲み取り、デザインという行為を定義する力や、バランス感覚を要求されている気がした。

ちょっと気になったのモノのうちのいくつか

Dscf1771
Dscf1772


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2008年8月21日 (木)

NOW UPDATING... @ggg

Dscf1740

NOW UPDATING…THA/中村勇吾のインタラクティブデザイン

2008年8月5日(火)~8月28日(木)
11:00〜19:00(土曜日18:00まで)
日曜・祝祭日休館
ギンザ・グラフィック・ギャラリー(DNP銀座ビル)
入場無料

移動の途中に行ってきました。

デスクトップで体験できてしまうWebデザインの「企画展」がどういうものか、という興味もあって。
展示内容は基本的に今までにリリースされたサイトと、一部に新しい実験的な作品というラインアップ。

1階はすでに公開されているサイトなのだが、縦長の大型ディスプレイで展示されているため、普段見慣れている PC のディスプレイで見ている作品への印象と異なる部分が見える。インタラクティブなアクションのインパクトとともに、1枚の静止画(グラフィック)として完成度の高さ、カッコよさ、というのが再確認できる。

 

この企画展に行ったらとにかく、地下1階を体験してください。

展示してある15の全ての作品を1秒、10秒、1分 という単位でくくって、一つのインスタレーションとして部屋全体で表現しているのだ。

既に公開されている作品も、大画面、複数画面で見ることでこれも新しい印象を受ける。また、実験的な未公開作品3点も ウイットに富んでいて、創作マインドをくすぐってくれる。
一つ一つの作品をじっくり見ていても、全体を感じる仕掛けになっているところがすごい。

これは、ライブなインスタレーション、まさに「時間」に満ちた空間だ。

今、一番 旬で楽しく刺激的なデザインの企画展だと思う。

滞在時間わずか30分未満でも、十分刺激的でした。


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2008年8月16日 (土)

スポーツ中継とドラマの演出

Dscf1720

夏休み明けからのロケットスタート1週間経過。
連日の北京オリンピック報道も気になる。その真剣勝負の表情や瞬間の感動を共有する魅力は捨てがたく、つい帰宅後にテレビを見てしまうので、さらに寝不足気味だ。
高い契約料を払っているアメリカへの生中継のために競技時間が朝一に変更されたりなんてことがあったようだが、日本での時差1時間の恩恵は大きい。生中継でこれだけの感動を実感できるオリンピックは久々だからだ。

やっと週末にたどり着いた。
大気が不安定でゲリラ豪雨に注意との報道だが、自宅付近は影響なく、あまりに暑いので、クーラーのきいたリビングでテレビ観戦、といきたいが昼間からオリンピック中継はちょっと食傷気味。夜と明日にとっておこう。
そこで、録画しておいた「ゲド戦記」を今更ながらであるが鑑賞。実は初めて。
う〜〜ん。やはり 宮崎駿をはすごいと改めて確認できたことが収穫か。

スポーツ中継のバラエイティ化が著しいが、競技を淡々と正確に伝えることが結局何より感動が伝わる。そうはいっても、その正確に伝えることは、アナウンサーの実況中継や解説者のコメントではなく、映像そのものである事実は動かしがたい。
ハイビジョン映像、ハイスピードカメラが捉える汗や水しぶきの動き、高性能の高倍率レンズが映し出す選手やコーチ、観客席のアップの表情、肌から吹き出す汗などの臨場感は、かつての市川崑監督が「人」をテーマにした記録映画「東京オリンピック」を彷彿させる演出だ。演出といっても生中継だから 事実を微細な情報まで伝えることが出来る放送技術の発展がそのライブ感を一層盛り上げて感動を呼び起こしているのだと思う。結果やダイジェストが中心の細切れで合理的な情報が中心のネット映像との差別化けもその背景にあるのかもしれない。

一方で通常の定番番組は視聴率に苦戦しているらしい。
そんな中で、の安定した視聴率を誇っているのがNHK大河ドラマの「篤姫」だ。
10日の「桜田門外の変」は柔道男子66キロ級の生中継(内柴正人 の金メダル獲得)をあっさり上回っていただけでなく、放送開始以来過去最高となる26・4%だったそうだ。

