2012年12月 3日 (月)

ほんとうに豊な生活とは

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伊豆高原広のとある別荘地の北側斜面に建つ友人宅からの富士山。

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富士山は、このベランダからの眺めだ。写真のちょうど中央の奥に頭だけが覗く。

ここは大学時代の同級生が最近暮らし始めた自宅だ。

大学を卒業後、彼はグラフィックデザイナーとして某メーカーのデザイン部門に就職、その後北米駐在や欧州での仕事をし、ここ数年は日本の本社に勤めていたが、6月末に早期退職し都内からここに引っ越してきた。
たまたま春に仕事で久々に彼と会う機会があり、そこで初めて退職することを知った。
夏を過ぎ、そろそろ落ち着いたかなと連絡を取ってみたら、なんと伊豆に住みはじめた、というのでビックリ。ゆっくり話をしたいから遊びに行くよ、と連絡をしてみたら、せっかくだから泊まっていけば、というお誘いに、それではと、お互いに昔のノリが嬉しい。
紅葉シーズンの混雑が収束し、雪が舞い始める前にと、もう一人に親友と訪ねてみた次第。
そうそう、大学の時は研究室もサークルも違っていながら、3年から卒業研究の頃までほぼ毎日一緒に学食にランチを食べにいっていっていたし、そして社会人になってからも同級生の事務所に月1回仕事の後、酒とつまみを持ち寄って集まり、デザインで世の中に役に立つことは出来ないか、などというディスカッションのような雑談をしていた仲間同士なのだ。20代の頃の話だけどね。

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軒にぶら下がる干し柿。彼の東北にある実家の柿の木になる実を全部とってきたんだそうだ。一部は干し柿にしたけど、皮むきの手間が大変と、残りはヘタの先を切って焼酎につけて強制的に甘い柿に変身させていた。

枝は暖炉用の燃料用。この確保の話と加工の道具や話がまた面白かった。

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自宅の全景。赤いポストが素敵だ。朝、新聞取りにくるのが大変だなあ,って思ってたら新聞をとっていなかったw.

手前が南側で緩やかな斜面、家の向こうの北側は勾配がある斜面。
中はスキップフロアになっていて、南側に車庫と入り口、右の部屋が奥さんが陶芸をする工房があり、北側へ数段あがった2階が大開口のリビング、リビングの下がお風呂や寝室など。ちょっと説明しにくいけど、土地の勾配、眺望、導線がとてもよく考えられていた。
眺望の良い北側大開口の木造住宅、そして天井が高く暖炉付き、というのはもう私が理想とする住宅の見本のようなものが実際に存在し、そこで生活をしている事実はあまりにも衝撃的だった。そう、憧れのような空間と生活をする友人の勇気というか決断に嫉妬すら感じた。

彼は結果的に海外が長く、日本にいる間は賃貸物件住まい。最近まで都内に住んでいたが、週末にゆっくり過ごせる別荘をと土地探しに3年をかけていたのだそうだ。探しに探してこの土地を気に入り、そして自分で家の設計までやった。さすがデザイナーですな。建築は不動産屋さんに紹介してもらった地元の工務店に頼むことで、設計料や建築費をリーズナブルにするとともに、自分自身の理想の生活を手に入れたという次第。

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まだ社会人になって4年目の頃。自分自身が転職したばかりのその年に、親友の大学の同級生とともにニューヨークに旅行する計画をたてた。HISもインターネットもまだ無かった時代、お金はないけど下っ端で責任なんてないから休みは取りやすかったので、クリスマス前に日本を発ち元旦に帰国する、という航空券とホテルだけついた2名から催行という格安のツアーを旅行会社の店頭で見つけた、さらにホテル代を節約することを目的にニューヨーク駐在になったばかりの友人宅に宿泊して、どこかに連れて行ってもらおうと考えた。その友人というのが今回訪ねた彼。