我が家では毎週楽しみに見ているのだが、最近はオープニングのクレジットの最後の最後にその回の演出家(映画で言う監督ですね)の名前を非常に気にしている。
8月10日は 堀切園健太郎氏であった。その名前が出たところで、「お〜〜!!」という私は唸ってしまった。「桜田門外の変」の演出が「堀切園健太郎」。NHKが北京オリンピックの中継を止めてでも定番の大河ドラマを放映する自信とそれに懸ける意気込みを感じてしまったのだ。その瞬間から最高視聴率を予感し、中盤の見せ所を期待させるに十分だった。

「篤姫」の演出については このブログの7月13日のエントリーを読んでいただきたい。
手持ちカメラで表情をアップで捉えて、感情の高ぶりや緊迫感を表現する演出や音楽の取り扱いは、やり過ぎかなと思えてくるところもあるくらいだ。
今回も濃い内容てんこ盛りで急展開な時代を一気にダイナミックな演出で見せてくれた。

最初に幾島との別れの場面での台詞のやり取りは「女性脚本家ならでは」(「嫌いだった」と切り出す天璋院に「手に負えなかった」と返す幾島)であり、松坂慶子と宮崎あおいの優れた女優の演技と表情を堪能させてくれたのである。宮崎あおいの涙は演技ではなく本当の涙だったのでは!?と思わせる場面だった。
そして「安政の大獄」と薩摩での大久保や帯刀の様子、公武合体へと動いていく慌ただしい様子が描かれる。新しい動きとして高橋英樹役の島津斉彬没した後の大河ドラマの看板スター男優として登場したのが、勝麟太郎役の北大路欣也。新撰組の時の野田秀樹の印象が尾を引いていることと、年齢にそぐわない若さを演じることにちょっと無理を感じてしまったのは私だけではないと思う。「薩摩の斉彬さまが生きていれば・・日本ももっと良かったでしょう」「いや、こたびの処罰で隠居にでもなっていただろう・・」のやり取りがたまらない・・。意思を貫く堂々とした言動と機転の利く人物、天璋院とは気が合うという印象を焼き付けて今後の新しい期待を視聴者に与えてくれるシーンでした。
そして勝麟太郎が天璋院に持ってきたおみやげが「ソーイングマシィーン」。日本で初めてミシンを使ったのが天璋院とのこと。ちなみに美術さんは当時の本物のミシンを探し出してきたようだ。
ここまでの大老・井伊直弼の悪役ぶりは、中村梅雀の名演技あってのことだ。頭を下げながらも一瞬だけニヤリと笑うアップなんぞ、最後のシーンへの布石とはいえ、憎々しさが増長される演出に敬服だ。
井伊大老と天璋院の狭い茶室での緊張感あふれる駆け引きでは、ひとつひとつの所作や会話から人柄がにじみ出るような丁寧な演出でじっくりその心の変化を見せた。その直前の娘のように無邪気にミシンを使う天璋院や、その後の華やかな大奥の雛祭りの様子を細かいカット割りの連続で見せる演出とのコントラストでより際立たせていたのだと後で解る。
ちなみに、茶室で使われいた茶碗は安土桃山時代の本物だとNHKのブログにある。そのこだわりぶり、本気度が凄い。

そして、いよいよラストシーン。
「篤姫」では、殺陣や人が命を落とすシーンはほとんど描かれない。血の出る描写なぞほとんどない。それが安心してみることが出来る所以であり、従来の戦国時代を描く大河ドラマを期待している視聴者への物足りなさにもなっているのだろうが、だからこそこの事件をどう見せてくれるのか…期待が高まる。結果としては、籠の中の井伊大老の表情ですべてを語ろうという演出だった。大奥の雛祭りの色鮮やかで笑顔の溢れる平和な風景とモノトーンで音のない暗殺劇を交互に見せながら、その意味を中村梅雀氏の顔の表情だけで語らせたのだ。
そして、カメラワークは天から真っ白な雪の上の人の動きを客観的に捉える。
こ、これって、「新選組!」の時と同じアングルでは!
恐るべし堀切園健太郎・・。

明日は「皇女和宮」。そして演出は多分2回分なので「堀切園健太郎氏』
新たな展開にまたまた視聴率はあがるのであろうか。

スポーツ中継であろうと ドラマであろうと
心が見え、感動をゆさぶるためには
映像による演出がいかに大事か、というお話でした。

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2008年8月 7日 (木)

イサムノグチ庭園美術館

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旅の4日目は、瀬戸大橋を渡り、四国に入った。
目指すはイサムノグチ庭園美術館である。
ここの見学は、火・木・土曜日の10時13時15時からと曜日と時間が決まっており、なおかつ往復はがきで事前に予約をしなければならない。料金は大人2100円でガイドツアーによる約1時間の見学である。興味、関心のない人、ふらりと思い立ったからというヒトにはハードルが高い。観光案内やガイドブックにも載っていないので、知るヒトぞ知る、イサムノグチ詣での聖地のようなところである。

国内でイサム・ノグチの彫刻を見ることができる場所はここ以外には、2002年のグドデザイン大賞を受賞した札幌の郊外にあるモエレ沼公園がある。札幌出張の折に、当時のボスと二人でタクシーを飛ばしてその壮大なスケールを味わった覚えがある。
2005年秋には東京都現代美術館で大規模なイサムノグチ展が開催されたり、その翌年には横浜市美術館でもイサムノグチ展があったので、記憶にあるヒトも少なからずいるだろう。
私はその二つとも行き損ねているのだが。

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ここイサムノグチ庭園美術館は非常にわかりにくく不便な場所に位置する。なぜなら、美術館としての建物ではないからだ。まさにイサムノグチの創作の現場だからである。高松から牟礼の町に入ると石材店が軒を連ねる。石屋さんの続く細い道を抜けると集合場所の建物にたどり着く。虫除け、日よけの麦わら帽子などもも用意されている。30分ほどビデオ鑑賞しているとほどなく出発時間になる。今日の見学者は20人くらい。美術館の人の説明を聞き、後についてきれいに竹箒で掃き清められた道を歩く と美術館にたどりつく。

美術館といっても、イサムノグチ自身が1969年からこの地にアトリエと住居を構え、1988年12月30日にニューヨークで没するまでの20年間、ニューヨークのアトリエと行き来しながら創作活動をした場である。この場所には主に春と秋、季節の良い時期だけ滞在していたそうだ。

まず案内されるのは作業蔵と、作りかけの彫刻、完成した彫刻がイサムノグチの意思で配置された庭である。整理された道具が並べてある蔵や彫刻の周囲を歩いているとふと横からイサム・ノグチが今でも歩いてでてきそうな雰囲気なのである。圧巻は代表作であるエナジーボイドを納めるために愛媛から移築したという展示蔵だ。通り抜ける涼しい風に吹かれながらいつまでもエネルギー溢れる彼の作品に触れていたい気持ちになる。その後、彼が暮らした「母屋」、母屋の奥にある「彫刻庭園」を見学する。母屋の中には入れないが、イサムノグチが暮らした当時の姿のまま保存されている玄関や格子戸からお庭や室内をのぞいて鑑賞する。 解体される予定であった古い日本家屋を移築し、彼自身が暮らしやすいように畳と床の高さを調整するなど改装された居住スペースには、彫刻作品やAKARIが置かれて、高い精神性が伝わってくるようであった。

母屋の裏山にあった段々畑に盛り土をして創作した「彫刻庭園」は.花見や月見をしたプライベートな公園だったそうだ。小山を登ると牟礼の街、瀬戸内の海が見渡せた。娘と二人で水筒からお茶を飲んで一息つく。(飲食は禁止だが、暑いので水分補給は推奨していた)

音楽を演奏するとき、楽譜から音を作り上げる再現芸術ということを意識せざるを得ないことがある。そのときは、作曲家の意識を生き様や時代背景などから推察するアナリーゼをしたりする。アートは再現芸術ではないが、作者が生前、どんな環境で創作活動をしていたのか知ることは、その作品群を鑑賞する際、大きな手がかりになることは確かだ。

そのときその人が何を考え、何を目指していたのか。
そうすることで、今度は自分自身が何をすべきなのか、考えるきかっけにもなる。

美術館手前の山椒山公園にはイサム・ノグチがデザインしたプレイスカラプチャーとシーソーの遊具が2点設置されていた。遊んでいたのは 先ほど一緒に見学していたカップルだったりするのだが、イサムノグチは日常生活の中にアートを持ち込むエレメントとして数多くの遊具も創作している。横浜のこどもの国やモエレ沼公園に行くと、子供達の遊ぶ姿から既成の概念ではない形の面白さに気づかされる。