当時、彼は6月に結婚したばかりの新婚さんだった。その初めてのクリスマス、正月にのこのこ日本から独身の男二人が図々しく泊まらせてもらいにいったのだった。

大晦日、男2人でキャッツを見終わった後にブロードウエイまで自家用車で迎えにきてもらうことにしたのだが、有名なカウントダウンのためマンハッタンは道路封鎖の規制がはじまってしまい落合場所のホテルまで車が近づけない事態に陥りながら、携帯電話もない中なんとか奇跡的に遭遇できたり、さらに元旦の朝には新婚の奥さんがフリーズドライから料理してくれたおせちをいただき(後から聞いたら、駐在先の上司から届けていただいたかなり貴重なものだったらしい)、空港まで高速道路をぶっとばしてケネディ空港まで送ってもらったという超迷惑なことをしたので、お互いに一生忘れない思い出になっている。

一宿一飯のお礼は、彼がニューヨークに駐在した記念になるものをという要望から,当時立体版画という独自の創作活動で脚光を浴びていたジェームス・リジィの作品を二人でSOHOのギャラリーで買ってプレゼントした。まさに訪問した年の新作で、作品名は A BIG APPLE。

今回、ちゃんと工房の壁に飾ってあって 四半世紀ぶりの再会をはたした。それが上の画像。

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夜は、近くの街の小さな魚屋さんにお願いしてあったという伊豆の幸を肴に、手土産に持参した日本酒(久保田の萬寿!)をちびちびやりながら暖炉の火を眺め ながら話が弾む。ちゃんとニュヨーク旅行時の写真(リバーサルとそのダイレクトプリント)が入ったアルバムを今回は持参したので、懐かしい昔話も。なんと 豊かな時間なんだろう。

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翌朝は別荘地内にある沼を一周する道を3人で散歩。風と鳥の声しか聴こえない。

同い年で、世界で活躍した企業勤めをリタイアし、豊かな自然に囲まれた自分で設計した自宅で静かに過ごす生活を始めた友人。

一番近いコンビニまで車で10分以上、最も近いバス停までも街路灯の無い真の闇の様な山間を歩いて10分程。何でも揃うショッピングセンターには車で15分ほど。全く不便ではないにしろ、都会での生活に見切りを付け、人生90年時代の残り30年40年をどう心豊かに過ごすかを考え、行動に移した彼。体力や気力が衰えた時にことも視野に入れていた。

人それぞれだが、自分の仕事や生活 家族を見つめ、これから30年の生き方、豊かな時間 豊か生活ってなんだろうとをじっくり具体的に考える機会を与えてくれたといっても過言ではないだろう。

ありがとう友よ。

今度は妻と二人で遊びにいきます。

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2012年7月31日 (火)

国宝三昧 その2

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30日は午前中に東大寺大仏殿、東大寺ミュージアム、東大寺戒壇院、興福寺国宝館、春日大社などを巡った。あいにく宮内庁正倉院は100年振りの改装中で近寄れず。
酷暑の奈良に観光に来る日本人は希少。築数百年の堂内はどこも蒸し暑く、外を歩けば倒れそうな猛暑に修行の様だった。
が、アジアからの団体さんさえ過ぎ去 ればわが家族で空間は独り占め、平成の正倉院をコンセプトに昨秋オープンしたばかりの東大寺総合文化センターはじめ 遷都1300年のおかげで最近リ ニューアルされた施設も多く、雨宿りならぬ暑さ宿りに入館して薄暗いヒンヤリした環境で仏像をなめ回すように間近に鑑賞。

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どれもディティールが繊細で美しい。
吽(うん)形の那羅延金剛(ならえんこんごう)の足の指先。。。

昨日見た百済観音だって、この盧遮那大仏、四天王立像、そして大人気の少年の様な阿修羅像、国宝ってのは、実は当時はとんでもないほど常識外れなコンテポラリーアアートだったんじゃないか。だから時空を超えて今でも魅惑するのか。