イサムノグチの作品からはいつも多くのメッセージが発信されていると思う。

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2008年8月 6日 (水)

アートサイト直島

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旅の三日目、ベネッセアートサイト直島を堪能する。

ベネッセアートサイト直島」は、2004年からの直島内でのアート活動の総称である。ベネッセ・コーポレーションが1986年から直島に文化村構想を持ち込んだ。その後、「自然・建築・アートの共生」をコンセプトとしたアート活動展開される。その中でも安藤忠雄氏が初の美術館として設計した「(旧称)直島コンテンポラリーアートミュージアム(1992年)」はこの構想の中心施設となる。また、97年にスタートした「家プロジェクト」は、どこにでもある街並保存という発想ではなく、古民家の保存と再生による歴史観、文明史観へのチャレンジだ。「サイトスペシフィック・ワーク」によって生み出される「直島にしかない作品」群は、ここでその時にしか体験できないインスタレーションであり、我々自身の感情にすべて委ねられてしまうアートだ。
こうした「現代美術と自然と歴史」を基軸とした活動が、村の営みと島の歴史に視線を向けることにもなり、結果的に多くの地域住民を巻き込み、共感を得てきているという。

具体的には、家プロジェクト第1号である「角屋(かどや)(1998年)」を創る際、アーティストの宮島達男は、地域住民参加という手法を取ったという。町民125人を公募して作品を構成する125個のディジタル・カウン ターの点滅速度を、その一人一人にセッティングしてもらったのだ。猛暑の中を歩いてきて、実際にひんやりとした角屋の暗闇に佇むと、カウンターのまばたきからヒトの息づかいが聞こえてくるようで不思議な感覚にとらわれた。
コンテポラリーアートという新しい試みに対 する保守的な町民の反感、抵抗感をワークショップという形から融合させていくことができた好事例だと思う。

2004年、アートサイト直島の活動とは別に、塩田跡に安藤忠雄氏設計による「地中美術館」が完成する。

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今回、午前中にまず本村の観光用駐車場に車を停め、「はいしゃ(大竹伸朗 2006年)」→「南寺(ジェームタレル、安藤忠雄 1999年)」→「角屋(宮島達男 1998年)」→「護王神社(杉本博司 2002年)」→「碁会所(須田悦弘 2006年)」と回る。外観以外は撮影禁止であり、撮影したところですべて体験しないと意味がないので、ここは画像を省く。とにかく暑い。路地に日陰がない。香川、高松からの小学生の団体が小グループに分かれて、どうも同じパターンで行動していたため、どこにいっても入場するのに待たされてしまった。こういうときはパターンをずらせばよいのである。


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ということで早めのランチだ。老舗(!?)のカフェまるやではなく、あえて「あいすなお」へ。元IT企業のサラリーマンだった横浜出身の店主が、築80年の家屋を自力で改装したカフェだ。まだ誰もいない店内で、扇風機に吹かれながら足を伸ばし、小豆島のそうめんと玄米のおにぎりをいただく。食べ終わる頃には店内は満員に・・・。

元気を取り戻して、先ほど満員で入れなかった家プロジェクト第2号の「南寺(1999年)」を再び目指す。一度に16名しか入場、体験できないので時間指定の整理券が配られれているのである。そうとは知らずにやってきたフランス人の団体さんは、コーディネーターのヒトが汗だくで交渉をしていた。この暑さの中で数時間先まで時間を潰すのは確かに大変だ。

「南寺」はジェームズ・タレルの作品のサイズにあわせ、安藤忠雄氏の設計で新たに建てられた建物だ。かつてここにはお寺が実在していたそうで、コンクリート打ちっぱなしがお家芸の安藤氏があえて外壁を周囲の街並みと同じ焼杉板と同じにすることで環境にとけ込ませ、人々の精神的な拠り所であったということを記憶にとどめる役割も担っているようだ。
ジェームズ・タレルの作品「バックサイド・オブ・ザ・ムーン」は、15分間の衝撃的な身体感覚の体験です。言葉では表せませんし、意味がないのでぜひ一度訪問してみてください。その価値はあると確信します。

下の画像は 南寺に隣接する公園にある公衆トイレの建物。南寺と同じ外壁で、その直方体と呼応するかのように円柱型が印象的だった。

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この後、千住博氏のザ・フォールズを見るために「石橋(2006年)」まで歩く。

残念ながら母屋は閉鎖中だったが、直島のために描かれた高さ3m×幅15mの大作を前に、暗い蔵の中で、蝉時雨がいつのまにか滝の音に聞こえるような静かな時間をしばしすごした。

平日に見ることができる家プロジェクトを制覇し、車に戻ってエンジンをかけると、気温計は41度を指していた。

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午後は安藤忠雄建築三昧である。建築そのものがアートでもある地中美術館をゆっくりと鑑賞し、ケーブルカーで往復してオーバルを見た。そして17時からのベネッセハウスミュージアムのギャラリーツアーに参加した。

地中美術館では、クロードモネ室の床材についてや、ジェームスタレル室にタレル自身が来たときのお話などについて、信國大志さんがデザインした白いユニフォームに身を包んだスタッフがわかりやすく質問に答えてくれた。

ベネッセハウスミュージアムのギャラリーツアーの担当は支配人の男性だった。
コンテポラリーアートは作者が意図を説明したりすることはなく、すべて鑑賞者の気持ちや解釈に委ねられることをまずわかりやすく説明し、それぞれのアートの隠された魅力や、美術館に設置後のエピソードなどを紹介してくれた。杉本博司氏の写真作品が直射日光にさらされる屋外のコンクリート打ちっぱなしの壁に、それも実際の瀬戸内海の水平線と一致する高さに展示されていること、ギャラリースペースに入っていくコンクリートの壁の目地に雑草が生えていること(家プロジェクトの碁会所の須田さんが制作したほうの木の彫刻)、吹き抜けスペースに置かれた「天秘」という大福餅のような石の彫刻は、その上に寝転がって空を眺めると気持ちいい、などなど、アーティストのお茶目でユニークなチャレンジ精神までをわかりやすい言葉で語ってくれた。

夕食を済ませたあと、再びベネッセハウスを訪ね、娘と二人で石の彫刻の上に寝そべってしばしマジックアワーの移ろい行く空を眺めた。貸し切りのような美術館でゆっくりととした時間が流れる、何とも贅沢なひとときだった。

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宿泊は 安藤忠雄建築では珍しい木造の宿泊施設 Prak棟(2006年)だ。
部屋にテレビはなく、BoseのWaveMusicSystemだけがある。お気に入りのCDを持参ください、と案内にあったので、モーツアルトの室内楽やピアコンなどを聴きながら寝るまでの時間を過ごした。

直島、それはフェリーに乗ったその瞬間から、時間がゆっくり流れる空間へのいざないだったのです。

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海の駅なおしま

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倉敷から1時間で宇野港に到着。
そこからフェリーで20分。
赤いカボチャが近づく桟橋に見えてくる。
そして巨大な屋根が細い白い柱だけに支えられた様に見えるシャープな建物の中に向かって、フェリーから車を滑り込ませる。そこはSANAA設計で2006年10月にオープンした「海の駅なおしま」だ。もうこれだけでワクワクである。
構造を観察する。白い柱だけで支えられていたと思っていた屋根は、所々の要所に配置された鏡面の壁でも支えられてる。券売所、案内所、カフェなどが入ったガラスボックスの内部も高さ4mの空間がすっきりと明るく見通しがよい。白を基調としながら直線と金属、コンクリート、ガラスで構成されたシャープで斬新な建築は、金沢21世紀美術館でも感じたように機能や行動がきっちり配置されていることだ。この直島に出入りする交通量やこの施設を利用する人々の導線、視線、気持ちに配慮しながらゲートとしての機能をダイナミックかつ繊細な表現で風景に馴染ませてしまっている。見事だ。

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2008年8月 5日 (火)

大原美術館

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旅の第二日目は大津から倉敷に移動。
我が愛車で名神高速道路から中国自動車道、山陽自動車を走るのは初めてである。話には聞いていたが吹田ジャンクションで太陽の塔があんなに間近に見えるとは思わなかった。大阪万博以来の再会を果たして感動ものだった。運転をしながら横目でちらりと見る私よりも、助手席の中一の娘がこのインパクトのあるモニュメントを1コマ納めようと必死で写ルンですを構えていたのが面白かった。機会があれば岡本太郎記念館に連れて行くことにしよう。