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東大寺南大門も鹿すら、半眼でその御々足の表情が。。

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東大寺大仏殿の西に四天王像の最高傑作といわれる立像が安置されている戒壇院がある。大仏殿はさすがにこの時期でも人が多いが、ここを訪れる人はほとんどいない。案の定ここも貸し切り。そしてその裏手、北門を出た前にフルトミンという乳酸菌を製造していた工場跡が今もそのまま残っている。1925年から1980年頃まで稼働していたそうだが、25年以上を経てリノベーションし、2年半前にカフェやイベント会場としてオープンしている。その名も喫茶室 工場跡事務室

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おうすに氷を浮かべた甘みのセットや、3種のプチケーキセット500円など。建付けがよくないのか断念材もはいっていないのでクーラーも冷えすぎずちょうどいい(笑い)

ちなみに上の画像のテーブルは元乳酸菌飲料の出荷検査台だっそうで、木のテーブルに鉄板が貼ってある。ヒンヤリと冷たくて気持ちよかった。

観光地価格のステレオタイプのいかにもという参道のお店も便利でいいけれど、せっかくなら30代,40代の方々がこれまでの資産を活かしながら、汗をかき、工夫をして新しい価値を提供しようとしている現場を体験してみるのもいいんじゃないかと。

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午後は春日大社に日本の国の秩序をお願い詣でて帰路についた。

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ちなみにお宿は奈良ホテル。ここも普段なら満室,高額で泊まるチャンスは難しいのだろうが、夏季は空いていてリーズナブル、とインターネット予約。が一歩遅くて本館は満室になってしまい、新館に宿泊したが5年前に設備がリニューアルされていて快適。

そして本館館内はくまなく探索。築100年の木造建築の「関西の迎賓館」を堪能した。アインシュタインが弾いたというピアノは触れませんでしたがww.

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東京駅などの設計した辰野金吾氏の氏には珍しい和風建築である。

建築も素晴らしかったが、働いている方々が誇りを持ってましたね。

 

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2012年7月30日 (月)

国宝三昧 その1

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今年の夏休みの家族旅行のテーマは国宝三昧。世界遺産巡り。
次女のクラブ活動と合宿、夏期講習に日程が決まってから、私の夏休みと重なって空いていたピンポイント都合のつく2日間の家族旅行を6月にプランニングした。
北は十和田市美術館から南は安芸の宮島・松山案まで自分の行きたいとこ5案を家族にプレゼンしたところ、移動に時間がかかるより 、行けそうで行けないところと日本のどまんなかのうましうるわし奈良案に決定。よりによってめっちゃ暑いところだが、まあ空いているからいいかあ、と。
私は小学校の修学旅行以来40年振りの再訪、妻は高校の修学旅行以来、次女の学校は修学旅行がなくなってので、初めての奈良。

7月28日の朝、家族全員4時55分に起床して、ロンドンオリンピックの開会式生中継をカウントダウンから見て、選手入場の間に朝食を食べ自宅を出た。移動するのぞみの車内で次女のガラケーのワンセグを覗き込みながら、スマホのらじるらじるでNHKの実況中継で聖火の点火を見て、ヘイジュードを聴く。世界の祭典が始る中、日本という国の発祥地へ。

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まずは日本最初の世界文化遺産、世界最古の木造建築へ。
いずれも築約1300年なのである。
覚悟はしていたものの奈良の暑さは流石である。
バスから降りて影のない広い境内を歩くだけで汗が滝のように…。
団体さんが去れば蝉時雨のみの静寂と貸し切りの様な状況に飛鳥時代の人の修行に思いを馳せる。
おかげで人の映らない絵はがきの様な写真が撮れ、中門から西廻廊、大講堂、鐘楼、金堂、五重塔と西院伽藍を巡り、仏像のひとつひとつをディティールまでなめるように見て回った。
1998年に完成した大宝蔵院は雨宿りならぬ暑さ宿りできる空調が効いて涼しい。玉虫厨子と百済観音をはじめとする数々の宝物のような美術品を拝する。
そして東院伽藍の夢殿、舎利殿、絵殿、伝法堂、鐘楼。
教科書の写真での印象とは全く異なるスケール感と、高度な技と創造力による繊細な細部の意匠とバランス。圧倒される様な存在感は現物ならではである。

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再び、人影も日陰もない境内をとぼとぼと歩きバス停にまで戻る。奥は国宝東大門。途中,食堂横にある唯一冷房が効いているお休み処に水分補給に寄ってみたら、ここにたくさん人が集まっていた。

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法隆寺前から路線バスの春日大社行きに乗り、唐招提寺まで移動。今回は新横浜から京都まで新幹線利用しその先の奈良・大和地域のJR、近鉄、奈良交通バス乗り放題という遊々きっぷを利用。この路線バスに乗るだけで元は取れるばかりか既にお得。地元足なので途中の乗り降りも多く、空調のあまり効かない路線バスから、屋根瓦の多い地元の民家の家並みや金魚養殖の溜池があちこちに広がる郡山あたりの風景をのんびりながめているだけで、いろいろ発見があって旅の風情を感じる。

唐招提寺についても、アジアからの団体さんを二組程やりすごしてしまうと境内の人影はまばで、御廟前庭では蝉時雨のみがかえってその静寂を余計に強調しているようだった。

ここは唐招提寺蓮も有名とのこと。戒壇院横の蓮が西陽の木漏れ日に輝いていいた。

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唐招提寺の金堂は創建以来築900年の長きに亘る建造物であるが、1995年の阪神淡路大震災をきっかけとした文化財建造物の耐震性の課題と、1998年に伽藍建築が世界文化遺産となったことから2000年から10年位及ぶ金堂平成大修理事業の末、2009年11月に落慶法要が執り行われたばかり。その際の建物調査で得られたデータなどを元に3DCGなども制作され、コンテンツの再利用として見学者にスマートガイドが提供されていた。窓口でgalaxy tabletが有料で貸し出され、要所の点在するマーカーにかざすと解説がイヤホンから聞こえ、同時に映像コンテンツが様々な角度から再現される。

次女が高校生料金で借り、一度に二人までイヤホンで聴くことができるというので妻が利用していたが、使い勝手と一通りマニュアル再生で聴いてしまったため私にも回ってきた。混んでいる時なら便利かもしれないが、こういう人の少ない静寂な空間ではむしろ現代の道具は無粋でした。

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唐招提寺の門前のお店で甘いもの水分補給で一休み。のんびりしていたら、そろそろ閉店ですというので薬師寺まで歩いてみると、拝観終了の看板。17時までだけど入場は16時30分までね。近鉄で奈良に戻る。

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夕食はならまちの築95年の町家をリノベーションしたカフェ「カナカナ」にて。カナカナごはんはハモの天ぷらの大根おろし添えなど5品に御飯、お味噌汁,プチデザートにコヒーやハーブティーなどの飲み物がついて1250円。唯一のアルコールはエビスビールの小瓶だけです。+150円でセットにも出来ました(^^v  お座敷などは満席で大人気、ちょうど大テーブルが空いたところだったのですぐにすぐに座れてラッキー。

100年未満というのは今日の建物群ではつい最近みたいなもんで。それでもこのならまち界隈は1990年以降に都市景観条例で江戸時代以降の町家が保存され、市民主体のまちづくりから割と新しい観光スポットとして人気があるようだ。既に日も暮れて団体さんに出会うこともなく、ぶらぶらするだけで情緒をたのしめた。

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2012年5月21日 (月)

金環日食

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今朝は金環日食だった。
上の画像は、大学時代の同級生の増井誠一郎くんが撮影した画像。
金環の瞬間をアップにした画像は多いが大抵リングのアップばかりだ。そんな中で、雲がいい具合にフィルター代わりになって、手前の木立と広がった雲の表情などのコントラストがとってもいい。
facebookにアップされた写真をシェアして、本人が自由に使っていいよ、というのでこちらでも紹介させてもらった。特別に準備していたわけでなく、都内中野区の自宅バルコニーからSONY NEX-7(APS-C)、200mmで撮影したそうだ。