倉敷と言えば大原美術館。日本最初の西洋美術中心の個人美術館である。昭和の初めに、倉敷紡績の第二代社長だった大原孫三郎は日記に「余がこの資産を与えられたのは、余の為にあらず、世界の為である」と記しているように、私財を投入して大変多くの公共事業を手がけた。その一つが大原美術館である。大原美術館と言えばエルグレコの受胎告知。これがこの美術館の看板作品であることは疑いの余地はない。しかし、私にはやはりこの美術館の幅を決めたというレオンフレデリクの「万有は死に帰す、されど神の愛は万有をして蘇らしめん」を間近に見たインパクトの方が強烈だった。絵も大きいが、題名も長く、世紀末美術の神秘性を超えた象徴性は一見の価値ありである。

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美観地区の歴史的建造物の中でこのギリシャ神殿風は正直ちょっと違和感がある。この建物の設計は大原氏の奨学金を得て東大を出た建築技師、薬師寺主計算(やくしじかずけ)であり、留学の際、まだ無名だったル・コルビジェを訪問し、彼の重要性を認め日本に紹介した人物だそうだ。

外は暑いので、音声ガイドを借りて館内をゆっくり鑑賞し、分館、工芸東洋館もすべて回る。ただし、 米蔵を改装した工芸東洋館とアイビースクエア内の元工場を改装したクラボウ記念館は冷房がないため、直射日光を遮ることはできるが、蒸し風呂のように暑い・・。大丈夫なのか所蔵品・・。

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「倉敷アイビースクウェア」は、その名の通りアイビー(蔦)に覆われている。倉敷紡績の創業工場跡地をリノベーションした宿泊施設である。工場当時から真夏の暑さを減らすために蔦で覆い、井戸水を循環させる冷房装置もあったそうだ。、環境負荷の少ない冷房方法を実践していたことになる。今では環境問題のお手本のような建築なのである。

美観地区の夜は早い。18時を回るとほとんどの店が閉まり、観光客も姿を消してしまう。
テーマパーク貸し切り状態のなのである。
観光用の川舟が30分おきに定員6名で運行されている。
夕陽が町並みに隠れ、川面が少しは涼しくなる頃に乗ってみた。
年配の船頭さんがゆっくりと舟を漕ぎながら、東京方面からのリタイアされた老夫婦、私たち親子、そして海外在住帰国中の大学生と言う観光客に、やさしく歴史を語ってくれる。
なんともゆったりとした時間が流れ、二日目の旅を終えたのである。

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2008年8月 4日 (月)

旧八幡郵便局

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夏休みを利用して、自家用車で旅に出た。
7時40分、横浜の自宅を中1の次女と二人で出発。
テーマは建築とアートを堪能する。
単に私の行きたい所に行くだけのわがままな計画の決行だ。

次女は関西方面に初の旅行(京都まで行ったことがあるが)をするとうので、日本脳炎の予防接種も受けている。準備万端だ。

東名高速を順調に西に走り、上郷サービスエリアで上郷名物「手作りカレーパン半熟卵入り」なるものをランチに食べる。名神高速八日市ICから一般道を走り、最初の目的地である近江八幡市の市営多賀観光駐車場には、一番暑い時間に到着した。駐車場に車はわずか数台、街を散策する人影もほとんど見かけない。

ここで一番に見学したかったのは電話予約が必要な「ヴォーリズ記念館」である。
月曜休館であることは知っていたが、諸般の事情により日曜出発を月曜に変更したため諦めた。猛暑の中、外観だけをじっくり眺めさせていただいた。
ヴォーリズ建築を最初に意識したのは東京・お茶の水にある大正14年に竣工した「主婦の友社ビル」である。私が知っている「主婦の友社ビル」は1987年に磯崎新氏の設計によってファサードの外形骨格と一部のオーナメントのみが復元されて「お茶の水スクエア」として立替られた現在の姿である。ここに日本初の民間が運営するクラシックの室内楽専門ホールとして「カザルスホール」がオープンした。ホールの独自性(世界初のビオラのための企画「ビオラスペース」を成功させた)と、そのシンプルながら重厚な外観をもつこの建築は私を魅了した。2003年に日本大学がこのお茶の水スクエアとカザルスホールを買収し運営されている。近くにあるアールデコ風な「山の上ホテル(1937年)」が現存するヴォーリズ建築そのものであることを暫くしてから知った。そして6年ほど前、横浜に唯一現存するヴォーリズ建築である「横浜共立学園本校舎(1931年)」の内部に入る機会を得た。「使う人の立場になって設計をする」というヴォーリズ建築の特徴を実感した。その後、北海道への家族旅行の途中で、北見にある「ピアソン記念館(1914年)」を訪ねたり、大阪出張の際は心斎橋の「大丸百貨店(1933年)」をなめ回すように見学したりしてきた。 