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事前情報で自宅から数Kmのすぐ近くを中心食線が通るという好条件だと知る。6時18分頃に右上から徐々に欠ける日食がスタート。最大食は朝7時34分頃。金環食継続時間は5分04秒程度。リングの均等度合いは98.9%前後と、真円のリングが楽しめるという。リングが見える頃、いつもならちょうど最寄り駅から地下鉄に乗る時間帯だ。
朝、起きて南西側は晴れているのに、ベランダから北東方向の空を眺めて見たら、曇が広がっていていたのでこれはだめかなあ、と。でも時折雲が薄れて、その薄い雲がフィルター代わりになって肉眼でちょうどいい具合にちらりとかけ始めた太陽が見えた。

北西を向いた寝室の窓からマンションの隣接した公園を見てみると、朝から数人だった観察するご近所さんがいつのまにかかなりの数に。上の画像は7時25分頃。
駅の手前で空が広く広がっているところがるあから、ちょうど7時35分過ぎにそこを通って金環をみてからすぐに地下鉄に乗る算段をした。だって、金環を見終わってからだと、多分電車凄く混むだろうから。

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自宅のあるマンションと駅の間には大きな広場が広がる公園があり、とても見通しがよいので、犬の散歩ついでにそこに留まっている人とか、家族連れ、友達同士の小学生など想像以上の人達が観察していて普段とは違った雰囲気で賑やか。小学校の先生も巡回している。学校から観察を薦められたのかな。座って観察できるベンチは満席(笑)。
ちょうど駅の手前で緑道が、歩道橋になったところも見通しがよくて、人がたくさんいた。
ちょうどそこで、観察していた子供達や周囲から「わっーー!!」と大歓声が上がった。
それまで厚い雲に覆われてた太陽が、一瞬だけ顔を覗かせ、見事なはっきりとしたリングが雲のフィルター越しに見えたのだ。はい、私も見ました。急いでiPhoneを構えて何枚か撮影したけど、露出がうまくあわなくて白飛びしてました。
でもちゃんと目撃!

12月10日にあった皆既月食も寒かったけど,夜、家族で公園でご近所さんと夜空を眺めた。
2009年7月22日の11時頃、東京で部分日蝕を見ることができたときは、
朝からの土砂降りでちょっと無理かなあとは思いこんで机で仕事をしていて、お昼休みに外に出てみたのだけれど雲が広がって見れなかった。ちょうどその時間に外出をしてた同僚が雲が薄くなったときに雲がフィルター代わりになってコンパクトデジカメでも奇麗に撮れた画像を見せてくれた、その時のブログ「日食に思う」はこちら

次回、日本での金環食は2030年(北海道)、皆既日食は2035年(北陸~北関東)だそうだ。
13年後ね。


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2012年5月 3日 (木)

燕子花三昧

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5月2日は大型連休の狭間に有給休暇をいただいた。貴重な平日。朝からのあいにくの雨の中、この時期恒例の根津美術館へ。

KORIN展
庭園の燕子花が咲き誇る頃になる大型連休を挟んで、所蔵する国宝「燕子花図屏風」を公開するのが恒例だ。このブログでも2010年5月4日の「4年振りの再会」で紹介している。今年は特別展として「光琳ふたつの金屏風 東京・ニューヨーク 100年ぶりの再会」というコピーの通り、尾形光琳が同じテーマを、同じ六曲一双屏風に10数年の時をおいて描いたニューヨークのメトロポリタン美術館に所蔵される「八橋図屏風」が並んで展示された。
この企画は当初、昨年の4月に予定されていのが、東日本大震災の影響で1年延期されて開催されたのだ。
昨年の大型連休は私もここに足を運ぶことができなかったので、2年振りの再会、そして大きな楽しみだった。

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『八橋図屏風』と『燕子花図屏風』、庭園の燕子花、堪能し、お庭の散策の後、NEZUCAFEでランチ。
そこで、何故「八橋図屏風」がメトロポリタン所蔵なのか?100年前は?と妻から素朴な質問。コーヒーを飲みつつ、iPhoneで早速ググってみたら、松平家→旧鳥取藩主池田家→1919年幕藩体制崩壊によ る売立→82000円で落札され様々な美術商、個人に渡り→山中商会→1952年メトロポリタン美術館購入。そして根津美術館の今回の企画で国宝燕子花図と100年振りの再会 ということが判明。そういう解説は図録にも載っていないよね。

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隈研吾設計の根津美術館本館は、鉄板による大屋根の潔よさが特徴。
瓦屋根だと和食チェーンのような建物になってしまうと、厚い鉄板の切りっぱなしが並べてある。以前本で、「溶融亜鉛メッキの鉄板屋根が、感覚的に冷たくなってしまわないか心配だったのですが、そこに嬉しい誤算がああった。雨水の流れによって、雨跡のスジが直に出てきて、それが工業製品の冷たさを見事に消してくれた」と。雨までデザインの要素に入れていたのか。。
雨の日の大きな軒下には庭園散策用の傘が用意してある。
当日はかなりの大雨で、そのの軒から雨の雫が滝のように流れ落ちている。
そう、よく観察してみるとは雨樋がないのだ!
柱を感じさせない空間構成とお庭の景色と一体化させる大きな硝子越し、そしてあらためて表参道から歩いてきて横断歩道を渡ったところ始る長いエントランスアプローチ、いずれも軒から簾のように盛大に雨が流れ落ちる様が美しい。

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写真には上手く写らなかったけど、軒からカーテンのようにずらーりと盛大に雨が流れ落ちてます。地面側に普通ある雨受けの側溝もなし。そう、玉砂利に雨は吸い込まれ、その下に隠されている。

そして、後日ブログでこの雨のみちのデザインについて隈研吾氏がインタビューを受けているサイトを見つけた。

「基本的には、垂れ流しでやったのですが、竣工後に一カ所だけ樋を付けたところがあるんですよ。 わかりましたか?庭側のところは、二層分落ちてしまうので、もの凄く散らばってしまうんです。計算だと、そんなに散らばらないはずだったんだけど、上手く 行きませんでした。屋根から落ちる雨水が散らばってしまって、親子代々数十年、この庭を手入れしている庭師の方からクレームをいただきまして。その方々に とっては、木は自分の家族なわけですよね。これでは庭の木々が駄目になってしまうと言われまして、追加で樋を付けることになりました。だから、あの樋は人のためではなく、木のための雨樋なのです。」

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2011年7月30日 (土)

雲の表情

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急に薄暗くなり、冷たい風に雨の匂い。雷鳴が聞こえたので窓の外を眺めてみたら、恐怖映画にでてくる様な黒い雲が一カ所に集まって、ものすごい雨を降らしているのが目で見える。
カメラを持ち出して撮影をしてみたが、絞りがなかなか難しい。暗くてノイズが多くなるし。
インターネットで雨量情報や雨雲レーダーを調べてみると,17時30分過ぎに発生して急速に発達した所沢方面と調布方面のゲリラ豪雨のようだ。

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今日は雲の表情が豊かだなあ、なんて空を眺め、15時過ぎに偶然同じ方向の空の写真を撮っていた。わずか2時間ちょっとの間の変化だ。

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未明はバケツをひっくり返した様な豪雨だったのが、明けて曇り、お昼頃には青空が広がり、午後には高いところの雲と、低いところの雲が重なり合い、遠くには絵に描いた様な入道雲がモクモクといった具合に、上空は冷たい空気と地表で温められた空気が複雑ば気流をつくって入り組んでいるのかな、なんて考えていたところだった。
目まぐるしく変化する雲と光の変化は写真に撮るのは難しい。