ヴォーリズとは、今では誰でも知っている「メンソレータム」の会社を作ったヒトといえば、わかりやすいだろう。熱心なキリスト教徒としての伝道活動とともに社会教育、出版、医療、学校教育などの社会貢献活動を行いながら、それを支えるために建築設計会社や製薬 会社などの企業活動を展開した。建築の設計はアマチュアだったそうだが、アメリカ人建築家の協力を得て海外の 技術を吸収しながら基礎を確立し、住宅を はじめ学校、幼稚園、教会堂、礼拝堂、YMCA、YWCA、病院など1500〜1600件の建築を手がけたと言われる。合理性と簡素さを両立しながらも、日本の風土に馴染んだ親しみやすい様式が多くの人々の共感を呼んでいるのだと思う。2008年は、ヴォーリズが建築設計事務所を開業してからちょうど100年に当たる年なのである。

近江八幡にはヴォーリズ建築が多く現存している。
そのうちの一つ、旧八幡郵便局は現在NPO法人・ヴォーリズ建築保存再生運動「一粒の会」の事務局として、そしてギャラリーとして保存再生活用されながら一般に公開されている。

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1階はほぼ改修が終わっていたが、中庭に出てみるとまだまだ途中であることがわかる様相だ。ギャラリーの店番の方とお話をしながら、2階も見せていただけないかと申し出てみると、こころよく階段の先の扉の鍵を開けてくれた。窓の開いていない2階は、熱気がこもり立っているだけでも汗が滴り落ちるような状況だったが、せっかくのご好意に、資料のパネルやらゆっくりと見せていただいた。それでも床に穴があいていたり、壁が一部崩れたりと、改修はまだまだこれからの様子だ。

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最初の画像は、この2階の奥の扉にあった水晶のドアノブだ。
1階の局長室の扉の紫水晶のドアノブは有名だが、2階のは薄桃色だった。こういうディティールが面白い。

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しばし、1階のサロンで通り抜ける風にあたりながら流れ落ちる汗が収まるのを待ち、朝、自宅で入れた冷たい麦茶を入れた水筒を飲み干した。

このあと、 ヴォーリズ建築第1号である「アンドリュース記念館(旧YMCA会館)(1907年)」の外観を見る。ここは一昨年に再生のための改修工事が行われ、高齢者や障害者などの介護予防拠点施設として蘇っていた。中からは清楚な合唱の声が聞こえてきて、地域住民に親しまれる介護のモデル施設として先導的な役割を既に果たし始めていることが実感できた。

何せ関西は暑いのである。
わしゃわしゃと、クマゼミの合唱も凄い音量で、暑さに輪をかける。
途中、いろいろ道草を食いながらも何とか丹下健三建築のホテルに到着。
夕陽を眺めながら第1日目の旅を終えたのである。

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2008年7月25日 (金)

夏休み恒例企画

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今日は東京都現代美術館で二つの企画展のオープニング、内覧会があった。
せっかくご招待状をいただいておきながら、仕事の都合が付かず間に合わないため諦めた。
この招待状、期間中は入場券としても使用できるので、夏休み中に家族が利用することになるだろう。

MOTは、日本テレビの代表取締役である氏家斉一郎氏が館長だ。東京都から赤字解消のため経営のプロとして送り込まれたのである。
日テレとスタジオジブリの関係は、ナウシカとラピュタのテレビ放映権を日テレが買ったのをきかっけに、その後の作品の制作に日テレが加わったことで、give&takeの強固なものになったようである。このような背景があって、現代美術館としての知名度、集客力をあげるために、夏休みにジブリに関係する企画展が恒例になっている。アニメーションが優れた芸術であり、東京都の産業でもあること、TOKYO発のアニメーションであるジブリの作品を紹介していくことは美術館にとっても意義のあることだとしている。
確かに独自の視点での好企画であり、毎回高い集客力を誇っているようだ。
今年は入場時間予約制なので、ふらりと気軽に行くことができないのだが、炎天下で入場待ちやら、入場してからも列に並んだり、ヒトの頭ばかりでゆっくりと鑑賞できないという事態にはならない。子供連れが多いだろうし、アニメ制作の工程をじっくりと鑑賞し理解できるという意義は大きいのだろう。

同時に開催されるパラレルワールド展にも足を運んでくれると、多くのヒトが多様な表現の可能性に気づいてくれるのだと思う。

高畑・宮崎アニメの秘密がわかる
スタジオジブリ レイアウト展
2008年7月26日(土)〜2008年9月28日(日)
10:00−18:00
入場指定時間:10時/12時/14時/16時の4回 
休館日:月曜日(但し、8/11・8/18・9/15・9/22は開館)
東京都現代美術館(江東区・木場公園内)
観覧料:一般、大学生 1,200円 中高生 900円 小学生 600円 小学生未満無料
入場日時指定の予約制
チケットは全国のローソン店舗内「Loppi」で



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2008年7月22日 (火)

ここはパリ?

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日本で一番フランス人が多い街は?
多分 神楽坂でしょう。
日仏学院があるから。

上の画像は、知るヒトぞ知るフランス書籍専門書店”欧明社・リヴ・ゴーシュ”。
パリの街角 そのままです。
中に入ると、レジ番のヒトもフランス語の新聞を読んでました。

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傍らには ここも知る人ぞ知るフレンチレストラン ラ・ブラッスリーがある。
日本とは思えない雰囲気、ロケーションにファッション誌の撮影が絶えないそうだ。
日本人向けの繊細なフレンチに慣れたヒトにはちょっと大味だがカジュアルでリーズナブル、ネイティブの太鼓判付きだ。その証拠にランチタイムの6割はフランス人だとか。

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ここは フランス政府の公式機関であり、語学学校、文化センターを兼ね備え、様々なイベントがいつも開催されている誰にでもオープンな 情報発信基地だ。

そしてもう一つ興味深いのは、この建築がコルビジェの弟子であった坂倉準三の現存する数少ない現役の建物であること。

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1951年に竣工した部分、二重螺旋構造の塔の中にも自由に入れてその不思議で美しい空間を満喫できます。窓のつまみやら観察したいディティールはたくさんあれど、ワインでいい気分な足取りに、昼間 また改めてくることにしました。

本来なら耐震構造上 問題があって壊すことになるような建物だと思うが、フランス政府がお 金をかけてでも“いい建物だから残す”という結論を出しことは画期的だ。逆にフランス政府の建物だからこそ文化遺産として残しながら活用されているということも、日本人として考えさせられることも大きいと思う。1994年に「みかんぐみ」によってリノベーションされた今も、その新鮮さを失うこと無く、多くのヒトがフランスの文化に触れ、楽しめる場所として活用されていることは素晴らしい。





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2008年7月 6日 (日)

コンパクトカメラ

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我が家のコンパクトカメラの歴史。

上は 1989年 パリに1週間旅行に行くために買った初代ビッグミニ。
当時は世界最小、最軽量と画期的に小さく、写りもシャープで、35cmまで接写ができる=素晴らしい性能とデザインを誇った。
接写ができる、とはどういうことかというと機内で座ったまま機内食を撮影しても全体が映るということだ。真のコンパクトカメラの登場だったのだ。
旅先で、気になる風景やモノに出会う度にポケットから取り出して、気軽にスナップを撮る、という体験を大いに満足させてくれた。
当時、勤め先のカメラでなかったので会社には内緒で買った。後で上司にものすごく怒られた。

その後結婚して、子供が生まれて一眼レフを買いなおした。それまでは学生時代に買っPENTAX MXだった。子供の表情や動きを一瞬たりとも逃したくないと、第3世代のミノルタαシリーズ。「フラッシュ内蔵の新世代AF一眼レフカメラ」。売りはグリップを握るとスタンバイし、ファインダ−を覗くとAFが作動するという「ゼロタイムAF」。小さくてすべてオートでコンパクトカメラのような一眼だった。

1995年にやっと欲しいコンパ