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モノクロにすると私たちが見ているのは光と影が描く美しい陰翳ということがよくわかる。
でも大好きなマジックアワーは、薄く残った赤みに太陽の残存を感じながら、薄やみに広がる青の気配にこれから来る暗い世界への不安を抱くことで、絶妙な色のバランスから醸し出される心理状態に浸るのが楽しいのだ。

今日の日没は残念ながらモノトーンの世界へと誘われ、夜の闇には閃光が光る落ち着かない時間となった。

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2010年12月 5日 (日)

ニッポンのカタチ

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どこでしょう?
銀座四丁目の時計台ですね。時計と同じ高さの目線。

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増床した銀座三越のテラスから眺められます。

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デパートというなかれ百貨店。何でも揃う。
文化の発信地の役目も担っていたはず。
銀座三越8階 Japan Edition
「粋・華・艶」備えた「日本の手仕事」「日本のたしなみ」「日本のデザイン」にじっくり出会えます。

上の画像は「「藁の文化」ですね。
恩師からの年賀状は毎年この祝いのカタチのスケッチが描かれています。
それぞれの地方に伝わる意味のあるカタチ。
私は左下の岐阜 飛騨高山のカタチを求めました。一番小さいもので750円でした。

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2010年6月20日 (日)

横浜の風景から考える

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男女の間の寸法って 感情と信頼の証?(山下公園にて)

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風景を眺めながら、問いかけられた詩に応える自分。
(象の鼻カフェの窓から/詩は谷川俊太郎氏の「象の鼻での24の質問」)

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2010年5月 9日 (日)

風薫る、山笑う

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お天気がいい。ちょっと薄日で湿度も低いので、自転車でニュータウンの緑道を走る。
新緑がまぶしい。
風薫る、山笑う、とは素晴らしい表現だ。

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せせらぎ沿いに散歩するひと、ジョギング、サイクリング、家族で楽しむ人、多数。

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ヤゴやザリガニにはまだちょっと早いと思うんだけど、水辺の小動物を採るガキどもは歓声を上げて走り回っている。「たも」やら枝の先にスルメをぶら下げたり。そりゃ、じっとしていられないよね。

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水辺にはところどころに小さな花が密生している。
クレソンの花です。そうサラダにでてくるやつ。
クレソンがあるということは水がきれい、ということで、公園愛護会の人達が蛍が舞う光景を復活させようと活動されている。自宅の隣の公園の活動も今年で3年目になるので、6月頃には幻想的な光景が!と期待している。

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桜やハナミズキの華やかさが過ぎ去り、地味ながら小さな真っ白な花が塊をつくっている光景が目立つ季節に移ろう。上の二つ、木の名前はよくわからず。ちょっと後で調べてみよう。
このあと、エゴの木の花が下を向いて咲く光景が里山や庭木 街路樹で見られる。

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おお、地面にも小さな白い花が群生している。
初夏に白い花というのは何か意味があるのかなあ。

そして 山滴る の季節へ。

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2009年4月12日 (日)

芽吹き

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桜がすっかり散ったと思ったら、もうハナミズキが咲き始めている。

湿度が低いためか空が高い。

朝、枝だけだったユリノキが、午後には枝先から小さな緑を吹き出していた。

お花見の終わった公園は、 ピクニックで過ごす家族連れ、子供達の歓声で賑わっていた。夕方、私も自転車でのんびり近所をサイクリング。

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木によって赤ちゃんの葉っぱの生まれ方、色、形と芽吹き方にとても個性がある。
それをちょっと俯瞰して眺めるとその個性が美しいハーミニーを奏でてるんんですよ。
新緑のなんともいえないグラデーションの里山、水際、遊歩道の木立。
春の息吹をたっぷり感じてリフレッシュ。

多分、もう来週末にはすっかり緑が濃くなっているのです。

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